トピックス


2014_まさか・・その2_昇格プレーオフ・・(2014年12月7日、日曜日)

フ〜〜ッ・・今日も、私が支持するプロコーチが一敗地にまみれてしまった。

関塚隆。

でも、まあ、彼の場合は、ジェフを今シーズン途中でテイクオーバーしたにもかかわらず、そのサッカー内容を数段アップさせたことも含め、これまで彼が培ってきた「プロとしての優れたレピュテーション(名声)」を、着実に上積みしていける優れたプロコーチだから・・

要は、この「敗戦」も、彼の今後のキャリアにとって「大切な肥やし」になるっちゅうことです。

あっと・・

このコラムのタイトルを、「まさか・・その2」にしたのは、単に、アイキャッチのためでっせ。決して、モンテディオの勝利が、「まさか・・」ってえコトじゃなかった。

でも、まあ、先日の「まさか・・コラム」じゃ、そのモンテディオが主役を演じたから、「その2」にしたっちゅうこともあるかな・・エヘヘッ・・。

あっと・・、もう一つ。

もちろん私は、(リーグ戦での!)ガンバ長谷川健太や(今回の昇格プレーオフでの!)モンテディオ山形の石崎信弘さんも、優れたプロコーチとして敬愛して いるから、冒頭の「フ〜〜ッ・・」っちゅう書き出しは、感性を正しく反映したモノじゃない。まあ、痛し痒し・・ってなトコロなんだよ。

あっと・・試合。

まず、皆さんもご存じの「昇格プレーオフの特別ルール」から・・。

要は、J2の最終成績で、上のチームが、ホームスタジアムを使うことが出来、引き分けの場合は、彼らが勝ち名乗りを上げられるという物理的なアドバンテージのことです。

でも、その決勝は、「味スタ」というニュートラルスタジアムでの開催になった。そのコトについては、関塚隆さんも、チト皮肉っていたっけね。

でも、どうなんだろうね。

もちろん監督や選手は、その「甘い罠の内実」を、痛いほどよく分かっている。だから、決して、ホームゲームの雰囲気に甘えたり、引き分けを狙ったりするハズがない。

でも・・

そう、この試合の立ち上がりでは、何となく(!?)ジェフが、すこし「構え(抑え!?)気味」にプレーしていたという印象が残るんだよ。

だから、最初の1分間を除き、決勝ゴールがはいるまでの間、モンテディオにゲームのイニシアチブを握られることになった。

もちろん、モンテディオの「意志」が優り、だからこそ、中盤でのボールをめぐる「せめぎ合い」で主導権を握られた・・という見方もできるわけだけれど・・。

それに対して、1点を追う後半のジェフ。そこでの彼らは、見違えた。積極的に、強烈な意志を前面に押し出してボールを奪い返しつづけたんだ。

そして、持ち前のパスコンビネーションだけじゃなく、後方からの「シンプルなロングパス」も駆使し、何度も決定的チャンスを作り出した。でも、決められない、決まらない。

そのうちのいくつかは、誰もが、「アッ、ゴールだっ!!」と身体を硬くするような絶対的チャンスだったにもかかわらず・・。

ツキ・・!? 運・・!?

まあ、そういう見方も出来る。でもサッカーじゃ、この「ツキ」とか「運」とか呼ばれる「何か」を特定したり、言葉で表現するのは、ホントに難しい。

何せサッカーは、イレギュラーするボールを足で扱うという、不確かな要素が満載したボールゲームだからね。周りの味方の「イメージ」とか「意志」、相手のアクションや意図などといった、多岐にわたる要素が、複雑に絡みつづけているっちゅうわけだ。

実は、この、「ツキ」とか「運」とか呼ばれる「何か」について、そのバックボーン(定義)を、関塚隆さんに聞いちゃったんだ。

でもまあ、「こんな状況」での質問だからネ・・。

・・そのご質問ですが、今ここで考えてお答えするのは難しいです・・

そんな風に、はねつけられるのも道理だった。スミマセン、関塚隆さん、チト、無神経な「オフサイド質問」でした。これからは、もう少し気を遣うようにしますので、お許しアレ。

_____________

さて、ここからは、石崎信弘さんの発言のなかから、私が興味をもったテーマをピックアップし、そこで意図されたと思われるニュアンスを中心に、簡単にまとめることにします。曰く・・

・・選手たちが、全身全霊をもって最後まで闘ってくれた・・心から感謝したい・・

・・もちろん、まだまだ戦術的にも技術的にも課題は多いけれど、この闘う意志という視点では、我々は胸を張って「J1」へ行けると思っている・・

・・とにかく我々は、勝ちたいという気持ちでは、どこにも負けていないと思っている・・

・・向上心・・それが我々の普遍的テーマだった・・

・・もっと言えば、私は、選手たち自身が、もっと上手くなりたい、もっと強くなりたいと心から渇望するように(心理的にも!)リードしてきたと自負している・・

・・中国で指導しているときも、着実に発展し、成果を挙げていた・・だからこそ選手たち(少し甘やかされた富裕層の子息たち!?)の「向上心」もアップしたと思っている・・

・・(日本でも中国でも!)、ボール扱いがとても上手い選手たちがいた・・でも、そんな選手の多くは、ハードワークから逃(のが)れようとする傾向が強い・・

・・私は、そんな才能ある選手たちだからこそ、積極的に心理マネージメントを仕掛け、そして徐々に、攻守にわたるハードワークにも精を出すように仕向けていった・・

・・そのマネージメント内容と成果については、とても自信をもっている・・

・・私がチームをテイクオーバーしたとき、山形の選手たちは、上手いけれど、ボールがないところでの動きの量と質や守備でのハードワークで、劣っていた・・

・・だから私は、その部分を強化することにリキを入れた・・そして、そこでのハードトレーニングを通して、彼らが大きく飛翔したと思っている・・

・・過去20年間の、日本におけるサッカー文化の浸透状況ですか!?(コレ、私の質問だった・・それは、石崎さんだからこそ質問だった!!)・・

・・たしかに、まだまだ外国サッカーに心を奪われるなど、アタマでっかちの部分はあるけれど、社会でのサッカーの浸透度は、とても進んできていると思いますよ・・

・・20年前の山形には、まったくといっていいほどサッカー文化はなかったけれど、それが、ここにきて、広く、深く浸透してきていると感じるのです・・駅に着いても、すぐにモンテディオのフラッグが目につくし、サッカー関連のマークも、市内にあふれている・・

・・そのサッカー文化ですが・・その浸透のためには、何といっても、人々が感動するようなサッカーを魅せられることこそが重要だと思っている・・

・・たしかに、上手く、美しいサッカーで勝てるのがベストなんだろうが、私は、それだけじゃなく、ヘタでも、一生懸命に走り、全力で闘いつづけることでも 人々を感動させられると思っています・・そして、それが、サッカー文化を、より一層浸透させる原動力になると思っているのです・・

・・ところで・・

・・最近の山形で、湿った雪がトレーニング場に積もっていたのですが、それを、サポーターの方々に手伝っていただいて取り除いたんですよ・・

・・そこには、サポーターの方々との一体感がありました・・それ、ホントに、良かったですよ〜・・

(最後に、胴上げされたときの思いは?・・なんていう質問に対して・・)

・・いや・・だって、(J2の最終成績は!)6位ですよ・・ちょっと気恥ずかしかったですよ・・でも、最後は、選手たちに捕まってしまった・・

最後の方は、石崎信弘さんの人間性が見えてくるエピソードではありました。

===============

ところで、先日、高円寺のパンディットという「トークライブハウス」で、ブラジルW杯の「ナマ対談本」に絡めて、後藤健生さんと対談をやったんですよ。

アナウンス(事前の告知)が足りず、参加していただいた方は少なかったけれど、その対談全体が、「You Tube」にアップされましたので、お知らせします。

2時間近くも話しまくったのですが、その第一部が「こちら」で、その第2部が「あちら」です。

また、下記の「ナマ対談本」についても二人で語っている部分があるのですが、編集部が、それを、このように「編集」したのだそうです。まあ、ということで「こちら」もご参照アレ。あっと・・ 新刊の基本情報については、「こちら」をご参照ください。

============

 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

===============

 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

==============

 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





[ トップページ ] [ Jワンポイント ] [湯浅健二です。 ]
[ Jデータベース ] [トピックス(New)] [ 海外情報 ]