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コンフェデカップ(5)・・予想どうりのリーグ展開になってしまって・・韓国代表vsオーストラリア代表(1-0)・・(2001年6月3日、日曜日)


やはり・・というか、予想通り、グループAでは、フランスが一位になり(メキシコを相手に、サスガの「4-0」勝利!)、オーストラリアが二位になりました。これで、三チームが勝ち点「6」で並んだわけですが・・。韓国にとっては、とにかくフランス戦での「5-0」というスコアが痛かった・・。

 韓国とオーストラリア戦ですが、とにかくオーストラリアの「ステディーな戦い方」が目立ってしまって。彼らは、チームとしてよくまとまっています。その意味は、言うまでもなく、選手全員が、攻守にわたって組織プレーに徹する・・ということでイメージが統一されているということです。

 このチームに、ハリー・キューウェル等の「世界レベル」の選手たちが加わる・・。2002ワールドカップ地域予選で彼らは、南米予選の「五位チーム」と決定戦を闘わなければなりません。たしかに厳しい勝負にはなるでしょう。でも、どのように守って、どのように攻めるのかに関するイメージが、これくらいハイレベルにまとまっていれば、十二分に、本大会出場の可能性はあると思う湯浅です。

 前回のコラムでも書いたでしょうか。美しくはありません。それでも、このオーストラリアチームのような「ハイレベルな組織ハーモニー」を奏でるチームには、本当に高いシンパシーを持ちます。何といっても、監督の「手腕」を明確に感じることが出来ますからネ。とにかく、良いチームを作り上げる仕事は、簡単なことではないんですよ。だから、これほど「選手たちの戦術的な発想」がシンクロしていること自体に、監督の「良い仕事内容」を感じ、コーチ仲間として拍手を送りたくなってしまうんです。何といっても、チームコンセプトをベースに我慢に我慢を重ねた末、フランスにも競り勝ちましたしね。

 手腕が明確に見えるという意味では、イメチェンのプロセスにある韓国のフース・ヒディンク監督に対しても「レスペクト!」。「まずオレが!!」というのがトレードマークだった韓国選手たちのプレーに、「もっとしっかりと考えつづけることでチーム全体のバランスを保ち、冷静に、クレバーにプレーしよう・・」という基本的なプレー姿勢が明確に見えるようになったんですから・・(まあこれは湯浅の表現ですが・・)。この試合では、守備が強いオーストラリアのウラスペースを突くようなクリエイティブな攻撃がほとんど出来なかったにもかかわらず・・ポジティブな変化を感じている湯浅なのです。

 私は、彼らの「闘う姿勢」が大好きです。1998年ワールドカップ予選では、本当に苦しめられましたからネ。とにかく彼らの、勝負所という時間帯での「津波のような前への勢い」に対しては、日本チームが「コンプレックス」まで持っていたのでは・・なんてことまで思ってしまうのです(彼らの前への勢いに押され、心理的な悪魔のサイクルに入って足が止まってしまう・・)。でも最近になって、日本代表との「戦術的な発想の差」が明確に見えるようになってきてしまって・・

 何度も書いたとおり、韓国は「正しいベクトル上」にいます。プレーの「戦術的な内容」も明らかに好転しています。あとは、彼らの「強烈な闘う意志」を、洗練された「チーム戦術」へ、実効あるカタチでミックスしていくことです(要は、正しいタイミングにおける、ポジティブな戦術ルール破りのこと!)。それでもやり過ぎたら、前後のバランスを崩してしまいますがネ・・。だから韓国チームにとっては、『バランスを取りながらプレーする』という表現は、殊の外「深く広い意味」をもっていると思う湯浅です。

 残念ながら、韓国が決勝トーナメントに進むことは出来ませんでした。それでも、正しい方向へ進んでいることだけは確認することができました。またヒディンク監督に対する、選手たちや協会、メディアからの「支持」も(まだ今のところは!?)強いということで、「安定したカタチ」で、韓国代表を理想型へ導く(近づかせる)ことができるに違いありません。

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 さてこれで、注目は「Bグループ」のリーグ戦最終日にうつります。カナダ(勝ち点「1」、得失点差「-3」)とカメルーン(同0)が対戦することで、日本(勝ち点「6」、得失点差「+5」)対ブラジル(勝ち点「4」、得失点差「+2」)の試合は「順位決定戦」ということになりそう!? まさかカナダが、大量点でカメルーンを下すことはないでしょうからネ・・(でもそこはサッカーなんだから甘い予想をするな! なんていう皆さんの声は聞こえてきますが・・)。

 ここはもう、日本はブラジルに勝つしかない。ハモン、カルロス・ミゲル、ワシントンなど、大会中に可能性を誇示した選手はいますが、それでもこのチームは、決して、我々がイメージしている「セレソン」ではありませんからネ。

 いまの日本チームならば、確実に、ブラジル代表に「内容的な差」をつけて勝てると確信する湯浅なのです。

 そうすれば、前回のコラムで表明したとおりの準決勝カードになります。「日本対オーストラリア」。「ブラジル対フランス」。

 明日の「B組」最終日が楽しみで仕方ない・・




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