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2006_ワールドカップ日記・・中田英寿が引退!?・・ちょっと待ってくれよ!・・(2006年7月3日、月曜日)

今日は本当に暑い。34度だってさ。それでも湿度が低いからね、日陰にいけば涼しいんですよ。だから逆に、直射日光の下は、本当に殺人的だよね。湿度が高ければ、空気中の水が光を(乱反射で)和らげてくれるんだろうけれど、こちらでは、まさに「直射」ってな感じなのです。あれっ!? たしか、そうでしたよね!? 湿度が高いと、乱反射で太陽光のエネルギーが分散するって・・。もしこの情報が間違っていたら、スミマセン。でもまあ、感覚的にはそんな感じですからネ・・。

 そんな四方山話を書きはじめていたとき、中田英寿が、現役の引退を自身のホームページで表明したという情報が飛び込んできました。早速、彼のホームページにアクセスしたけれど、まったくつながらない。日本全国がショックを受け、動転して、彼のHPにアクセスしているということなんだろうね。とにかく、もしそれが本当ならば、とんでもなく残念。いや、残念なんていう表現では追いつかない。彼こそが、世界との(心理・精神的な部分がベースになった!?)最後の僅差を打破していくための唯一の希望の星だったのに・・。フ〜〜ッ!!

 いつも書いているように、日本サッカーの根本的な問題は、サッカーとは相容れない「日本的な感性(体質)」にあると思っている湯浅なのです。社会的には、世界に誇れる意味も多く内包している日本的な感性だけれど、サッカー的には、明確なブレーキになることも多い。そんな、様々な意味を内包する日本的な感性(体質)。

 中田英寿は、代表チームのなかで、その枠組みを飛び越え、世界標準で言動できる進歩的なリーダーという存在でした。その影響力は、本当に大きかったはず。何せ、グループの闘うマインドを高揚させるために、そのなかで「共通の敵」になることもいとわないような強烈なパーソナリティーも備えているのだからね。

 もちろんここでは、イビツァさんが代表監督に就任したことを前提にしています。そんな素晴らしいインテリジェンスとパーソナリティーを備えた中田英寿だからこそ、イビツァさんの(グラウンド上での)良きパートナーになると確信していたのですよ。ところが・・。

 うまく表現できそうにないけれど、私は、社会的な視点では、日本のポジティブな感性(体質)を維持・発展させ、サッカーでは、部分的に「日本の感性」を全面否定できなければならないと思っているのですよ。背反する「体質・性質・感性」を、社会生活とサッカーで上手く使い分けるという発想。だからこそ、日本のサッカーマンには、「非常に難しいバランス感覚」が要求される・・だからこそ、そのテーマについて、常に真剣なディスカッション&ディベートを積み重ねていかなければならない・・。湯浅は、常日頃から、そう思っているです。

 もちろん、世界的な大競争に巻き込まれている日本企業の最前線で仕事をされている方々には常識の「感覚」なのでしょうが、まだまだサッカーは、その領域までは入っていけていない。その領域でのディベートが進めば、欧米の社会でも、日本的な社会生活の感性が、ものすごく価値のあるものだという事実を再認識するレベルまで行き着けるのだと思うのですが・・。

 欧米の感覚も、日本的なポジティブな感性も、その良いところを、ケースバスケースでしっかりと表現できるようなインテリジェンス。やっぱり上手く言葉に置き換えられないな・・諦めよう。感覚的には、「気持ちのよい日本社会を維持するマインドは常に忘れず、サッカーのときだけ人が変わったように自己主張の塊になれ!」っちゅうことなのかもしれないけれど、それでは短絡すぎるしね。

 とにかく、「主体的に闘う意志」というモノの本質について、日本サッカー界全体を巻き込んで、有意義なディベートを積み重ねなければならないと言いたかった湯浅なのです。そして、そのディベートの中心的な存在になるべきだった中田英寿がいなくなってしまう!? それでは、また以前の不毛なディスカッションレベルに戻ってしまうじゃないか・・。

 中田英寿の「プロ引退宣言」に、まったく他のことを書く気が失せてしまった湯浅でした。ホント、ちょっと待ってくれよ・・ってな心境。もし本当だとしたら、とんでもなくショックだね。もう今日は、トレーニング観察も止めにしよう(ドイツのトレーニングは、最初の15分間だけ公開で、後は非公開だというし)。また、招待されているノルトライン・ヴェストファーレン州主催のメディアパーティーもパスだ。もうホテルへ帰ろう。
 



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