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2016_ルヴァンカップ(その4)・・監督の戦術コンセプトを「深く」共有する連動チームプレーこそが!・・(レッズvsFC東京、3-1)・・(2016年10月9日、日曜日)

・・チームだよ・・チームが大事なんだ・・

私の質問に応えて、ミハイロが語りはじめた。

彼が言う「チーム」とは、もちろん、ダイレクトパスを織り交ぜたコレクティブ(組織的)なコンビネーションサッカーのことでっせ。

あっと・・

もちろんそこには、互いのプレー意図が確実にリンクしつづける、守備での(組織的な)イメージング連鎖というニュアンスも含まれる。

要は、攻守ハードワークに支えられた、優れたチームプレー・・ってなことですかね。

そう、「個」ではなく、あくまでも「組織プレー」がもっとも重要・・ってことさ。

何たって、「組織」が充実してなきゃ、「個の才能プレー」だって、効果的に繰り出していけるはずがないわけだからね。

ミハイロが強調したかったのは、そのコトだった・・と思う。

そんな「レッズ・コンセプト」を象徴していたのが、彼らがブチ込んだ、まさに「美しさの極み・・」といった組織コンビネーションによる先制ゴールだった。

そこでは、青木拓矢の「タメ」から高木俊幸への「ラスト・ファウンデーションパス」、興梠慎三の決定的フリーランニング、そして高木俊幸の、ダイレクトでのラストスルーパスが秀逸だった。

もちろん、そのラストスルーパスを受けた興梠慎三の「決定力」や、周りのチームメイトたちが魅せつづけた、ボールがないところでの動きの量と質(サポートやカバーリングの動き!?)等など、ピックアップするテーマはゴマンとあるけれど・・

まあ、「それら」は置いておいて、冒頭のミハイロのコメントに戻りましょう。

そこでの私の質問は、こんな感じだった。

・・いまのレッズでは、「サブ」というイメージがつきまとう(つきまとっていた)選手たちが、大活躍しているが・・

・・物理的にも、心理・精神的にもキツい「準レギュラー」が、これほどの進化を遂げた背景には、ミハイロさんのウデも含めて、何があったのだろうか?・・

そんな質問に対して、(ボタンを押された!?)ミハイロが、例によってエネルギッシュに語りはじめたっちゅうわけさ。

その内容の骨子ニュアンスは、こんな感じ・・

・・レッズの外国人は、(組織マインドに長けた!?)ズラタンしかいない・・要は、才能「ばかり」でプレーするような「個人主義プレイヤー」はいないということだ・・

・・もちろんレッズ選手たちは、それぞれに優れた特徴をもっている・・でも、その特長は、優れたチームプレーがベースになっているからこそ効果的に発揮されるんだよ・・

・・あっと・・新規に加入してきた選手たちの進歩というのが、質問の骨子だったよな・・

・・たしかに、それには時間はかかる・・でも、我々のやり方を理解するにしたがって、本当の意味でチカラを発揮できるようになっていくんだ・・

その、レッズのサッカー。

それについては、新連載「The Core Column」で発表した、「こんなコラム」「あんなコラム」をご参照ください。

両方ともチト長いけれど、それでもレッズが(ミハイロが)志向し、そして成し遂げてきた成果のコノテーション(言外に含蓄される意味)の概要は、ご理解いただけると思いますよ。

ということで、ここからは、そのコラムでも強調した、ボールを止めない、ダイレクトでのパスやシュート(組織コンビネーションの絶対ツール!)というテーマを、簡単に表現しましょうかね。

レッズやフロンターレが志向する組織コンビネーションサッカーでは、ボールを止めない「ダイレクト」でのパスが、決定的に重要な意味をもつ。

もろちん、「足許から足許へのダイレクトパス」のことじゃないよ。

ここで扱うのは、あくまでも、スペースへのダイレクトパス。

もう何度も書いているように、攻撃の目的はシュートを打つことであり、そこへ到達するための「当面の目標」が、スペースの攻略というわけさ。

そして、攻略したスペースが決定的なモノならば、即シュートへつながるっちゅうわけだ。

他のチームでも、もちろん、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションを使うよ。でも・・

そう、レッズやフロンターレの場合は、スペースで「ある程度フリーなボールホルダー」を創りだすプロセスが、とにかく秀逸なんだ。

そこでは、ボールキープ(タメ)&パス&3人目(4人目)フリーランナーへのダイレクトでの(スルー)パス・・等など、とにかく、一つのコンビネーションプロセスのなかで機能するプレイヤーの数が、群を抜いている。

だから、3人目、4人目のフリーランナーが、フリーでパスを受けちゃうなんていうチャンスメイクシーンが、面白いように創りだされるんだよ。

ちょっと、表現が「舌っ足らず」だと感じる。何せ、サッカーじゃ、まったく同じシチュエーションなんて、2度と起きないわけだからサ。

とにかく、レッズが織りなす、ダイレクトパスを散りばめた組織コンビネーションは、フロンターレ同様に、レベルを超えているということが言いたかった。

それは、ミハイロがイメージする勝負シーンそのものなんだろうけれど、それって、何人もの選手たちが、同じレベルで「イメージ共有」できていなければ、決して機能しないからね。

とにかく、そんな組織サッカーを、「このレベル」まで引き上げた、ミハイロ・ペトロヴィッチの「ストロングハンド」に、素直にシャッポを脱いでいた筆者なのであ〜る。へへっ・・

最後に、青木拓矢。

何か、彼の、攻守にわたる、忠実&クレバー&(強い闘う意志が感じられる!)ダイナミックプレーを観ていると、とても幸せな気分にさせられる。

やっぱり、才能ある選手の「ブレイクスルー」を体感することほどハッピーな経験をはないね。

もしかしたら、「あの」中村俊輔のブレイクスルーに匹敵する出来事だったかも・・

いや、感動ブレイクスルー選手は、もっといたはず。でも、パッと思い浮かばない。それほど、青木拓矢の「ブレイク・スルー」は、特筆の出来事だったんだろうね。

もちろん、駒井善成、高木俊幸もまた、感動ブレイクスルー選手だよ。

ということで、ルヴァンカップ決勝が、楽しみで仕方ありません。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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