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横浜FC・・見ましたヨ・・横浜FCvs水戸ホーリーホック(4-1)(1999年5月3日)

「ガンバレよ・・!」

 試合前、横浜FCの奥寺ジェネラル・マネージャーと話したとき、自然とそんな言葉が出てきました。

 彼とは、ドイツ時代からの「戦友」です。日本最初のプロ選手として、(日本サッカーにとっても)『実』のある名声を築いた奥寺氏(ケルン、ブレーメンの両クラブに所属し、常に主力として活躍)。プロコーチ養成コースで頑張っていたという私との立場の違いはあったにせよ、同郷、同世代、そして彼と私がスタートしたのも、同じドイツのケルンということもあって、今でも非常に近い友人というわけです。

 また監督のリトバルスキー氏も、当時のケルンの主力選手。ということで、私の「参加意識」も自然と「天井知らず」ってなもんです。

 もちろん参加意識が高いということは、歯に衣着せない批評につながります。もっともっと良いサッカーでリーグのトップを目指して欲しいですからネ。

 私は彼らのデビュー戦は観ることができなかったので、この試合が最初の観戦ということになります。「前の試合から比べたら、格段に良くなっているヨ」。周りのジャーナリスト仲間の方々が、基本的なインフォメーションをくれます。確かに、全体的には高いモティベーション(やる気のポテンシャル)を感じます。

 とはいっても、堅実さと「読みベースの効率性」に欠ける中盤と最終守備ラインのディフェンス(特に中盤守備に問題あり!!)、攻撃ではカッタルい中盤でのボールの動きなど、まだまだ問題、課題山積み。(失礼かもしれませんが・・)相手の水戸ホーリーホックとは、基本的な選手の能力では、かなりの開きがあるのは一目瞭然ですが、それが「全体的なチーム力の差」となって集積されていないのです。

 (確かに、前半12分の、幸田、増田とわたり、最後はバベルがシュートまでいったシーンなど、何度か相手のウラを見事に突いた場面はありましたが、それでも全体的には、相手守備組織を崩してチャンスを作り出すシーンが少なすぎる?!)。

 クラブの組織がまだ確立されていない、「ソシオ」もまだ確固たるカタチを為していない・・、またチームとしてまとまってからまだ日が浅い・・、十分なトレーニング環境が用意されていない・・、選手たちのステータス(立場)も完全に確立されているわけではない・・などなど、不確定要素テンコ盛りですから、仕方ない・・?!

 イヤイヤ、とはいっても現場は「個人事業主」であるプロ。どんな環境であれ、ベストを尽くすのは当然だし、やっているのがセミプロリーグである「JFL」であることを考えれば、(できる限り効果的・効率的に)結果も出さなければ・・。それがなければ、新しい「社会的ムーブメント」とも呼べるこの市民クラブを盛り上げようという雰囲気に水を差してしまいます。

 参加意識の高い観客の皆さん(開幕試合では一万二千人、この試合でも六千人弱)の「モティベーションの背景」については、今週アップデートされる「2002」で書こうと思いますので・・

 とまれチームについて・・。

 ちょっと厳しい前述の批評になってしまいましたが、まだまだチームとして発展途上ですからね。それと、ほとんどの選手たちの、一生懸命にやろうとする姿勢(特に35歳のバベルには脱帽)には共感が持てたということは付け加えましょう。それがなければ、次のステップのスタートラインにさえつけませんからネ。

 ただ、そんな積極的な「戦う姿勢」に背反する選手がいました。ここでは特定しませんが、「オレはうまいんだゾ・・だから読みで勝負できるんだ・・オレにボールを集めろ」ってな態度がアリアリと見える選手、それでいて「結果」を残していない選手・・、鼻について仕方ありませんでした。

 そんな「体質的な問題」を抱えた選手たちには、「オマエは、マラドーナじゃないんだゾ!! あのレオナルドやリバウド、デル・ピエロ、ジダン、はたまた(問題の選手のポジションと同じボランチだったら)ドゥンガやサンパイオ、デシャン、ダヴィッツのなどなどの世界のミッドフィールダーたちの、ダイナミックでクリエイティブな無駄走りをしっかりと見てみろ!!」と言いたくなりますよね。能力はあるのに・・だから余計ハラが立つ。

 そんな体質の選手がいたら、すぐに悪い雰囲気がチーム全体に波及してしまうもの(足が止まって悪魔のサイクルに落ち込んでしまう?!)・・そこが心配なんですヨ。とはいっても、今日のバベルや後藤などを筆頭にした「高い意識の選手たち」が、心理・精神的に引っ張っていくことができれば、そんな「悪い体質」が蔓延することだけは防げるはずです。

 サポートする市民の、希望と夢のもっとも強力な牽引役はやはり「現場」です。その主役の彼らに、『厳しい状況であることは皆が知っている。だからこそ、全力を尽くして頑張る意義も大きいんだ・・』と、声をかけようではありませんか。

 ホント・・頑張ってくれヨ。諸君は、(大企業、官僚、そしてそれに乗っかっている政治家たちに牛耳られている『渋滞体質』の日本社会に風穴を明けるという意味でも?!)夢と希望の星なんだから・・




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