トピックス


2014_日本代表・・「個」についての再認識と新しい発見・・また2列目トリオによる仕掛けの「変化」について・・(日本vsニュージーランド、 4-2)・・(2014年3月5日、水曜日)

そうだナ〜・・後半の内容が、チト消化不良(気味)だったからナ〜・・

前半の25分過ぎからタイムアップまで、ニュージーランドが本来のチカラを発揮し、前へ仕掛けてきたよね。

だからこそ、それを余裕をもって受け止め(=連動ディフェンスで、なるべく高い位置でボールを奪い返し!?)、しっかりと相手守備のウラの決定的スペースを攻略するような仕掛けをブチかますことで追加ゴールを挙げられていれば、とてもスッキリしたんだろうけれど・・。

でも、まあ、ザックも言っていたように、このトレーニングマッチには、これまでのチーム戦術の確認と、新しい選手のテスト(チャンスを与える)という意味合いもあったわけだから・・。

ところで、自分たちのサッカーの確認・・

そう、だから、W杯が近づいてきたら、チカラが劣る相手とのトレーニングマッチを組むんだよね。そうすれば、より容易に(!?)自分たちのサッカーを展開できるし、様々な「戦術的約束事」も、より深く、明確に、確認し合える・・。

また、新しい選手のテストという意味合い・・

これも、成功裏に目的を達成できた。ニュージーランドが(徐々に)本来のチカラを発揮したからこそ、様々な視点で、新しい選手たちのチカラ(特性なども!?)を確認できたと思うんだ。

私は、特に、青山敏弘のプレーに目を奪われた。彼は、代表でも、ものすごく自信をもって、サンフレッチェのときと同じような優れたプレーを披露してくれたんだ。とても頼もしかった。

彼は、山口螢とともに、本当に良いプレーで存在感を発揮した・・と思う。

あっと・・、個人の評価だったら、岡崎慎司がブチかましつづけた、決定的パスを呼び込むフリーランニングを忘れるわけにゃいかない。この試合でも抜群の存在感を発揮した。

これについては、私のHPではじめた新連載、「The Core Column」でも取りあげたから、「そのコラム」も参照してください。

とにかく彼の、強烈な意志を込めた、「相手の視線を盗む(!)爆発スタート」と「全力フリーランニング」は、日本代表にとって、かけがえのない強力ウェポン(武器)なんだよ。

でも・・サ、彼がいなくなった後半は、攻めがチグハグになったよね。

そこには、もう誰も、相手の最終ラインを「引きずり下げられる」ような決定的フリーランニングをブチかませなくなったんだ。

だからニュージーランド守備にしても、常に「前を向いて」構えられた。

要は、ニュージーランド守備が、自分たちの「背後の決定的スペース」も気にしなければならない状況に追い込まれることが皆無だったということだね。

もちろん大迫勇也に、そのタスクを期待したけれど、うまく飛び出せない。また、後半に登場した清武弘嗣にしても、足許でパスを受けたり、コンビネーションの「駒」になるようなチャンスメイカーイメージが強すぎるし・・ネ。

まあ、仕方ないけれど、とにかく今の日本代表の攻めにとって、岡崎慎司は、何ものにも代え難い「価値」を生み出しているという事実を再認識してもらいたかった。

------------------

ということで、このコラムの骨子テーマに入ろうか。それは・・

・・2列目トリオ(香川真司、岡ア慎司、そして本田圭佑)のポジションが、あまりにも固定し過ぎている・・もっと頻繁にポジションを変えた方がいい・・というテーマ・・

攻撃にとって死活的に重要になってくるテーマは、何といっても、そこに「変化」をつけられるかどうかというコトなんだよ。

そう、相手守備が冷や汗をかき、正確に対処するのに四苦八苦するような・・ネ。

例えば、人とボールの素晴らしい動きのなかで、たまに本田圭佑や香川真司が、スピードに乗ってパスを受け、そのスピードを落とさずドリブルで勝負を仕掛けていったり。

また、誰かがコアになってワン・ツー・スリーという流れるようなコンビネーションをブチかましたり。はたまた岡崎慎司が、ウラの決定的スペースへ飛び出すことで、一発ロングラスト(タテ)パスを呼び込んだり・・。

そんな変化をブチかまされたら、相手ディフェンスは、とても困る。

でも、そんな「変化」を、より効果的に演出するためにも、2列目トリオは、もっと頻繁にポジションチェンジを繰り出した方がいいのでは・・というのがオレの主張なんだよ。

だから、ザックに問いかけた。

それに対してザックは、例によって、とても誠実に、こんなニュアンスの内容をコメントしてくれたっけ。曰く・・

・・岡ア伸二は、あのポジションが、もっとも効果的なプレーが出来ると思う・・そこから、相手ディフェンスの裏に飛び出したりとかネ・・それが、彼の特長がもっとも活きると思うんだ・・

・・また本田圭佑は、中央がいい・・そこで彼は、チーム随一の効果レベルでボールをキープしたり(タメの演出!)、ポストプレーを魅せたり、はたまた、コンビネーションのコアになったりできる・・

・・それに対して、本田圭佑がサイドに流れた場合、彼の特長は、うまく活きてこない・・

・・最後に香川真司だけれど・・彼については、本田との関係性をベースに特長を活かすのがいい・・でも、二人の距離が近すぎたら、うまく機能しない・・

・・香川真司は、ドリブルやコンビネーションだけじゃなく、ウラへの飛び出しも期待できる・・もちろん彼は、トップ下(2列目センター)でも左サイドで も、効果的に能力を発揮できるけれど、本田圭佑ほどの効果レベルで、ポストプレーやボールキープ(タメ)の演出はできないと思う・・

・・とにかく香川真司は、サイドゾーンを起点に、そこからセンターゾーンへ入っていく方が、良いプレーを展開できると思うんだ・・繰り返すが、彼は、マークする相手を背負ってプレーするのは(本田圭佑ほどは!?)得意ではないんだ・・

フムフム・・

まあ確かに、選手の特長を考えれば、そういう考え方もできそうだけれど、私が言っているのは、このトリオが、あまりにも基本ポジションに張り付きすぎている・・ということだからネ。

もちろん彼らも、たまにはポジションを変える。香川真司がセンターへ入ったり、右サイドの岡崎慎司と、サイドを入れ替えたり。

でも、あまりにもポジションチェンジが少なすぎる。それでは、「攻撃の変化」として相手ディフェンスを警戒させるところまではいけない。

ザックも言っているように、このチームの絶対的なベースは、人とボールが活発に動きつづける組織(コンビネーション)サッカーだよね。

それがあるからこそ、(パスを受ける時のスピードを落とさずにブチかます!)突破ドリブルだけじゃなく、サイドや後方からの「ロング放り込み」も効果を発揮するシーンを作り出せる。

そして、組織サッカーというベースがうまく機能していたからこそ、(ミランではまだ上手くチームにインテグレートされていない!?)本田圭佑や、(マンUでは、まだ不遇の!?)香川真司も、水を得た魚のように、活き活きとプレーできた。

そして、だからこそ私は、2列目トリオは、もっと頻繁にポジションを入れ替えた方がいいと思うんだよ。

私は、この三人は、「どのゾーン」でも、同じように効果的な組織サッカーを展開できるし、(ザックが言う)三者三様の「武器プレー」もブチかましていけると思っているんだ。

たしかに、本田圭佑のボールキープやポストプレー最高だ。

勝負パスを「呼び込む」決定的フリーランニング(爆発スタート&フルスプリントで最後まで走り切るプレー!!)では、岡ア慎司の右に出る者はいない。

また、もちろん、組織プレーの「流れ」をスムーズにアップさせる「加速装置」としての香川真司も、チーム随一だろう。

そんな三人の特長は、よく分かる。でもサ、そんな武器プレーって、「ポジションを固定」しなければ、うまく機能しないのかい?

ワールドカップ本戦の相手は、世界の強者なんだぜ。ポジションを固定したら、それこそ、ターゲットを絞り込まれて潰されてしまうのがオチでしょ。

だからこそ、日本に「しか」演出できない『攻撃の変化』も、しっかりと演出しなければならないと思うんですよ。

そう、日本にしかできない、(ゼロトップ気味で!?)人とボールが動きつづける究極の「組織サッカー」を絶対的なベースにした「攻撃の変化」の演出。

そこでは、ドリブル勝負や、日本にしかできない「素早く正確なコンビネーション」、はたまたサイドを深く「えぐって」送り込むラストクロス(もちろんニアポスト勝負)とか、岡ア慎司の爆発フリーランニングを活用する一発勝負(ロング)パスといった変化をつけるんだよ。

どうだろうね。繰り返しになるけれど・・

私は、いまの日本代表の「2列目トリオ」が、ちょっと、ポジションを固定することに固執しすぎていると感じるのですよ。

私は、縦横のポジションチェンジを繰り返しても、ザックジャパンのチーム機能性の効果レベルが地に落ちちゃうとは、決して思わないんだけれど・・。

・・ということで、睡魔と闘うのもこれが限界ってなところです・・

==============

 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

===============

 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

==============

 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





[ トップページ ] [ Jワンポイント ] [湯浅健二です。 ]
[ Jデータベース ] [トピックス(New)] [ 海外情報 ]