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2016_J1_第34節・・美しすぎるレッズのゴール・・だから「5秒間のドラマ」仕立てで書き残そうとキーボードに向かった次第・・(レッズvsマリノス、1-1)・・(2016年11月5日、土曜日)

ゲーム当日にアップした「コラム」では取り上げる余裕はなかったけれど・・

そう、レッズのハイレベルな組織コンビネーションが生み出した美しいゴール。

それは、五人が絡む、ダイレクトパス&シュートと、ワントラップ&プレー(ワンタッチ&パスorシュート!)を駆使した、まさにレッズを象徴する美しいコンビネーションゴールだったんだよ。

ところで・・

この、「ダイレクト」と「ワンタッチ」という戦術表現の意味合いについては、新連載、「The Core Column」で発表した「このコラム」を参照してください。

そこで主張した内容は、多くのサッカー人とニュアンスを共有しています。

ボールを止めずにパスしたりシュートするプレーは、サッカー人の誰もが認識している通り、本当に、特別なグラウンド上の現象なんだよ。

だから、そのプレーを、「ワンタッチ」などと軽く呼んで欲しくない・・と、心から願っている筆者なのであ〜る。へへっ・・

あっと・・

とにかく・・、その美しいゴールを「5秒間のドラマ」仕立てで反芻しようと思ったわけさ。

さて・・

最初は、最後尾からの(たぶん阿部勇樹からの!?)タテパスを受けた武藤雄樹から「仕掛けの流れ」がスタートした。

ところで、その武藤雄樹。

彼の攻守ハードワークの内実には、ホントにアタマが下がる。

今シーズンの武藤雄樹は、クリエイティブ(創造性)リーダーでもある柏木陽介と並ぶ、高質な組織サッカー(≒攻守ハードワーク!)のイメージリーダーだった。

そんな彼らには、もっと、もっと、高木俊幸への「刺激」をブチかまして欲しい・・と思う。

何せ、あれほどの優れた才能に恵まれた高木俊幸を、「あのレベル」で終わらせちゃうのは、レッズにとってだけじゃなく、日本サッカーにとっても大きな損失でしょ。

要は、「もっともっと攻守ハードワークに精進しろっ!!」っちゅうわけさ。

それが充実してくれば、もっともっと頻繁に(良いカタチで!!)ボールに触れるだろうし、彼の創造性プレーの実効レベルだって天井知らず・・ってな流れに乗れるはずだよ。

ホントに、ホントだよ。

もちろん、この厳しい(!?)批評は、高木俊幸が徐々に「覚醒」しはじめているからこその𠮟咤だよ。まあ、老婆心・・

あっと・・、タテパスを受けた武藤雄樹だった。

前戦の選手たちは、マリノス守備にハードにマークされているから、ボールホルダーの武藤雄樹は、まわりを見回しながらボールをキープせざるを得なくなった。

だから、その「静」は、相手をつり出すような「タメ」というよりは、勝負の流れをスタートさせるのに、「ちょっと躊躇(ためら)った・・」という表現の方が当てはまるかもしれない。

でも・・

次の瞬間(武藤雄樹の、仕方ない「静」を感じた!?)柏木陽介が、爆発したんだよ。スペースへ向けた、相手マーカーを置き去りにするフルスプリント。

そう、まさに、パスを呼び込む爆発フリーランニング。

次の瞬間、もちろん武藤雄樹は、柏木陽介の眼前スペースへパスを回す。

でも、それと同時にアクションを起こしたレッズ選手がいた。左サイドバックの関根貴大。

彼は、パスを受ける柏木陽介へ「寄って」いったんだ。

その動きがよかった。

彼は、柏木陽介が、自分の動き(意図と意志!)を感じてくれていると確信できていたわけさ。

そして、二人の動きが交錯するなかでボールが受け渡されるんだけれど、そのポイントに、マリノス守備が三人、集中「させられて」しまったんだよ。

それが勝負の瞬間だった。

もちろん関根貴大は、ダイレクトで、スッとポジションを下げた李忠成へ横パスを出す。

そして自身は、爆発パス&ムーブで、決定的スペースへ抜け出していった。

この時点でマリノス最終ラインには、ゴール前の中央ゾーンに、ポッカリとスペースが空いてしまっていた。

関根貴大は、李忠成へのダイレクトパスによって、マリノス最終ラインの重鎮、中澤佑二が「引き出される」と感じていたに違いない。

だからこその、(関根貴大と李忠成による!)ダイレクトでの「ワンツー・コンビネーション」だったというわけだ。

この瞬間、関根貴大と李忠成の「ダイレクトパス・コンビネーション」のイメージは、見事なまでにシンクロしていたんだよ。

たしかに、関根貴大の完璧フリーのワントラップ(ワンタッチ!)&シュートはマリノスGKの正面に飛んでしまったけれど(足で弾かれた!)、そのこぼれ球に飛び込んできたのが、柏木陽介だったというわけさ。

それにしても美しい、ダイレクトパスを織り交ぜた最終勝負コンビネーションだった。

このコラムでは、パスを呼び込む爆発フリーランニング(=勝負への強烈な意志!)という視点で、レッズがブチ込んだ、美しいゴールを、「5秒間のドラマ」風に書き残そうと思った。

このゲーム以外でも(もちろんこのゲーム内でも!)レッズは、様々なカタチのダイレクトパス・コンビネーションで、相手最終ラインの決定的スペースを攻略 しているから、書きはじめたらキリがないけれど、まあ、年間勝ち点チャンピオンを決定づけた貴重なゴールだったから・・。

もちろんレッズは、そんなダイレクトパス・コンビネーションだけじゃなく、大きなサイドチェンジからの、サイドを崩し切るドリブル突破とか、一発タテロングパス、たまにはアバウトな放り込み、そしてミドルシュート等など、最終勝負バリエーションも増えている。

だから、「興行チャンピオンシップ」でも、最高の集中力に支えられた「コレクティブ(組織的)連動ディフェンス」と最高レベルの仕掛けを絶対的ベースに、格別な「勝負強さ」を発揮してくれるモノと思いますよ。

そう、格段に進化&深化&浸透している勝者メンタリティー。

ということで、前回コラムでも書いたけれど、興行チャンピオンシップについては、あくまでも、クラブワールドカップへの切符を手にするための勝負だという心づもりで臨んで欲しいと思っている筆者でした〜。

最後に・・。新連載「The Core Column」でレッズ関連のコラムを書いています。「これ」とか「あれ」とか。ご参照あれ。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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