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2013_CL・・すごい「せめぎ合い」だった・・堪能した・・(レアルvsマンU、 1-1)・・(2013年2月14日、木曜日)

さて、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント。

 とにかく、すごい「せめぎ合い」だった。レアル対マンU。エッ!?・・せめぎ合い!?

 そう、たしかに全体的なゲームの流れとしては、積極的なプレッシング守備をベースに、「ホーム」のレアルがイニシアチブを握った。それは、確かなこと。また、シュート数でも、決定機でも、「数字的」には、レアルが大きく上回った。

 でもさ、実質的な勝負の流れでは、どうだっただろうか。

 とにかく、前半のレアルがブチかましつづけた、最前線からのプレッシング守備は、迫力満点だったね。そして、その勢いに気圧された(!?)マンUは、後方からのサポートを繰り出していけない。だから、攻撃が単発で厚みがなくなっちゃう。

 要は、マンUが得意とする組織サッカーがままならない・・っちゅうことだけれど、それじゃ、香川真司が目立てないのも道理。相手は、レアルの強者ディフェンダー(スピードとパワーの塊!)だから、そんなヤツらをドリブルでブッちぎることなんて出来ない相談だ。

 ただマンUは、そんな「押し込まれ気味」のゲームの流れの中からでも、セットプレー(香川が得たコーナーキック)から先制ゴールを挙げちゃうんだよ。ウェルベックの、タイミングの良いジャンプからの(流し)ヘディングシュート。

 でも、その10分後には、これまた抜群のジャンプ力を魅せたクリスティアーノ・ロナウドが、ディ・マリアからのクロスをヘディングで叩き込んじゃうんだ。まあ、ホントに、エキサイティングな勝負展開ではあります。

 それにしても、クリスティアーノ・ロナウド。やはり彼は、良いカタチでボールを持てたら、それは、それは、強烈な勝負プレー(ドリブル突破チャレンジ)をブチかましていく。

 でもそれには、良いカタチでボールを持てたら・・という条件がつく。レアルの仲間たちは、彼の才能を「引き出す」ように、その周りで「汗かき」のハードワークをするからね・・。

 そう、クリスティアーノ・ロナウドが、良いカタチでボールを持てるように・・まあ、自分たちのために・・でもあるけれど・・。

 天才クリスティアーノ・ロナウドは、レアルにとって、「まだ」諸刃の剣!? さて〜・・。まあ、それもまた、とても興味深いテーマではあるよね。

 そんな、「条件つき」のクリスティアーノ・ロナウドに比べ、攻撃的ハーフのパートナーであるディ・マリアのプレーは、ある意味で「泥臭く」、そして抜群の実効レベルにあると感じる。

 プレッシング守備の流れでも、高い「汗かき」貢献度を魅せつづけていたディ・マリア。そんな彼がブチかます勝負ドリブル&危険なミドルシュートが、何度マンUゴールを襲ったことか。

 あっと・・、ディ・マリアだけじゃなく、コエントランとか、エジルとかケディーラといった「組織サッカーの役者」連中がブチかましたミドルシュートを、ギリギリのところで抑えつづけたマンUのスーパーGK、デ・ヘア。ホント、素晴らしいの一言だった。

 ということで後半。

 そこでキーになった現象は、レアルのプレッシング守備の勢いが、徐々に減退していったっちゅうことでしょ。

 もちろん、マンUの「前への物理的な勢い」というか、「前への意志」というか、「それ」が前半の終わり頃からアップしていったこともあったんだろうけれど、その背景には、レアル守備の勢いが徐々に減退していった・・っちゅう要素も「絡んでいた」!?

 まあ、サッカーは、これ以上ないっちゅう程の「相対ボールゲーム」だからね。

 ということで、両チームが「せめぎ合った」試合は、痛み分けっちゅうことになりました。

 試合後の選手たちの表情。両チームともに、とても爽やかだったね。全力を出し切った・・っちゅうこともあったんだろうけれど、その爽やかな表情の奥には、もちろん、「まあ・・フェアな結果だったよな・・」っちゅう、体感ベースの印象があったに違いないよね。

 だからこそ、フェアなせめぎ合い・・

 さて、香川真司。「あの流れ」のなかでは、とても良いプレーを展開したと思いますよ。

 中盤での、「あの」強烈なプレッシャーのなかでボールをもっても、素早く巧みなボールコントロールで、しっかりと味方へつなぎ、すぐに「次のスペース」 でリターンパスを受けたり、タテの決定的スペースへ抜け出したりと、限られた状況でも、しっかりと組織プレーマインドが光り輝いていた。

 まあ、2本くらいは、「判断と決断の遅れ」によって、レアルの強者どもに身体を寄せられ、ボールを失っちゃったけれどネ。

 実は、そのウチの1本は、味方の決定的なピンチの芽になっちゃったんだよ。要は、ボールを失ったところからショートカウンターをブチかまされたっちゅう ことだけれど、アレは、冷やっとした。もちろん香川真司は、ボールを失った次の瞬間には、全力で、そのショートカウンターの流れを追いかけはしたけれ ど・・ね。

 最後に・・ミスについて・・

 サッカーは、ミスの積み重ね・・わたしは、よくそんな表現を使います。要は、たとえば攻撃では、どのようにボールを失うのか・・というテーマに集約されるわけだね。

 確かに「それ」は、根本的なメカニズムの一つなんだけれど、このゲームでは、両チームともに、本当に「つまらないミス」が少なかった。

 今度、機会を改めて、詰まらない(レベルが低い)ミスと、相手とのハイレベルなせめぎ合いのなかでのミス(ボールを失う現象)というテーマにもスポットを当てましょう。あっと・・もちろん、守備でのミスも含めてネ。

 では、今日は、こんなところで・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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