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オリンピック女子サッカー・・ナイジェリアの確信レベル高揚を許してしまった日本代表・・(日本vsナイジェリア、0-1)・・(2004年8月12日、木曜日)

あららっ、やられてしまった・・。内容は決して悪くはないのだけれど、一発のカウンターを決められ、その後も、人数をかけて攻め上がる日本のスキを突いた危険なカウンターを、二度、三度と仕掛けられてしまう・・。

 いくら日本の方が総合力で上とはいえ、ナイジェリア守備ブロックを決定的に振り回すまでのチラカの差はない・・だから、前後のバランスを崩してまでも攻め上がらざるを得なくなったったことで、逆に効果的なカウンターを仕掛けられてしまうという悪い流れにはまり込んでしまった・・。

 前半の内容は、「大丈夫・・予想したとおりの展開だ・・軽快にボールが動いているし、ナイジェリア選手たちも、そのボールの動きに守備イメージがついていけていない・・いつかはゴールを決めることができるだろう・・」といったものから、「アレッ?・・ナイジェリア守備のパスカットタイミングが合ってきている・・日本がうまくボールを動かすことが出来なくなっている・・それには、日本代表のボールなしの動きが緩慢になりはじめているという側面もある・・やはり暑いからかな・・」というふうに、ちょっとずつ試合展開が(日本にとって)ネガティブなものへと変容していきました。

 そして後半。ナイジェリアチームは、より強くカウンターを意識するゲーム戦術に徹するようになります。人数をかけ、互いのポジショニングバランスを強く意識することで守備ブロックを強化する・・そして日本のパスを高い位置でカットし、そのまま直線的にカウンターを仕掛けていくというイメージでプレーしはじめたということでしょうか。それに対し、ボールがないところでうまくフリーになれなくなった日本選手たちのフリーランニング(パスレシーブの動き)のダイナミズムも失われていく・・。そして局面での「1対1の勝負シーン」が増えていくのですよ。それまでは、人とのボールの動きで、ナイジェリア選手たちの強力パワーをうまくかわせていたのに・・。まさに、ナイジェリアの術中にはまった日本代表?!・・ってな展開になっていったのです。 

 こうなったら、身体能力で上回るナイジェリアのもの。何せ、次のパスが、より明確に見えるようになったのですからね。そして次々と、狙いを定めたパスカットアクションを成功させ、それを直線的なカウンターにつなげてしまうのですよ。それにしてもナイジェリア選手たちのスピードと競り合いパワーはすごい・・。正対状態ではなく、走りながらの1対1では、そのほとんどでナイジェリア選手にやられてしまうのです。このゲームでは、ナイジェリア選手たちが確実に発展したということです。

 最後の15分間。日本代表は、捨て身の攻めをくり返しました。それでも、中央ゾーンから行き過ぎ。ナイジェリア守備ブロックが、特に中央ゾーンを固めているのに・・。日本がチャンスを演出できたのは、その全てがサイドからだったのですよ。急がば回れ!! フ〜〜ッ・・。

 総合力で上回っているからこそ、そのことをグラウンド上で体感したからこそ、主体的に(自分たちがイメージするサッカーで)仕掛けつづけたけれど、相手の発展もあって、結局攻めのコンテンツが単調になってしまった日本代表・・それに対し、対処ゲーム戦術によってどんどんと確信レベルを高揚させ、日本の攻めを効果的に抑えられるようになった(ゲームのなかで発展した)ナイジェリア・・といったゲームコンテンツでしたかね。

 それでも、既に勝ち点「3」を獲得している日本の決勝トーナメント進出は堅いところでしょう(注釈:日本は、予選F組の中国が獲得した勝ち点「1」を上回ったことで、初の決勝トーナメント進出を決めた!)。とにかく、この試合内容が効果的な学習機会になったことを願って止みません。

 



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