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「J2」・・沈滞サッカーでした・・横浜FC対セレッソ大阪(2-6)・・(2002年11月2日、土曜日)

今週末は「J」がないため、久しぶりに「J2」を観戦することにしました。横浜FC対セレッソ大阪。セレッソにとっては昇格がかかった重要なゲーム。ものすごく楽しみにしていたのですよ。ユン・ジョンファンは・・? 森島は・・? 西沢は・・? 大久保は・・? はたまた横浜FCのサッカーは・・?

 でも、目の前で展開された気合いの乗らない停滞サッカーに、ちょっと肩すかしを食らってしまって・・。

 まず何といっても、相手ボールホルダーに対するチェック(チェイシング)アクションが「超」沈滞。それがなければ、ボール奪取の意図が満載されたコンビネーション守備なんて望むべくもないし、全体的なプレーペースもアップするはずがない。両チームともに、相手のミスを待つというリアクションサッカーに陥ってしまっていました。

 グラウンドが悪いのは仕方ないとしても、ボールホルダー(次のパスレシーバー)が次の展開をイメージしていない・・、併せて、ボールがないところでの動きも消極的・・、ということで、スパッという切れ味鋭いボールの動きの気配さえ出てこない・・というのではネ。だから、そんな沈滞ディフェンスでも十分に守れてしまう・・。

 それでも、自力に優るセレッソは、6点もぶち込みました。先制ゴールを奪われた後の同点ゴールは素晴らしかったですよ。流れるようにボールを持ったユン・ジョンファンから、これまた流れるようにフリーランニングをつづけて決定的スペースへ入り込んだ森島へ、ピタリとラストスルーパスが通されたのです。そのゴールを見たときは、「オッ、これは・・」と思ったものですが、その後のゴールは、どちらかといえば単発アクション。複数の意図がうまく連鎖したコンビネーションは、カゲを潜めたままでした。セレッソ2点目は、鈴木悟の見事な中距離シュート。3点目は、ゴール前で粘った大久保の技アリシュート。それはそれで見応えはあったのですが・・。

 後半は、守備を開いて攻め上がりつづける横浜に対し、効果的なカウンターで加点しつづけるセレッソという展開になりました。

 それにしても横浜のディフェンスラインは大丈夫なんだろうか・・。形式的にはツーバック。でも実質的にはフォーバック。ラインを意識しているわけではなく、どちらかといえば、やり方は伝統的といえるものです。その場合、とにかく中盤ディフェンスラインの「抑え」がものすごく重要な意味をもってくるのに、パスの出所を抑えられているわけでもないし、決定的シーンで二列目が仕掛ける「追い越しフリーランニング」に最後まで付いて戻るわけでもないし・・。とにかく中途半端な守備プレーに、これでは失点がかさむのも当然の成り行きだと感じていました。

 逆にセレッソの攻撃ですが、それもカッタるいことこの上ない。「今だ!」なんて、心のなかで何度声を出していたことか。最終勝負シーンでは、決定的フリーランニングも出てはくるのですが、そこへパスが回されない・・、ボールホルダーがその動きをイメージしていない・・。フ〜〜。

 ある時間帯、セレッソが演出した仕掛けシーンでの「スルーパスチャンス」を数えていました。そして思っていました。決定的シーンを演出する可能性だけは多いけれど、それを実際のチャンスとして活用できていないセレッソ・・。

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 やはりJ2では、選手たちを最高レベルにモティベートするのは難しい作業なのでしょうかネ・・。ここでは、明らかにチカラが上のセレッソに一言。

 以前J2でプレーしたレッズほどではないにせよ、どうもセレッソ選手たちのプレーに活気が感じられないのです。森島の積極プレー姿勢は相変わらずなのですが、それでも、どうしても様子見シーンが多いと感じられてしまう・・。特に、ユン・ジョンファン。そのパフォーマンスダウンはショックでしたよ。あのスーパープレーヤーが・・。また後半に交代出場した西沢にしても全盛期の鋭さとは比べものにならない沈滞プレーのオンパレード。

 相手のレベルがいくら低くても、できる限り多くのゴールを奪い取るという気迫をもって、攻守にわたって全力でプレーしつづける・・。観ている方に感動を与えられるのは、何といっても、攻守にわたってリスクにチャレンジしつづける積極プレー姿勢なのです。

 選手たちにとっても、そんな消極姿勢では、プロとしてのアイデンティティー(誇り、自信など)を獲得できるはずがない・・。

 レポートを書くためのモティベーションが奈落の底に落ち込んでしまったのですが、とにかく自分自身のデータベースとしても全体インプレッションだけは書き残しておこうとキーボードに向かった湯浅でした。




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