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2007_「U22」・・前半のペースを維持できず、後半の悪い流れも主体的に逆流させられなかったという学習機会・・(シリアvs日本、0-2)・・(2007年4月18日、水曜日)

テレビ観戦だったから、短くポイントをまとめます。まず何といっても、後半のペースダウンという現象について。

 結論からすれば、日本代表の全体的な走りの量と質、そして守備での勢いが減退し、逆にシリアの前への勢いが増幅したことによる現象だったということでしょう。そこでの問題点は、日本が、押し上げつづけるシリアの攻めをしっかりとコントロールできていなかったということです。

 相手に攻め込まれていても、肝心なところはしっかりと抑えているなど、相手の仕掛けをコントロールできているケースもあるからね。それに対して後半の日本は、選手交代が機能しはじめるまでは(シリアの前への勢いが減退するまでは!?)、決定的スペースを使われるなど、守備ブロックが崩されかけたシーンも多かったのですよ。もちろん、「崩し切られる」というところまではいかなかったのも事実だけれどね・・。

 そんな流れのなかで、もっと大きな問題が露呈しました。それは、守備のペースがダウンした状況から(擬似の心理的悪魔のサイクルから)主体的に抜け出すまでに時間がかかり過ぎたということです。要は、いつも書いていることだけれど、リーダーシップの不在という課題のことです。

 本物のリーダーは、反町監督のエクステンションハンドとして、仲間に瞬間的に恨まれたり憎まれたりすることなどお構いなしに、強烈な「刺激」を放散できなければならない。「ふざけるなよ! 何ビビッてやがるんだ!! しっかり闘え!! もっと走れ!!」などなど。もちろん、そんな味方への刺激が十分なパワーを持つために、自ら走りまくり、強烈なタックルを見舞ったり、ボールがないところで「パスを呼び込む」全力フリーランニングを敢行したりするのです。

 最終予選では、オーストラリア、韓国、サウジアラビア、イランといった強豪と競り合いながら、予選グループ一位を死守しなければなりません。厳しい闘いがつづくのです。だからこそ、本物のリーダーシップが必要なのです。反町監督は、「コイツだったら、オレのビジネスパートナーとして信頼できる・・」という選手の目処はついているのだろうか・・。

 前半のサッカー内容は、良かったと思いますよ(もちろん世界を基準にした小さな課題は山ほどあるけれど・・)。攻守にわたる十分な運動量。攻守の勝負イメージを基盤にした全力ダッシュ(=意図と意志の結晶!)のオンパレード。そんなメリハリある動き(走り)をベースに、守備イメージ(守備プレー)が有機的に連鎖しつづける・・。

 チェイス&チェック・・協力プレスを意図した迫力あるカバーリング・・鋭いインターセプト狙い・・相手トラップの瞬間を狙ったクレバーなアタック・・ボールとは遠いゾーンでの忠実マーキング・・等々。なかなか良かった。

 そんな効果的なディフェンス(ボール奪取勝負)が機能したからこそ、次の攻撃もうまく回りつづけた。まさに、人とボールがよく動く仕掛け。そんな組織プレーのなかで、水野や家長、はたまた本田圭佑の勝負ドリブルがタイミングよくミックスされる。なかなか良かったですよ。

 とはいっても、ここでも、ボールを動かすことに気を遣いすぎて、そのミッションイメージを失ってしまうという傾向も見て取れたけれどネ。人とボールを動かす組織プレーと勝負の個人プレーのミッションは、決定的スペースの攻略にあり・・なのです。その視点で、どうも選手の脳裏では、そのミッションイメージがフェードアウトしていたと感じられるシーンも多かったということです。

 この試合については、こんなところですかね。まあ・・、日本でのシリア戦では家長が活き活きとプレーしていたけれど、この試合では、何といっても本田圭佑が目立っていたとか、カレン・ロバートも持ち味を発揮していたとか、梶山陽平や平山相太の出来の悪さが心配だとか、いろいろとテーマはあったけれど、何といってもテレビ観戦だったから・・。

 とにかく、テレビ観戦はフラストレーションがたまる。自分の観たいところ(ゲームファクター)が、うまく把握できないんだからネ。ということで、今日は、このあたりで・・。

 




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