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2013_ACL・・素晴らしいリスクチャレンジスピリットと、それを包み込む冷静で粘り強いカバーリング意志・・(レッズvs広州、 3-2)・・(2013年4月24日、水曜日)

フ〜〜ッ、素晴らしい粘りの勝利だった。観ているこちらも気合いが入った。

 これで、グループリーグ最終節は、勝ち点10をめぐる三つどもえのせめぎ合いということになった。

 たしかにレッズは、得失点差では不利な状況にいる。でもまあ、これで「やること」は決まったのだから、もう最終節のムアントン戦は、フッ切れて行くっきゃない。それは、それで、ポジティブな状況だとも言える。

 でも一つだけ、とても心配なことがある。それは・・

 試合が行われる5月1日のタイは、とても蒸し暑いのですよ。たぶん、一年間でもっとも蒸し暑い季節に入っている。「まだ」日本の夏に入っていないレッズにとっては、とても厳しい自然環境というわけだ。

 時間があれば、アクリマティゼーション(気候順応)に余裕をもって取り組めるんだろうけれど、この土曜日のエスパルス戦から数日を置いての勝負マッチだからね。

 生理学的にいえば、現地に入って三日目というのは、蒸し暑さに馴染むという意味でも厳しいタイミングかもしれない。

 でも・・、例えば、いまから熱いシャワー室のなかで運動することで蒸し暑さに慣れておくとか・・サ、とにかく、やるっきゃないわけだから・・

 物理的にも、心理・精神的にも、できる限りの準備をしてムアントン戦に臨んで欲しいと思っている筆者なのです。

 もし目的が達成できなくても、そんな「全精力をもってトライするプロセス」にこそ、「次の高み」へとつながっていく哲学的な意義が内包されているのだから・・

 あっと・・試合・・

 まず、広州恒大についてだけれど、さすがにカネを掛けたチームだけはあると感じた。選手個々のチカラでは、まあ、アジア有数だといえるよね。

 何せ、中国選手は、全員が国家代表だし、トップの外国人トリオ(バリオス、ムリキ、コンカ)のクオリティーにしても、アジア諸国で活躍する(フットボールネーションの!)外国人プレイヤーのなかでは随一と言えるからね。

 そして監督のマルチェロ・リッピ。

 中国でも、「イタリアサッカー」を最高レベルに機能させちゃうんだから、もう脱帽。もちろん、前後分断サッカーという意味合いも含めてネ。

 だからこそ、トップに、最高レベルの外国人アタッカーを揃えたってわけさ。そう、中国代表選手たちによるクレバーで忠実なボール奪取から繰り出していく必殺のカウンター。

 そんな彼らの仕掛けイメージでは、なるべく直線的に、パスやドリブルで相手ゴールに迫るのが基本だけれど、たまには一発ロングをブチかましたりと、とても効果的な「変化」もミックスしていくんだよ。

 最前線の外国人トリオと、一人の優秀な中国代表選手(攻撃のハードワーカー)は、そんな変化に富んだ「仕掛け」を繰り出していけるだけの能力を備えているっちゅうわけさ。

 とにかく、広州のタテへの仕掛けは危険きわまりなかった。アウェーでの第一戦でやられちゃったようにね。

 そんな強者を相手に、レッズは、最後の最後まで粘り強い闘いを魅せつづけた。

 まあ、たしかに前半は、何度かヤツらのツボに嵌(は)められて大ピンチに陥ったし、後半でも、何度か、自らのミスでボールを奪われ、自滅しかかったけれ ど、それでも徐々に、広州の「仕掛けのツボ」を、より効果的に抑えられるようになっていったのも(ゲームのなかで考えつづけながら成長していったこと も!!)確かな事実だった。

 それにしても、相変わらず槙野智章は、勇気あるオーバーラップと、リスクチャレンジの個人勝負をブチかましつづけたネ〜。

 まあ、彼だけじゃなく、左サイドの槙野智章と宇賀神友弥、右サイドの平川忠亮(梅崎司)と森脇良太で構成する「タテのコンビ」も素晴らしかった。彼らは、レッズ攻撃の主軸になっていると感じますよ。

 もちろん、そんな彼らのフッ切れた確信の仕掛けプレーにおける(物理的&心理・精神的な)バックボーンは、鈴木啓太と阿部勇樹のダブルボランチが縦横無尽に機能させつづける優れたカバーリングであることは、言うまでもないことだけれど・・

 それと、もう一人、マルシオ・リシャルデスのことも取りあげておきたい。

 先日のコラムでも書いたけれど、徐々に、攻撃でのリスクチャレンジや、攻守にわたるハードワークが、以前のレベルに戻りつつあると感じられるようになった。

 そのコラムでも書いたけれど、彼もまた、「いまのレッズ」という「勝ち馬」に乗らない手はないと(いやいや・・その進化をつづけるチームで活躍したいと!)真剣に思いはじめたっちゅうことか・・

 もし、この言い回しがマルシオにとって失礼ならば謝りまっせ。

 まあ、とにかく、素晴らしいリスクチャレンジスピリットと、それを包み込む、冷静で粘り強いカバーリングを機能させつづけた強烈な意志に乾杯!!

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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