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2013_香川真司・・(マンUvsノーウィッチ、 4-0)・・(2013年3月3日、日曜日)

いいね〜、香川真司。

 このところ、様々な意味合いを内包する「イメージング」が、チームに(・・まあ、ルーニーやファン・ペルジーといった主力のイメージと)フィットしてきていると感じる。

 イメージング・・。要は、守備でも、攻撃でも、人とボールが「動いているシーン」を、次、その次と、アタマのなかに、かなり鮮明にイメージ描写できているということです。

 だから、例えば攻撃では、スペースへ入り込んでタテパスを受けたシーンで、相手のアタックだけじゃなく、周りの味方の動きも同時にイメージできる。

 だから、正確なダイレクトパスで次へ展開できるし、その次のリターンパスも、スッと動いて受けられる。また、そのリターンパスをも、ダイレクトで「チョ ンッ!」とはたいてパス&ムーブといった、ワン・ツー・スリー・フォー・・なんていうスーパーコンビネーションまで演出できる。

 そんなコンビネーションイメージが、とても上手く「シンクロ」している主な相方が、「あの」ウェイン・ルーニーなんだから嬉しいね。

 もちろん、「ワン・ツー・スリー・フォー・・」なんていうコンビネーションでは、ファン・ペルジーやバレンシア、はたまた、守備的ハーフのアンデルソンや、サイドバックのエヴラといった強者どもも、効果的に絡んでくるんだよ。

 そりゃ、ワクワクさせられる。

 そんなふうに、チームメイトから信頼されているバックボーンは、もちろん、彼のボールを扱うチカラと、周りの動きとしっかりと連係できる「イメージング能力」です。

 とはいっても、そんな「直接的なバックボーン」だけではなく、それ以外にも、シンパシーなどに代表される、心理・精神的な「近さ」もある。

 その、心理・精神的な信頼関係のベースは、もちろん、誠実さとか謙虚さ、そして思いやりといった優れた人間性・社会性だよね。

 そして、「それら」がグラウンド上に現出した代表的なモノが、攻守にわたるハードワークなんだと思うわけです。

 もちろん、現代サッカーじゃ、並外れた才能にプラスして、ハードワークを厭(いと)わない高い意識と意志も、スーパープレイヤーの絶対的な条件なわけだけれど・・

 あっと・・香川真司。

 要は、彼の攻守にわたるハードワークに、高い実効レベルが伴ってきた・・ということが言いたかった。まさに、ポジションなしってな感じで攻守にわたって動き回り(もちろん味方とのバランスもしっかりと意識しながらだよ!)、仕事を探しまくるプレー姿勢が頼もしい。

 それもまた、彼が、プレミアに、そしてマンUというチームに「馴染んで」きたことを証明する現象の一つというわけさ。

 そして、そんなハードワークが、この試合では、まさにスーパーとしか表現のしようがない素晴らしいハットトリックとなって報われることになるんだから、ツキにも恵まれている。

 大事なことだよ、「幸運」に恵まれているということは・・

 それにしても、彼がブチ込んだ三つのゴール。どれも、素晴らしかったね。1本目と2本目は、相手の動きを正確に見きわめたコロコロシュート。そして、とどめが、フワッという浮き球シュート。どれも、流れのなかでのゴールだったから価値がある。

 そして、もう一つの価値が、2点目、3点目が、ウェイン・ルーニーからのアシストだったってこと。それも、香川真司を明確に意図した完璧なアシストだった。それもまた、香川真司の人間性の為せるワザ!? さて〜・・

 とにかく、着実に、世界トップへ近づいていく「本物ブレイクスルー」のバックボーンを蓄積しつづける香川真司に乾杯!

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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