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ちょっと「J」が心配になった湯浅です・・ゼロックススーパーサッカー、ジュビロ対グランパス(1-1・・PKでジュビロが勝利)・・(2000年3月4日、土曜日)

本当に、いったい何を考えてサッカーをやっているのだろう・・

 前半を見終わった私の正直な感想でした。あまりにも内容がない・・、これじゃ先が思いやられる・・と思ったものです。たしにか後半はちょっと持ち直し、グランパスが攻め込み、ジュビロがカウンターで応戦する(またその逆)というアクティブな展開にはなりました。それでも全体的には、カッタルい・・という印象を拭うことができなかった湯浅だったのです。

 一言で表現すれば、「仕掛けがなく、全員が安全に、安全に・・と、ビクビクしながらプレーするサッカー」とすることができそう。本当に、ゲームに動きがないのです。

 ボールホルダーが、「次の展開」をイメージしてパスを受けるシーンは皆無。ミスパスの応酬(足元パスばかりだからそれも当然?!)。またパス自体も、横パス、安全パスだけがテンコ盛り。そして、爆発するような決定的フリーランニングや、攻撃最終段階での勝負ドリブルもほとんど出てこない・・。これじゃ、スポンサーや観客のみなさんに失礼というものです。

 特に、日本代表の、奧、望月や平野の「守りの姿勢アリアリ」の沈滞プレーには、本当にガッカリさせられてしまいしまた。すぐに「アッ、次を意識しないでパスを受けたナ!」と分かってしまうようなパスの受け方。そしてそこからの展開も、「自分が中心になって仕掛けていくゾ!」なんていう意志は皆無。止まっている味方の足元へ安全パスを回し、自分は、その場で状況観察・・ってなもんで・・

 彼らは、非常に高い能力を持っているサッカープレーヤーです。日本を代表する能力を・・。ただそれが、宝の持ち腐れになってしまっては・・。彼らには、本当に反省してもらいたいものです。高い能力をベースにしたリスクチャレンジへトライしていく姿勢を失ったとき、自分自身の「総合能力の発展プロセス」が停滞し、そのまま本当に「才能の墓場」へ一直線(その速さは、発展のスピードの比ではない?!)。そのことは、サッカーの歴史が証明していますからネ・・

 この試合で「少しだけ」目立っていたのは、高原の「能力の高さ・仕掛けていこうという姿勢」、そしてストイコヴィッチの、「いつものように」真摯でダイナミックなプレーくらい・・。本当に寂しい限りではありました。

 私が期待していたのは、確かにカネが掛かってはいるけれど、これは基本的にはフレンドリーマッチなのだから、シーズン開幕に向けて、とにかく「チャレンジ!!」という姿勢だったのですが・・

 ここのところ、セリエとかスペインリーグ、はたまたチャンピオンズリーグを見る機会が多かったもので、この試合の「停滞プレー」が目立ってしまったのかも・・(あくまでも全体的な印象であって、個々では、たまにはチャレンジプレーを、かいま見ることはできましたがネ・・)。

 フットボールネーションでの「勝負が掛かった試合」では、試合全体を通し、それも攻撃、守備の両面で、常にリスクチャレンジの連続・・というのがアタリマエです。もちろん彼らも、カッタルい内容のプレーをすることはありますが、「基本的な姿勢」という視点では、それはもう「J」の比ではありません。

 私が心配しているのは、その「姿勢」です。もちろん「現象面」については、選手個々の能力に差がありますから、フットボールネーションでの「ファンタジア溢れる」エキサイティングプレーを期待することは無理でしょう。それでも、常に何かに「チャレンジしていくという姿勢」だけは、能力・レベルには関係なく、子供からプロまで、意識さえ高ければ、誰にでも維持し発展させることができるものなのです。

 この試合を見ていて、本当に「J」が心配になってきました。彼らが置かれているのは、激烈な競争が渦巻く「エンターテイメント市場」なのです。そこでは、「今まで通り」のことを「ミスせず(ミスが目立たないように?!)」にキチンとこなしていさえすれば安泰・・なんていう「官僚マインド(体育会マインド?!)」を持つことは、まさに自殺行為。常に「新しい価値」を創造していくためにチャレンジし続けなければならないのが、個人事業主たる「プロプレーヤー」です。

 一般の生活者の方々がもっとも高く評価し、心理的・精神的にサポートするのは、目的と目標を強烈に意識した「チャレンジ姿勢」なのだと思うのですが、いかが・・




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