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天皇杯4回戦・・こちらもエキサイティングマッチになりました・・ラッキー!!・・(フロンターレ対ヴィッセル、3-2)・・(2004年11月14日、日曜日)

ア〜ア、そんなコトをやっていたら、そのうち痛い目を見るゾ・・これは、まだまだフロンターレに(J2で優勝したにもかかわらず・・)十分な勝者のメンタリティーが備わっていないことの証だよな・・内容的には、まさに順当なゲーム展開なのに・・。「3-2」と勝ち越した後にフロンターレ選手たちが演出した「そのネガティブシーン」を見ながら、そんなフラストレーションをためていましたよ。

 この試合も、「下克上トーナメントマッチ」として、エキサイティングなコンテンツ満載ということになりました。二日つづけて、心底サッカーを楽しめちゃうんだからラッキーッ!! でも、まあネ、そんな見所も、この時期だからこその現象であることも確かだよな・・今は、下部リーグのクラブと「J1」との対戦ということで、下部クラブのモティベーションは天井知らずというわけだけれど、12月になって残るのは、ほとんどがトップリーグクラブということで、どうしても緊張感に欠けてしまうからな・・なんてことも思っていた次第。

 昨日は、惜しいところで佐川急便が金星を逃したけれど(相手はジュビロ)、今日はフロンターレが、見所満載のダイナミックサッカーでヴィッセルに勝ち切りました。それも、内容的にも、まさに順当に奪い取った勝利といえる素晴らしいものでした。とはいっても、特に後半のゲームプロセスには紆余曲折がてんこ盛りで・・。

 前半はフロンターレが二点を先行したのですが、まさにそれは順当なリードと呼べるモノでした。逆に言えば、ヴィッセルのサッカーがあまりにも怠惰すぎたとも言えます。「あのヴィッセルのヤロ〜たち、何を勘違いしているんだ・・湯浅さん、見ていて本当にアタマにきましたよ・・テメ〜たちの方が上のリーグだからと完全に思い上がっている・・ヤツらよりも、フロンターレのマルクスやジュニーニョ、我那覇の方が断然うえなのに・・」。ハーフタイムに、知り合いのカメラマンの方が、アタマから湯気を出していましたよ。まさに、御意!

 私も、前半のヴィッセル選手たちのプレー姿勢に憤ることしきりでした。攻守にわたり、仕掛けの意志が込められた全力ダッシュがまったく見られない・・パスレシーブの動きにまったく勢いがないし、サポートアクションも倦怠感そのものだ・・それは、まさしくやる気がないサッカー・・ヴィッセルの三木谷オーナーが見にきているというのに・・もうこれは、ハーフタイムで三木谷さんに、オマエたち全員クビだ!という檄を飛ばしてもらうほかないな・・なんてことを思っていた湯浅だったのです。

 それでも後半のヴィッセルは、やっとエンジンがかかります。藪田と和多田に代えて平瀬と藤本を投入したのですが、その刺激によって、全員の「動き」が活性化してきたのですよ。攻撃の目的はシュートを打つこと。守備の目的はボールを奪い返すこと。その目的を明確にイメージしていれば、おのずと、「狙った獲物を仕留める」ような全力ダッシュが出てくるものなのです。もちろんボールのないところでネ・・。ところが前半は、そんな積極的な意志が現出してくるシーンは皆無。ただ後半は、やっと、目的を達成するための意志が前面に押し出されるようになったというわけです。

 そして同点まで追い上げてくるヴィッセル。まあ、ヴィッセルが挙げた追いかけゴール(後半1分)と同点ゴール(後半14分)ともに、スローインなどのリスタートからということで、二つのゴールともに、どちらかと言えばフロンターレの集中力の欠如を批判しなければならないですけれどネ。

 そして迎えた後半27分、互いに攻め合ってチャンスを作り出すというエキサイティングな展開のなかでフロンターレのジュニーニョが決勝ゴールをぶち込むのです。ただし「その時点」では、まだ決勝ゴールではなく、単なる勝ち越しゴール。そこからゲームが、もっともっと白熱してくるというわけです。

 ところでフロンターレの前線の三人(マルクス、ジュニーニョ、我那覇)。いいです、ホント。なかなか魅力的な攻撃トリオじゃありませんか。でもフロンターレは、この三人だけではなく、両サイド(塩川や木村)や守備的ハーフ(中村憲剛)もしっかりと押し上げてくるから、「個」だけではなく「組織」でも仕掛けていける。伊東や箕輪、アウグストや長橋、はたまた相馬といった主力どころをケガで欠いているにしては(事実と相違する場合はご容赦アレ!)、本当にしっかりとしたサッカーを展開できているフロンターレなのです。これも、チーム戦術コンセプトがしっかりと浸透しているからに他なりません。関塚監督の「良いお仕事」に拍手をしていた湯浅でした。

 さて残り15分間のエキサイトメント。とにかく互いに仕掛け合うという(まあ一点をリードしているフロンターレが比較的守るというゲーム展開ですが)ホントにエキサイティングな展開になっていきます。全力で攻め上がるヴィッセル。もちろんそれは大きなリスク。そして案の定フロンターレが、そのスキを突いた「蜂の一刺しカウンター」を繰り出していくのです。それが、冒頭で登場した「そのネガティブシーン」というわけです。コトの成りゆきは「こんな」感じでした。

 後半も残り10分というところ・・フロンターレが「3-2」とリードしている状況でフロンターレのカウンターがツボにはまり、ヴィッセルのゴール前で、絶対的に有利な仕掛けシーンを演出してしまう・・この状態で左サイドでボールを持ったジュニーニョ・・でも彼は、中央ゾーンに完全フリーな我那覇(それともう一人)がいるのにパスをせず、結局ミスでボールを失ってしまう・・これを決めておけば、勝利を決定づけることが出来たのに・・そしてその後、ヴィッセルが何度も100パーセントに近い決定機を演出してしまう・・そしてこちらは「ホレ、みたことか!」と舌打ちをする・・結局ラッキーにも勝ち切ったけれど、そんな「イージーマインド」のプレーを観ながら、(J2で優勝したにもかかわらず・・)フロンターレ選手たちの勝者のメンタリティーはまだまだ・・なんて思っていた湯浅だったというわけです。

 とはいっても、フロンターレのサッカーは、いろいろな側面でストーリーを練ることができそうだし、とにかく面白そう。これで来シーズンの「学習機会クラブ」が一つ増えたと喜んでいた湯浅でした。

 



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