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2016_ドイツ国際会議(その2)・・バイエルン対マンチェスターCityのプレシーズンマッチ・・(2016年7月22日、金曜日)

ベルリンでの二日目。

テレビを点けたら、プレシーズンマッチをやっていた。バイエルンvsマンチェスターシティ。

そう、言うまでもなく、グアルディオーラの新旧クラブ対決でっせ。

ペップ率いるマンチェスターシティ。カルロ・アンチェロッティ率いるバイエルン。

とにかく、ものすごい「動きのぶつかり合い」だった。

えっ!? 何の「動き」かって!?

そりゃ、人とボールの「動き」のことだよ。

もちろん、チーム戦術としての詳細な「攻守連動イメージ」までは分からないけれど、とにかく、人とボールの動きが、半端ないほど活発なことだけは特筆だった。

全員が、素早く、広くボールを動かそうと集中しているのが、画面からビシバシ伝わってくる。

もちろんダイレクトパス・コンビネーションも効果的にミックスされるけれど、基本は、ワントラップ&素早いパス&ゴー(ムーブ)ってな感じ。

それも、「個の才能」では世界最高峰のチーム同士の闘いだから、その「動きの量と質」がレベルを超えていることは言うまでもない。

そして彼らは、その「動き」をベースに、(決定的)スペースを攻略しようとするわけだ。

そう、言わずもがなの、ある程度フリーでボールを持つプレイヤーの演出。

そして、その仕掛けの起点から、ドリブル突破や最終勝負コンビネーションをブチかましていくっちゅうわけさ。

でもまあ、基本はダイレクトパス・コンビネーションだね。

それが上手く回れば、スペース攻略も含め、多くのケースで決定的チャンスの流れに結びつく。

だから、観ているコチラは、目を凝らす。

えっ!? 何に対して目を凝らすのかって!?

そりゃ、ボールがないところでの動きの量と質に対してだよ。言わずもがなの、3人目、4人目のフリーランニングさ。

そう、「勝負はボールがないところで決まる・・」のであ〜る。

とはいっても、両チームともに、そんな相手の最終勝負イメージを知り尽くしている。だから、パスレシーバーも、そう簡単にはフリーでスペースへ入り込めない。

ヴァイタルエリアまでは、まさに夢のような「動き」で攻め上がっていく両チームだけれど、「最後の瞬間」までは簡単に到達できないのだよ。

両チームともに、目の醒めるような美しいリズムの組み立てに対して、シュートチャンスを創りだすという最終勝負のプロセスでは苦労していたということだね。

そして、「やはり・・」というか、最後は、個人勝負に頼る傾向が強くなっていくというわけさ。

でも、その「個の勝負」が大迫力なんだ。さすがに世界トップ才能たち。

特に、バイエルン左サイドのフランス代表、リベリーのドリブル突破が凄かった。

彼は、状況を冷静に読んで判断しながら、迫力のドリブル突破だけじゃなく、素早くスマートな「ワンツー」を駆使して抜け出し、そこから自身でシュートまでいったり、ラストクロスやラストスルーパスを送り込んだりする。

やはり、リベリーは別格だった。

もちろんディフェンス側も、効果的な協力プレス(カバーリング)で対抗しようとはするけれど、何度かは、ウラの決定的スペースを突き崩されていた。

この試合での、流れのなかからの仕掛けの「質」としては、リベリーがブチかましたワンツーやドリブル突破からのチャンスメイクが、一歩も二歩も抜きん出ていたよね。

この試合、結局ホームのバイエルンが「1-0」の勝利を収めたんだけれど、その決勝ゴールは、とても偶発的なモノだった。

レフェリーに当たったボールを拾った(バイエルンアマチュアチーム所属の!?)エズテュルクが、そのままドリブルで持ち込み、タイミングよくシュートを放ったんだ。

でも、そのシュートコースには、完璧な体勢のカバーリングが立ちはだかっていたから、誰もが、ブロックされたと思ったに違いない。

ところが、そのシュートが、あろうことか、相手の足に当たって微妙にコースが変わり、マンチェスターシティゴールの左隅に飛び込んでいったんだよ。

観ているこちらも、溜息が出た。

今シーズンの両チームは、特にペップ・グアルディオーラが監督に就任したマンチェスターシティは、前シーズンを越える成績を残すに違いない・・と感じた。

そう、あれほどの「個の才能」連中が、効果的な「動き」という視点でのハイレベル組織プレーにも徹してプレーしているんだからね。

もちろんバイエルンも、この試合を観る限り、サッカーの方向性に大きな変化はないでしょ。

ということで、変な勢いに乗って(!?)、欧州フレンドリーマッチ(プレシーズンマッチ)を振り返ってしまった筆者だったのであ〜る。

へへっ・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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