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2013_岡崎慎司・・とても素晴らしい活躍(マインツでのデビュー戦)だった・・(2013年8月13日、火曜日)
				
   
   
   
   
			 
			
またまた遅ればせながら、岡崎慎司。数日前に行われたブンデスリーガ開幕マッチです。
    
 テレビ放映が「BS1」だけということで、コラムアップが今日になったのですが、岡崎慎司は、攻守にわたって活躍した。ホント、誇らしい気持ちだった。
    
 岡崎慎司は、監督のトーマス・トゥヘルに請われ、今シーズンからマインツ05でプレーすることになったわけだけれど、その開幕マッチの対戦相手となったのが、昨シーズンまで所属していたVfBシュツットガルトっちゅうわけだ。
    
 彼らは、どんな心持ちで岡崎慎司の、活き活きとしたプレーを見ていたんだろうネ・・
    
 ところで、マインツ05で活動をはじめた岡崎慎司。
    
 先日までドイツに滞在していたので、マインツの練習マッチは2試合観戦した。そのときのコラムは、「あれ」と「それ」。
    
 そのコラムでも書いた通り、「基本的なポジション(役割バランス)は守備のモノであり、攻撃でのポジショニング(役割バランス)は自由だ・・」と公言し
てはばからない監督、トーマス・トゥヘルの指揮(チーム戦術イメージ)のもと、選手たちは、活き活きと「自由に」プレーしていた。
    
 岡崎慎司も、攻守にわたって、まさに自由自在に「動き回り」、とても「頻繁に」ボールに絡んでいたね。ここでは、攻守にわたって頻繁にボールに絡んでいた・・というポイントと、自由自在な動きというのがテーマですかね。
    
 彼が、守備でも常に全力ハードワークをプチかましていることは言うまでもない。それもまた、トーマス・トゥヘルが高く評価している点でしょ。
    
 そして、守備を(組織ハードワークを!)絶対的ベースにしているからこそ、攻撃でも、どんどんボールに絡んでいける・・というか、味方が、信頼してパスを付ける。
    
 そして「そこ」から、シンプルにボールを展開することもあるし、チャンスとなったら(相手ディフェンスが薄い状況でパスを受けたら!)迷うことなく、ドリブルで勝負していく。
    
 チームメイトも、岡崎慎司の、そんなメリハリの効いた、ボール絡みの実効プレーを頼りにしていると感じる。
    
 この開幕マッチの相手は、岡崎慎司の古巣シュツットガルト。彼らもまた、とても実効ある組織サッカーをしている。だから内容は、まあ、互角。
    
 両チームともに、ボールを奪い返したら、常に、出来るかぎり「手数をかけず」に、最前線へ向けてボールを動かそうとする。そう、積極的な「タテ狙い」のイメージがチームに浸透しているんだよ。
    
 だからこそ、ボールをめぐる「激しいせめぎ合いシーン」の応酬で、ゲームが白熱するっちゅうわけだ。
    
 ちょっと脱線するけれど・・。そんな両チームのサッカーだからこそ、テレビ中継のカメラワークに納得できない。
    
 とにかく「寄り過ぎ」なんだよ。そして、タテへの仕掛けパスが通されたら、カメラを「ぶん回して」そのシーンを「追いかける」。そりゃ、乱暴でしょ〜・・
    
 こちらは、両チームがブチかまし続けるタテへの「仕掛け意志」が、どのように、ボールホルダーとパスレシーバーの「間で」シェアされているかが見たいわけだ。そう、パスレシーバーの動きと、相手マーカーとの駆け引きのことだよ。
    
 それ「も」観たいのに、カメラワークが許してくれない。ちょっと溜息が出たね。
    
 聞くところによると、ブンデスリーガのテレビ中継は、アメリカの会社に総合委託されているということだけれど、これじゃ、ダメでしょ。
    
 たしかに、ボール周りのせめぎ合いという「迫力あるシーン」は堪能できるけれど、それでも、サッカーの基本は、何といっても「パスゲーム」なんだからね、その見所を奪われちゃ納得できない。
    
 とはいっても、後半になってからのカメラワークが、「ボールがないところでのプレーも」捉えようとする方向へ、コンセプト転換していたようにも感じたけれど・・
    
 これは微妙なニュアンスなんだけれど、もっとサ、ボール周りの「迫力シーン」と、ボールがないところでの「サッカーの根源的な魅力シーン」を、うまくバランスさせるようなカメラワークは出来ないものなんだろうか・・ね。
    
 私は、例年の「UEFAチャンピオンズリーグ」のカメラワークが気に入っているのですよ。あっと・・イングランドとドイツでのゲームを除いてだけれど・・あははっ・・
    
 あっと、またまた脱線が「過ぎた」。
    
 岡崎慎司・・
    
 とにかく、運動量がハンパじゃない。それも、ジョギング程度の「移動」と、攻守の目的を達成しようとする「意志の爆発フルスプリント」とのメリハリが素晴らしいんだよ。
    
 聞くところによると、彼自身も、「僕は、守備への参加も含めて、動き回ることでプレーのリズムを作っていくタイプだから・・」なんて言っているそうな。
    
 もちろん中には、「動きすぎる」ことで、互いのポジショニングバランスが崩れてしまうことを嫌う監督もいるだろうけれど、トーマス・トゥヘルは、まったく違うからね。
    
 だから、ドイツから発したコラムでも、岡崎慎司は、とても良い監督の下でプレーしている・・そのことで、彼の持ち味が(日本代表にとっての貢献度も!)、何倍にも増幅していくに違いない・・なんて書いたわけだ。
    
 要は、チーム戦術コンセプトこそが、選手の発展にとって、とても重要な意味をもっているということなんだよ。
    
 「それ」によって、選手の発展内容に大きな差異が出てきてしまう。だからこそ、いつも書いているように、選手の発展にとっては、『監督との巡り合わせ』というツキの部分も大きいと書いているわけだ。
    
 何か、岡崎慎司が挙げた「冷静な」ゴールや、決定的ピンチでの(味方ゴールライン上での!)ギリギリのクリアシーンといった、エキサイティングシーンは無視したようにも思うけれど、それらは、あくまでも「結果」にしか過ぎないからね。
    
 重要なポイントは、そこにいたるまでの「プロセス内容」にあるわけだ。
    
 例えば、ゴールシーンでは、タテの決定的スペースへ抜け出していく「忠実なフリーランニング」、次のトラップアクション、相手ディフェンダーと相手GKの動きを見極めた、冷静な股抜きシュート・・といったプロセスがね・・
    
 またヘディングでの(絶対的な失点ピンチでの!)クリアシーンでは、ボールのコースに合わせたポジショニング調整と、味方GKがボールに触れないことを、これまた冷静に見きわめたタイミング良いジャンプという「プロセス」が光っていた。
    
 最後になったけれど、ゲームの残り15分というタイミングで交替出場した、「天才」モーティングについて。
    
 上述した、ドイツ発信のコラムでは、彼が、マインツ攻撃イメージを作る・・と予測した。でも実際は、開幕マッチではベンチスタートだった。
    
 でも、出場してすぐに、マインツ3点目のアシストを決めた。
    
 また、両チームの、「ビシバシ」ってな具合のサウンドさえ聞こえてきそうな、「タテへの仕掛けサッカー」のなかで、やっと「タメ」っちゅう雰囲気をかもしだしていた(クリエイティブな攻撃の流れの変化を演出した!)。
    
 でも、そのタメプレーにしても、シュツットガルトの集中プレスによって、半分は「潰されて」いた。
    
 どうなんだろうね・・天才モーティング。
    
 トーマス・トゥヘルは、彼の「クリエイティブな能力」を、どのように使おうとしているんだろうか。その時々のゲーム戦術によって使い分ける・・ということなのだろうか? それとも、チームの基本的な攻撃イメージの基盤にしようとしているのだろうか?
    
 そんなトーマス・トゥヘルのチーム戦術イメージにも、とても興味がある。そこのところも含めて、彼とは、サッカー談義に花を咲かせてみたいね。近いうちに・・
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				 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
			
			
			
			
			
			
			
			
				 追伸:わたしは
”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
			
			
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				 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
			
				 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
			
				 
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
			
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