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自力二位がもどってきた全日本・・・(1997年10月22日)

先週は日本から離れていたため、帰国した月曜日に、一週間分のニュースをまとめ読みしました。

岡田監督の「上はいらない・・」という決断。選ばれたプロ選手たちの集団、その代表チームの監督としては、当然です。意志決定する者、(間接的なモノも含めた)最終的な責任を負う者が「複数」では、選手たちがとまどってしまうし、試合中の緊急事態における対応だって難しくなってしまいます。そもそも「外国人総監督」とか「実権をにぎったヘッドコーチ」などという存在自体、最終的には一人で意志決定しなければならない監督の、能力のなさ、意志の弱さを象徴するモノです。世界には、そんな「お飾り監督」を引き受けるような「ピュア・プロ(自分の能力だけで勝負する個人事業主)」など一人もいません。その意味で、責任は自分一人が負うという「プロ」、岡田監督の決断は当然なのです。もし岡田監督が、「その後」の、日本サッカー協会における保証されたポジションまでも狙っているならば、展開はまったく別なモノになっていたでしょうし、その時点で、「結果」も見えていたように思います。とはいっても、自分が信頼する「周りの意見」に対して耳を傾け、その意見を有効に活用する(できる)のも「プロの証明」であることは確かなことですが・・。

いま一番大事なことは、もう何度も書いているとおり(もちろん、プロとしては当然なのですが)、選手たち自身が、「一人の例外もなく」、プロ(個人事業主)としての強い意志を持ち続け、90分間を闘い抜くということ。もちろん、監督が決断する「ゲーム戦術」、「先発メンバーの組み合わせ」 は重要です。ただ誰が出ようと、どんな戦術で闘おうと、選手一人ひとりが、「自分自身の判断と決断」に基づいた最高のパフォーマンスを発揮することが、勝利への方程式であることには変わりはないのです。

予想や期待とは違う「勝ち点ドラマ」が展開する予選が消化され(UAEがカザフスタンに「0-3」で敗れたことも含む)、そして最終的に「本当の先」が見える最後の勝負まできてしまいました。このグループでは、誰の目にも明らかな「チカラの差」を見せつけ、韓国が突っ走りました。そのため、日本、UAEの両国による「二位争い」が、「ドラマの主役」になってしまったのです。「主役たち」のドラマ。そのクライマックスが近づいています。




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