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第二ラウンド第一戦・・加茂ニッポン、マカオを10-0と粉砕!(1997年6月23日)

「4-ラインバック」にもどした第一戦、日本は、素晴らしいサッカーでマカオに勝利しました。4バックにした場合、どうしても両サイドバックのオーバーラップが消極的になりがち。それでも今回は、ダブルボランチの山口と本田、交代々々に上がる両サイドバック、相馬と中村のコンビネーションがうまく機能していました。サイドバックが上がったスペースを、ダブルボランチがうまくカバーしていたのです。もちろん相手があまり強くなかったこともあったのですが、それでも、名波と中田が作る中盤、どんどんとサイドをオーバーラップしてくる相馬と中村、縦横無尽に動き回り、攻守に活躍した新戦力、西澤、そしてダブルハットトリックを達成した「ゴール前の仕事人」、カズと、それは魅力的なサッカーを展開しました。
「攻守ともに課題が多い・・・」。これは試合後の加茂監督の弁なのですが、もちろん未来サッカーの理想形から導き出される課題は多いに違いありません。それでも、いまの全日本が、その理想形に近づいていることだけは確かなこと。戦術的にだけではなく、精神的にも充実してきているのです。
それまで、守備的に闘う相手に対して、簡単には「最終守備ライン」を崩すことができなかった加茂ニッポン。それが、中田が入ったことで、キリンカップから創造性あふれるサッカーへ発展し始めました。中田と名波のコンビは、チーム全体に「自信と活力」を与え、このゲームでは、サイドバックのオーバーラップや、トッププレイヤー、はたまた、ボランチの「決定的スペースへの走り込み(フリーランニング)」など、クリエイティブなサッカーに欠かせない要素がテンコ盛りでした。「創造的な積極性」、そのベースは、チームの核である「中盤」がしっかりしていることなのです。
最後に、今回カズとのトップコンビを組んだ、セレッソの西澤についてです。新人が代表チームで活躍できるまでには時間がかかるのが普通。それが代表二試合目での大活躍です。彼の才能を正しく評価し、チームに残した加茂さんの、コーチとしての目の確かさの証明といったところ。とにかく、最前線からの「チェイシング(ボールを持つ相手を追い込む守備プレー)」や、攻撃にうつったときのフリーランニング(パスを、フリーで受けるための動きのこと)、はたまた難しい角度のボレーシュートを決めるなど、西澤は大活躍。後半は、ちょっとペースが落ちましたが、それでも「戦力」であることを大アピールしました。彼の今後に大期待です。




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