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2015_アジアカップ(8)・・食事とチャイナタウン・・ところで日本・・ホントに強いネ〜・・でも実際のゴールという視点じゃ・・フ〜〜ッ・・(日本vsイラク、1-0)・・(2015年1月16日、金曜日)

今日は、まず、「食事」について軽く触れましょうか。

もちろん来訪者にとっては、食費も、バカにならないほど高い。

一般的なレストランに入り、サラダとメインディッシュなどを頼むと、すぐに2,000円から3,000円が吹っ飛んでいく。もちろんアルコールが入れば、値段が大きく跳ね上がる。

ホントに、「普通」のレストランで「それ」だから、一流レストランは推して知るべし・・だね。

一体オーストラリア人は、どのくらいの平均収入なんだろう。チト、興味が湧いてきた。

ということで調べたんだけれど、オーストラリアは、日本と比べて、断然、高収入、高物価の国なんだそうだ。

2013年7月の時点で、政府が定めていた「最低賃金」の額は、何と、「53,900ドル」。いまの貨幣レートで、「5,400,000円」ほど。またアルバイト賃金も、日本の2倍ほど。

そして平均年収は、何と、「10,000,000円」を超えているっちゅうんだよ。

もちろん、社会保障が充実しているということは、税金も、とても高いのは当然だよね。ちなみに、年収で18,000,000円を超える人は、ほぼ半分を(45%!?)を税金にもっていかれるらしい。

また、その他の社会保障費もバカにならないはず(そこまで詳しく調べる時間がなかった・・悪しからず・・)。

それでも、一人ひとりの「可処分所得」の多さは、推して知るべし・・だね。

オーストラリアは、豊富な天然資源、移民から入ってくる収入、勤務時間が短いために、カネを使う時間が長い、福利厚生システムがしっかりしているために、 「後の心配」をする必要がない、そして文化的に、金離れがいい・・等などといった、経済の善循環サイクルが、うまく回っているっちゅうことなんだろうね。

まあ、もっと詳しく確かめてみなければ何とも言えないけれど、「大枠」では、そういうことなんでしょう。

何せ、何もかも高いのに、街中は人で一杯だからね。もちろん観光客も多いんだろうけれど、一般生活者の方々がメインに違いない。

まあ、いいや・・

とにかく筆者は、貧乏な「来訪者」だからネ、なるべく食費を抑えようと、オーストラリア人ジャーナリスト連中と話すときは、常に、その話題を持ち出すことにしているんだ。

そして、食費を安く抑えるテクニックが、徐々に洗練されていった。

もちろん、メインは、テイクアウトやファーストフードの店。

ハンバーガーやケンタッキーフライドチキンだけじゃなく、中華やインド料理など、探せば、種類も、味も、値段も、そこそこリーズナブルな店を見つけ出せる。

そう言えば、ブリスベン競技場に隣接する、ドライブスルーのマクドナルドでは、夜になったら、オーダー待ちのクルマで大渋滞になっていたっけ。

一般の生活者の方々は、地元ジャーナリストの方々も言っていた通り、うまく立ち回っているっちゅうことなんだろうね。それとも、単に、時間を無駄にしたくないため!? フ〜〜・・

ということで、今日は、私が行ったチャイナタウンの店と、スタジアムのメディアセンターへ持ち込んだ、インド料理のテイクアウト店を紹介しましょう。

 チャイナタウンだけれど、そこは、中国料理だけじゃなく、タイやベトナム、日本料理店もあります。まあ、だからマルチ・エスニックタウン・・ってな呼び方もできそうだね。

ブリスベンのチャイナタウンは、私の最寄り駅である「フォーティテュード・ヴァレー」に隣接している。お恥ずかしながら、私は、そのことを知らなかった(昨日のメディアセンターで同僚ジャーナリストの方に教えてもらった!)。

とにかく、内容充実で、(店を選べば!?)値段も手頃なんですよ。

今日は、そんな新しく仕入れた知識の報告を、コラムの「前段」にもってきた次第。

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さて、試合。

実は、皆さんと同様に、パレスチナ対ヨルダン戦が引き分けに終わり、日本が勝つことで、今日の時点でグループ首位を決められたらいいな〜〜・・なんて、夢を見ていたんですよ。それが・・

今日でグループ首位での決勝トーナメント進出を決められれば、様々な「無駄になるかもしれないリザベーション」をキャンセルし、フライトも、余裕のある時間帯に変えられたのに・・なんてネ。

まあ、サッカーに入り込んでいる者としは、とても「不遜な姿勢」なんだろうな。

だから、強烈なしっぺ返しを喰らったっちゅう体たらくの筆者なのでした〜(結局ヨルダンが、5-1でパレスチナを下した!)。あははっ・・

ということで、日本対イラク。

「そのとき」、皆さんのアタマのなかにも、サッカー的な悲劇のシーンが描き出されていたのではありませんか?

そう、ロスタイムに入ってからイラクに与えられたフリーキックのシーン。

イラクの攻撃で可能性を感じさせたのは、カウンターと、セットプレーだけだったけれど、そんなワンチャンスが、あり得ないタイミングでめぐってきたんだよ。

それは、誰もが、恐怖イメージに苛(さいな)まれるのも道理という状況だった。

そう、以前だったら、そんなロスタイムのセットプレーで同点ゴールを奪われていたことも多かったからね。

でも今は違う。我らが日本代表は、ブリスベンの高温多湿の自然環境によって疲れ切っていたにもかかわらず、最高の集中力でイラクのクロスボールをクリアし、しかりと守り切ったんだ。

そこで「体感」し、自信のリソースとなっていく「経験」の価値は、計り知れないと思う。

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ということで、ここからは、試合を通じてピックアップしたテーマをディスカッションするけれど、まあ夜も遅いことだし、例によってテーマをランダムに書き連ねようかな。

・・では・・

・・イラクは、基本的には、チカラのあるチーム・・

・・アジアカップでは、タイとベトナム、インドネシア、マレーシアという4か国の共催だった前々回(2007年)の大会を制したよね・・

・・私も、イラクは、イランやサウジアラビアと並ぶ中東の強豪というイメージを持っている・・

・・でも、この試合では、日本との差は、まさに歴然だった・・様々な戦術的コノテーション(言外に含蓄される意味)を含むチカラの差は、とても大きかったんだ・・

・・もちろんそれは、日本が強くなっていることの証でもある・・

・・そう、日本代表は、(日本人記者の方の質問にもあったように!)最後まで厳しい闘いを強いられた前回大会と比べても、とても成熟した・・

・・アギーレが、その質問に対して、こんなニュアンスの内容をコメントしたっけ・・

・・選手は、とても落ち着いてプレーできている・・それは、四年前の大会を経験した選手たちが、そこで体感した大事なポイントを、着実に、次の世代に伝えられていることの証明だ・・

・・でも私は、正直なところ、「あの」イラクに対して、攻守にわたり、あれほどゲームを支配できるとは思ってもいなかった・・だから、少し面食らっていた・・でも、それは厳然たる真実だからね・・

・・その要因として、まずスーパーな組織ディフェンスを挙げたい・・

・・日本代表は、前述したように、集中力を最後まで切らさずに、余裕の連動ディフェンスによって、スキなど全く出てこない状態でイラクを封じ込んだ・・

・・スーパーに安定した組織ディフェンス・・

・・「行く」ところと、「待つ」ところのメリハリ・・もちろん、アプローチは忠実でダイナミック・・それがあるから、周りの味方が「次」を狙える・・

・・またアプローチが効果的だからこそ、相手の攻撃をスピードダウンさせ、ものすごく強力で効果的な「協力プレス」でボールを奪い返せる・・

・・そんな組織ディフェンスでは、最終ラインと、長谷部誠という「前気味リベロ」とのコンビネーションが、群を抜いていた・・

・・また、後半に登場した今野泰幸も、とても効果的に「良い味」を出していた・・

・・決して遠藤保仁の出来が悪かったわけじゃない・・それでも、かなりバテ気味だった彼に代えて、まさに最高のタイミングで、攻守にわたる「中盤の仕事人」、今野泰幸が投入されたんだ・・

・・その交代で、日本の攻守ダイナミズムが、再びアップした・・アギーレの采配に、拍手・・

・・とにかく、日本の組織ディフェンスは、アプローチとカバーリング、協力プレスなどなどのアクションが、とてもスムーズで効果的、そして有機的に連動しつづけている・・

・・また、何度も魅せつづけていた、「行けないとき」は決して無理をせずにポジションを「とり直す」という判断・・まさに秀逸じゃないか・・

・・ということで、イラクのカウンターも、ほとんど機能させなかった・・だからイラク攻撃で怖かったのは、唯一、セットプレーだけ・・そう、後半ロスタイムの「あれ」だよ・・フ〜〜・・

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・・さて、次が、攻撃・・

・・まあ、多くのテーマがあるけれど、ここでは、「タテへの仕掛け」というディスカッションを取りあげたいと思う・・

・・とにかく、遠藤保仁や香川真司、はたまた長谷部誠といった中盤2列目選手たちの(もちろん最終ラインの吉田麻也と森重真人からの!!)、タテへの仕掛けパスが秀逸だったんだ・・

・・そのタイミングとコースが、スーパーだった・・

・・もちろん、「受け手」のプレーも賞賛に値する・・

・・後方から、前のスペースへ走り込んだり、戻り気味に動いてフリーになってタテパスを受けたりする・・また、相手マーカーの視線を盗み、スッとスペースへ移動してフリーになったりする・・

・・そこでは、タテパスを送り込むパサーと、受けるレシーバーのイメージが、本当にピタリとシンクロしていたんだ・・

・・まあ、結局は、決定的スペースの攻略というのがメインテーマなんだよ・・そう、ある程度フリーでボールを持つ選手を作り出すというテーマ・・

・・そんな効果的なタテパスが入れば、もちろん相手ディフェンスは、あわてて対応しなきゃいけない・・だから相手ディフェンスに、カバーリングの余裕がなくなくる・・

・・だからこそ、次、その次の穴(スペース)が出来る・・そして日本の強者どもが、素早いコンビネーションで、その決定的スペースを突いていく・・

・・だからこそ、個の勝負も、とても効果的にブチかましていける・・

・・そして、またまたイラク守備の視線と意識を引きつけ、次の決定的スペースを攻略しちゃうってな具合だね・・

・・それこそ、まさに「組織コンビネーションの善循環」ってなことでしょ・・

・・爽快なこと、この上ないじゃないか・・

・・とにかく、イラク守備の、視線と意識を集中させ、ボールウォッチャーにしてしまう日本代表の「動きの連鎖」は、爽快そのものだった・・

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・・でも実際のゴールという視点では・・

・・イラク守備ブロックを、何度も「崩し切り」、繰り返し「絶対的なチャンス」を作り出しつづけた日本代表の立派な攻撃・・だから、ゴールが「1つだけ」というのは、ホントに残念至極・・

・・彼らは、本田圭佑のPK以外にも、少なくとも4つや5つのゴールを奪わなければならなかった・・でも結局は・・

・・まあ、このテーマについては、日本に帰ってからビデオを確認しながら反芻しよう・・

・・ゴール決定力!?・・

・・たしかに、「あれほどの絶対的なチャンス」を、それも何本も作り出していながら、決められなかったのは・・それも、「あの」ゴール決定力の権化、本田圭佑が・・だぜ・・

まあ、この決定力というテーマについては、私の新連載「The Core Column」で発表した「初回コラム」も、参照してください。

そこでは、ドイツ希代のスーパーコーチ、故ヘネス・ヴァイスヴァイラーと、当時のスターストライカー、ディーター・ミュラーとの、ギリギリの対峙を描いた。

まあ、興味があれば・・

さて明日からは、グループ最終戦が始まりまっせ。私は、ここブリスベンで、イラン対韓国をスタジアム観戦します(アッ・・間違い・・オーストラリア対韓国だった・・疲れていたんだよ、ホントに、昨日の深夜は・・あははっ!!)。ではまた明日・・

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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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