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2016_J2_第14節・・良かった・・これでヴェルディ観戦が、より楽しいモノになりそうだ・・(ヴェルディvsエスパルス、2-1)・・(2016年5月22日、日曜日)

「タイムアップの後、選手たちが、こんなコトを言ったんですよ・・ここまでやって初めて勝ち点を得られるのか〜〜・・ってね」

ヴェルディ冨樫剛一監督が、そんな、ものすごく重要なコノテーション(言外に含蓄される意味)を内包するプレイヤーの発言を披露してくれました。

・・そう、それだよ・・その体感を積み重ねることこそが決定的に重要なんだ・・

私は、冨樫剛一監督の言葉を聞きながら、心のなかで、その言葉の意義を反芻していた。

ヴェルディについては、今シーズンも、既に何ゲームかはコラムをアップした。でも、そのほとんどが、消化不良の、暗い、暗〜いニュアンスにならざるを得なかった。

そんなだから、書いていて、楽しいはずがない。

だから今日も、ちょっと「斜に構えて」スタジアムへ向かったんだよ。まあ、行くことを決断した背景には、テレビ観戦した直近2ゲームの内容が良かったこともあったね。

「アレ!?・・ちょっと選手たちのプレー姿勢が好転している・・」ってなコトを感じていたんだ。

そして・・

ゲーム全体を通せば、(直近2試合の!?)テレビ観戦インプレッションや冒頭の選手コメントを踏襲するように、とても立派なサッカー(闘い)を披露したとするのがフェアな評価でしょ。

ところで、この「立派」という表現だけれど、その形容詞に含まれる攻守コンテンツを具体的なプレー内容に置き換えてみると・・。

まず何といっても、選手たちが、主体的に(積極的に!)、攻守ハードワークを「探しつづける」という姿勢でプレーしていたことを挙げなきゃいけない。

もちろん「それ」には、ボールをめぐる球際での「ぶつかり合い」も含まれる。

そんな、局面での激突シーンで、ヴェルディ選手は、それまでに観られなかった「強烈な闘う意志と粘り強いフィジカル勝負」をブチかましつづけたんだ。

特に、高木兄弟。

彼らの「闘う姿勢」には、まったく納得できていなかったんだよ。それが、まさにイメチェン。

これまでは・・

まさにお座なりの、ボールへの(相手の次のパスレシーバーへの!)寄せやチェイス&チェック。

また局面でのせめぎ合いでも、すぐに諦めて「足を引いちゃう」。観ていて、腹が立った。でも・・

そう、テレビ観戦したゲームでもそうだったけれど、今日スタジアムで目の当たりにした彼らの闘う意志は、これまでのイメージを完璧に払拭してしまったんだ。

また、高木兄弟だけじゃなく、このゲームで先発したドウグラス・ヴィエイラも、攻守にわたって、とても実効レベルの高い「汗かきハードワーク」を魅せつづけた。

それもまた、私にとっては、大きなイメチェンだった。

だからこそ、中盤ディフェンスのリーダー中後雅喜も、より効率的、効果的に相手の次のパスレシーバーに狙いを定めることが出来たっちゅうわけだ。

まあ、とはいっても、「全て」がうまく回りはじめたのは、ヴェルディユース出身の「突貫小僧」、井上潮音が、南秀仁に代わってグラウンドに登場してからですか・・ネ。

ということで、前半のヴェルディは、たしかに全体的には闘う意志は充実していたけれど、どうも、肝心の勝負所での集中ぎれや、意志の分散が感じられていたんだよ。

そんなネガティブな雰囲気が、ミスからのエスパルス先制ゴールにつながり、その後の、二つの決定的ピンチの背景にあったと思うわけだ。

私は、エスパルス先制ゴールの後に冷や汗をかかされた「その二つの大ピンチ」を体感しながら、「また同じことの繰り返しになっちゃうんだろうか・・」なんて溜息をついていた。

でも・・

そう、前述した、井上潮音という「突貫小僧」が出てきてからは、ガラリとゲームの様相が変異していったんだ。

井上潮音がブチかましつづけた攻守ハードワーク。また、それをベースにしているからこその、実効レベルの高い「創造力(クリエイティブ)プレー」。

それらは、本当にインプレッシブそのものだったぜ。

とにかく、この井上潮音には、今後とも、大注目だ。

ところで、冒頭で紹介した、ヴェルディ選手の発言。

それは、「ここまでやらなきゃ勝ち点は取れないのか〜・・」という正直な感想だった。

その言葉だけれど、それは、選手たちの本音として、こうも解釈できそうだ。要は・・

・・たしかにボール扱いは上手いヤツ等がそろっているヴェルディ・・でも、その才能は、攻守ハードワークがうまく機能してはじめて、効果的に活かすことができる・・

・・選手たちは、その根源的な戦術メカニズムについて、薄々知っていたはずだ・・でも彼らは、うまくボールを保持してゲームを支配することで、より効率的に結果を掴もうとした・・

・・要は、「楽して金を稼ごう」としていたフシがあるっちゅうコトだ・・

・・でも彼らは、一敗地にまみれ、心を入れ替えて原点に立ち戻った・・

・・そして、組織的に「連動」する攻守ハードワークを、主体的に、そして忠実に「探しつづければ」、ヴェルディが秘める「ボール周りの個の才能」も、より効果的に活かせる・・

・・そして、そのことで、本物の成功を勝ち取れるし、より深い満足が得られる・・

今シーズンのヴェルディの「軌跡」を観察していたら、自然と、そんな「解釈」が脳裏に浮かんだっちゅう次第でした。へへっ・・

ということで、これからは、「斜に構える」ことなく、ヴェルディの試合を、より楽しく観戦できるに違いないと喜んでいる筆者だったのであ〜る。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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