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2006_ワールドカップ日記・・さてドイツW杯がはじまった・・「徹底サッカー」で幸先の良いスタート切ったドイツ(写真も入れました)・・(2006年6月9日、金曜日)

どうも皆さん。ちょっとアップが遅れ気味になってしまいました。試合後には、東京新聞での隔日コラムと、NHKのデジタル文字放送&ホームページ用のコラムを書かなければならなかっただけではなく、何本かラジオでもコメントしなければならなかったのですよ。さて、私のワールドカップもはじまった・・ってなノリです。

 ただ、私にとってもっとも重要なのがこのHPであることは変わりません。ということで、ちょっと落ち着いてから、リキを入れて書きはじめたというわけです。何せ、ドイツが吹っ切れたサッカーを展開してくれたんだからね。もちろん相手のコスタリカは強いチームじゃないけれど、日本戦でやったような中途半端なサッカーではなく、様々な意味で「徹底」したサッカーを最後の最後まで展開できていたことは、ちょっと感動モノでしたよ。

 この試合で見えた課題は、もちろん守備ブロック。特にフラットフォーの機能性です。このことについては、先日もエーリッヒ・ルーテメラーとディベートしたばかりなのだけれど、とにかく「ブレイクポイント」が問題の核心だということだろうね。ポジショニングバランスと、マンマークへ移行するために「ラインをブレイク」するポイント。このことについては、以前の「長〜いコラム」を参照してください。

 とはいっても、たしかに機能性はまだ完璧じゃないけれど、そのラインコントロールが進歩していることも確かな事実。この試合で奪われた二つのゴールは、ラインコントロールの破綻というわけじゃ決してありませんでしたからね。二点とも、コスタリカの点取り屋ワンチョペにやられたんだけれど、その両方ともに、最終ライン(センターの二人=メルテザッカーとメッツェルダー)はしっかりと対処できていました。

 タテパスが出るタイミングをしっかりと見極めた「ストップ・アクション」や、ワンチョペをオフサイドポジションに置き去りしてしまう前へのアタックアクション(二点目シーン・・メッツェルダーとメルテザッカーの両人が、相手ボールホルダーめがけて瞬間的に押し上げた!)。それは、見事なタイミングでしたよ。たしかに、右サイドバックのフリードリッヒが「疑問符のつく」ポジションにはいたけれど(ちょっと彼のイメージトレーニングが必要だね)、それでも、記者席のビデオを観る限り、確実にオフサイドだったですよ(少なくとも二点目は!)。いや、タラレバの話をしているのではなく、最終ラインの「最終勝負でのコントロール機能」が破綻したわけじゃないという点を強調したかっただけです。

 ドイツ代表の守備ブロックの課題は、ラインコトロールというよりも、それをうまく機能させるための、中盤での忠実なチェイス&チェックだと思っている湯浅なのです。この試合では、たしかに中盤での「相手攻撃の抑制」がうまく機能していなかった。要は、ミヒャエル・バラックが欠場したことで先発にまわったボロヴスキーの「守備プレーコンテンツ」が水準以下だったということです。

 彼については、先日のコラムでも書いたとおり、攻撃での最終仕掛けシーンではクリエイティブな能力を発揮するし、中距離シュートはまさに「大砲」なのだけれど、攻守にわたる組織的な(汗かき)プレーに大きな課題を抱えているということです。攻撃ではボールがないとでのアクションの量と質が問題。守備ではチェイス&チェックや、ボールがないところでの守備アクションに難がある。そのことはチーム内でも共通の理解項目になっているようで、ボロヴスキーの守備での「指示」は、ほとんど無視されていましたよね。「そんなことを言う前に、テメエでしっかりと汗をかけヨ!」ってなことだろうね。

 残念だけれど、これで、完全にボロヴスキーは「セカンドチョイス」になってしまったようだね。71分に交代させられたときの彼の不満アリアリの表情が印象的でした。彼自身も、自分のプレーに大いに不満だったんだろうね。ブレーメンでは、彼のために汗をかく選手がいるけれど(まあ、フリングスは同格だけれどネ)、代表チームではネ・・。

 この試合でのドイツ代表は、日本戦からの「教訓」がしっかりと活かされていましたよ。要は、日本戦からの反省を踏まえたコロンビア戦でのプレーイメージが、そのまま移植されたということです。全力での組織ディフェンス。そこからの徹底したサイド攻撃。一点目のラーム・・二点目のシュヴァインシュタイガーとクローゼ・・三点目のクローゼ・・。また、積極的なロングシュート狙いも活きていた。要は、上手さで相手守備ブロックを翻弄して(中央突破で)決定的スペースを突いていく等といった、アロガントな(傲慢で尊大な)仕掛けイメージではなく、あくまでもサイドからのシンプルな(謙虚な)タイミングでの「忠実」な仕掛けに徹するということです。

 自分たちの能力を自覚した「徹底サッカー」。こうなったときのドイツは強いよ。前にも書いたけれど、日本戦での監督会見の後、ドイツ語だけで選手たちの会見も開かれたわけだけれど、そこでレーマンが、「皆さんもご存じのように、自分たちのチカラを自覚したときのドイツは強いですよ・・」なんな、微笑みながら言っていたのが印象に残っていますよ。

 今回も「まだ」、徹底サッカーが必要なドイツ。いつになったら「1972年ヨーロッパチャンピオン」のようなドイツ代表が戻ってくるのだろうか・・。たしかに、ラームやシュヴァインシュタイガー、ポドルスキー、そして新星のオドンコールといった若手が台頭してきてはいるけれど、「ドイツの再生プログラム」は、まだまだ道半ばだということです。彼等が、クリエイティブなサッカー内容でも再び輝くのは、まだ後2-4年はかかるはず。だからこそ、2008年のヨーロッパ選手権が楽しみで仕方ないのです。

 ワールドカップ開幕戦の速報レポートでした。明日はフランクフルトで観戦予定。まだ東京新聞とNHKの原稿は終わっていません。これから何回か推敲してから送らなければ・・フ〜〜。では・・
 



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