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2012_五輪U23・・立派な、本当に立派なプレーで、日本サッカーを世界にアピールした関塚ジャパン・・(U23日本代表vsエジプト、 3-0)・・(2012年8月4日、土曜日)

やっぱり関塚ジャパンは、究極の組織サッカーを志向している!?

 それにしても立派なサッカーを魅せてくれた。そして関塚ジャパンは、世界に対して、日本サッカーを強烈に印象づけた。

 「ホントだよな・・日本の女子チームは、昨年のワールドカップで素晴らしくコレクティブな(組織的な)サッカーを魅せてくれたし、彼女たちの粘り強さにも、ホント舌を巻いたっけ・・」

 試合を(ビデオで)見終わってから、ドイツの友人とスカイプで話した。

 「だから、日本の女子チームがベストフォーに進出したのは、我々ドイツ人にとっちゃ、ごく当たり前の出来事っちゅう感じなんだよ・・でも、日本の男子 チームも、こんな素晴らしいサッカーを展開するとは・・オレ達(彼もサッカー関係者)の仲間内じゃ、日本の男子チームに対する評価もうなぎ上りなんだ ぜ・・」

 まあ・・ね、男女のオリンピックチームが展開する(志向する)組織サッカーは、ドイツ人は大好きだからね。

 昨年の女子ワールドカップだけれど、とにかく「なでしこ」は大人気だった。特に、サッカーのエキスパート連中の評価が高かった。だから、ワールドカップ後に行われた、サッカーコーチ国際会議じゃ、鼻高々だったよ。それに、仕事も、とてもやり易くなったしね。

 その意味でも、昨年のワールドカップで「なでしこ」が魅せた素晴らしい組織サッカーと、諦めることを知らない粘り強さ(意志のパワー!)には、いまでも、心から感謝している筆者なのです。

 そんな(日本の男女代表チームが魅せつづける)組織サッカーを支える絶対的なバックボーン。それは、もちろん守備にあり。すべては、守備(ボールを奪い返すプロセス)から始まるのですよ。

 そして、優れた守備のプロセスは、何人もの味方選手のプレーイメージが明確にオーバーラップする(重なりあう)ように連動しているモノなんです。

 言い方が難しくなっちゃったけれど、要は、複数の選手のディフェンスアクションが、しっかりと連動している(それぞれの選手の守備イメージが、しっかりとリンクしている)ことが大事だということです。あっと、もっと分かり難くなった!? スミマセン・・

 例えば、まず1人が相手ボールへプレッシャーを掛けたとする。そう、チェイス&チェック。

 そしてそのアクションに「連動」するように、周りの複数の味方が、次のボール奪取をイメージし、相手のパスレシーバーをマークしたり、パスコースを読んでインターセプトを狙ったり、はたまた相手のトラップの瞬間にアタックを仕掛けたりするわけだ。

 そのプロセスが上手く機能すれば、先制ゴール場面や、エジプト選手が退場になったシーンで魅せた、清武弘嗣のスーパーなボール奪取だって、誰にでも可能になる。

 それだけじゃなく、素早い攻守の切り替えを大前提に展開されるディフェンスが上手く機能すれば、次の攻撃にも、確実に「勢い」が乗っていくモノです。

 イメージが連鎖し、アクションが連動する(!)ような優れた守備は、チームに落ち着きと安定感をもたらすだけじゃなく、その安定感があるからこそ、次の攻撃にも、しっかりと人数を掛けて行けるっちゅうわけなのです。

 ちょっと、組織プレーばかりに話題を集中させちゃったけれど、もちろん個人プレーだって、使い方によっては、とても大きな価値をもたらしてくれるし、サッカーの魅力も演出してくれる。

 関塚ジャパンでも、清武弘嗣や永井謙佑がたまに繰り出す、「ここぞっ!」の個人勝負プレー(ドリブル勝負)は、とても効果的だよね。要は、使い方なんだよ、使い方。

 とにかくサッカーでは、組織プレーと個人(勝負)プレーを分けて考えるのは意味のないことです。それらは、相互に、もちつもたれつ・・っちゅう関係なんだから。

 その関係性では、一つだけ確かなことがある。それは、組織プレーがうまく機能すれば、確実に、個人(勝負)プレーを、より有利なカタチで繰り出していける・・っちゅうことです。

 人とボールが活発に動きつづける組織プレーの「当面の目標」は、スペースを攻略していくことだよね。換言すれば、それは、スペースで、ある程度フリーでボールをもつ味方を作り出すこと・・とも言える。

 スペースを上手く攻略できれば、才能に恵まれた選手は、より有利なカタチで、自分の天賦の才を光り輝かせることが出来るというわけです。だからこそ、才能に恵まれた選手は、まず、しっかりと、攻守にわたるハードワークに「も」精進しなければいけないのです。

 さて、関塚ジャパンが準決勝で対峙するのは、メキシコということになりました。

 そう、先日の準備(フレンドリー)マッチで対戦し、「2-1」というスコアで勝利した相手です。でも彼らは、とても強かった。そのときのコラムは、こちら

 その試合でのコラムでは、「粘り強い立派なサッカー」という表現をあみ出した。そう、粘り強い「組織ディフェンス」を絶対的ベースに、チャンスとなったら、人数を掛けた組織コンビネーションをもって相手守備ブロックを振り回し、スペースを攻略していくんだよ。

 とにかく、メキシコとの準決勝が待ち遠しい。お互い、とことんサッカーを楽しみ尽くしましょう。

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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