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ワールドユース選手権(2)・・若武者たちは、大きな可能性を感じさせてはくれたのですが・・日本代表vsアンゴラ代表(1-2)・・(2001年6月22日、金曜日)


フ〜〜ッ

 U20日本代表が、決定的な連敗を喫してしまって・・。今回は、本当にファーストインプレッションだけを短くまとめましょう。これから所用もあるので・・

 彼らの守備は、よく組織されていると思います。ディフェンスに対する意識が徹底しているということです。中心になるのが、羽田をコアとする最終ラインと、青木と森崎(和)の守備的ハーフコンビ。また両サイドの石川、駒野はもちろんのこと(積極的な押し上げを魅せつづけているにもかかわらず!)、二列目の山瀬や前田も積極的に守備に参加してきます。でも、ボールを奪い返した後の攻撃が・・

 やはり、ボールの「単調な」動きばかりが目立ってしまって・・。相手は、個人的な能力では確実に格上のアンゴラ。だからこそ、素早く、広く「変化のある」ボールの動きを強烈に意識しなければならないのに・・。組み立てだけではなく、最終勝負を仕掛けていくファウンデーションのボールの動きにも、相手の読みのウラを突けるだけのアイデアを感じません。そして詰まった状態でのタテパスやドリブル突破トライ。これでは、相手の守備ブロックを崩せるはずがない・・。何せ、「アイツらは、このゾーンを崩しにかかるぞ・・」というアンゴラ守備ブロックの「読み」そのままに仕掛けていってしまうんですから。

 それでも、山瀬の同点ゴールが決まった後には、良いテンポでボールが動くシーンが増えはじめはしましたが・・(ゴールシーンでは、山瀬のパス&ムーブの動きと正確なシュート、森崎和幸の、落ち着いたタメからのラストスルーパスに拍手!)

 ボールの動きを演出するファクターには、二つあります。ボールを持つ者と、パスを受ける者。その両者のイメージがシンクロしなければならないというわけです。サッカーは、「有機的なプレー連鎖の集合体(湯浅のコンセプトの一つ)」なのです。

 ただこのチームの場合、どちらかというと、ボールホルダーの「イメージ」の方が、原因先行かな・・。ボールを持つたびに、仕掛けばかりを意識している姿勢が目立ちすぎていますからネ。それも、「事前」に周りの状況がイメージできていないということの証明なのですが、どうしても、ボールの動きが単調になってしまって・・。もちろん周りの味方の動きにも問題は山積みなんですが・・

 ボールを持つ選手のところで「一度」落ち着いてもかまいません。ただ、そこからのボールの動きに「連動(連鎖)」する周りのフリーランニングがない・・。優秀なチームは、たとえば「一つのタテパス」に対して、そのパスのレシーバーだけではなく、二人目(最初のパサー)、三人目という選手たちが「同時」にアクションを起こしているものなんですよ。そう・・、次のスペース(決定的スペース!?)へ向けたアクションをネ・・

 それが・・。簡単に「はたいて」次のスペースへ走ればいいものを、ボールをこねくりまわしたり、最終勝負の起点になろうとし「過ぎる」ことで、逆に「周りの動きの意図」までも消し去ってしまう・・。とにかくワントラップで、どんどんとパスをつなぎ(もちろん「その後」のフリーランニングとの組み合わせ!)ながらボールを動かしつづければ、自然と「次の仕掛けイメージ」も活性化してくるものなのに・・

 このチームの場合、攻めのパターンが「ステレオタイプ化」してしまっている・・!? そんなことまで感じてしまいました。

 守備では、もちろん「まずコンセプト(チーム戦術)」ありき。でも攻撃では、基本中の基本である「ボールの動き」を演出するなかで、選手たちの「自由な発想」をどんどんと活性化していかなければなりません。そのプロセスにおいて(また監督が持つイメージをベースに)、どのような「タイプの攻め方」がもっとも効果的なのかを、「選手たち自身」が体感し、それが「チーム全体が共有するイメージパターン(それが攻めのカタチといわれるモノなのかもしれません・・)」になる。そして、そのパターンへ至るプロセスに、クリエイティブな「変化」が付加されていく。そんな「自分主体の試行錯誤」こそが、ハイレベルな『イメージ・シンクロ・プレー』を生み出すためのスタートラインなのです。

 何か、オーストラリア戦と同じような内容のコラムになってしまって・・。とにかく見ていて、本当に歯がゆかったのが、彼らのボールの動きだったんですよ。あれほど高い能力を持つ選手たちが揃っていながら・・

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 それにしても、アンゴラは強いですネ。個人的な能力もさることながら、攻守にわたる組織的なプレーでも、かなりトレーニングされていることを感じます。さすがにアフリカンチャンピオン。彼らについては、ヨーロッパの連中から聞いてはいたのですが、これほどまでとは・・。とにかく、アフリカの底力を感じさせられました。

 それでもこの大会では、アルゼンチン、ブラジル、そしてフランスという優勝候補のメインストリームは不動のようです。そこに、ガーナやアンゴラのアフリカ勢、「二列目」にいるドイツやチェコ、ウクライナがどのように絡んでいくのか・・。注目しましょう。

 今回は、本当に「乱文」。失礼しました・・




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