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オーストラリア報告(5)・・立派な闘いを披露した日本代表・・日本対ブラジル(0-1)・・(2000年9月20日、水曜日)


いま夜中の25時。文化放送、サッカーマガジンのインタビューを受け、スポーツサイト「スポーツナビゲーション」の原稿を書き終えたところです。

 そちらもご覧いただきたいのですが、そこで書いた骨子は、やはりブラジルは強かった・・、それは守備が抜群に安定しているから・・、たしかに南ア戦では崩壊したが、トーナメントでの成長の一環だった・・、日本戦でのブラジル守備ブロックは、ほんとうに堅かった・・、だから日本チームが作りだした「決定的チャンス」は、俊輔のFKと、CKから、俊輔を介して稲本へわたりフリーシュートを打った場面くらい(このことは書かなかったかもしれない・・)・・、逆に日本は「攻めさせられた」のかもしれない・・、そしてブラジルは「フラットスリー」の逆を突く攻撃を強烈に意識した危険なカウンターを仕掛けてきた・・、それでも日本代表は、ビビることなく存分に持てるチカラを発揮した・・、だからブラジルとの「僅差の実体」をより正確に把握することが出来た・・、ただ俊輔だけは、特に前半はビビったプレーをしていた・・、それもヒデの代わりに「最終勝負の仕掛け人」として常にリスキープレーにチャレンジしなければならなかったから・・、そして最後はアメリカ戦について・・、そんなところでしょうか。

 たぶん、日本時間で25時くらいまで(20日のです)にはアップされているハズ。一度ご覧アレ・・

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 私のHPでは、まず中村俊輔をもっと深堀りしようと思います。

 ヒデの代役としてグラウンドに立った俊輔。彼は、ゲームがはじまってすぐに、ブラジル選手達のレベルを超えた「巧さ」を体感し、(才能ある技術系の選手であるからこそ・・?!)少しビビり気味になったに違いないと思います。普段の彼の自信あふれるプレーはどこへやら。最初の頃は、ボールをもっても、「逃げ腰の横パス・バックパス」に終始するありさまでした。また守備参加も「おざなり」の雰囲気がアリアリ。

 後半には持ち直し、かなりのリスキープレーにチャレンジするようになったとはいえ、自信の揺らぎが、(特に技術系の選手では、相手の巧さを実感したら、そのことが)選手のプレーに巨大なカゲを落とす・・という普遍的な現象を目の当たりにした思いでした。前半に何度か、「クリエイティブなキープ(タメ)」や、中盤での突破ドリブルにチャレンジしましたが、ことごとく止められてしまって・・。それも、彼の「自信の揺らぎ」が原因です(逆に、その失敗から、よりプレーが消極的になってしまったのかも・・それこそ心理的な悪魔のサイクル)。それがあったから、普段の「ダイナミズム」に欠ける中途半端なトライになり、相手に簡単にボールを奪われてしまったというわけです。

 ただ後半は、ちょっと吹っ切れたプレーができるようになりました。それには、稲本という「後方からのダイナミズムのバックアップ」があったことも見逃せません。彼が良いプレーを出来るためには、「まだ」パートナーが必要なようです。「最終勝負の仕掛け人」としてホンモノになるためには、まだまだ「越えなければならない壁」があります。ただこの試合で、その「壁」が何であるか・・ということの一端を「体感」したに違いありません。彼もまた、90分の中で進歩したのです。

 次に三浦淳宏。私は、嬉しくて仕方ありませんでした。彼の積極的なリスクチャレンジに、感動さえ覚えていたのです。でも逆に、「そんなに出来るのに・・何故、いつもチャレンジしないんだ!」という怒りも覚えました。右サイドでプレーしたから・・?! 中田ヒデと中村が中盤で良いプレーをしていたから・・?! サイドの前のスペースを埋めたら、逆に彼らのプレーの可能性を狭めてしまうから(そう考えたから・・)?! そんなのは、とんでもない言い訳です。

 彼は、「言い訳を探す・・」というネガティブな態度では決して何かを生み出すことはできないし、進歩など夢のまた夢だということに対する「深い自覚」を持たなければなりません。

 三浦淳宏は、日本を代表する「期待される才能」の一人。湯浅は、彼の「才能とパワーあふれるドリブル突破」に、2002年の光明を見ていました。これからは、「単独ドリブル勝負」を仕掛けられる状況に、もっと積極的に「入り込む」ように努力して欲しいと思います。そうです、「組織プレー」にもっと積極的に絡んでいくのです(ヒデのように、もっとしっかりとボールがないところで走ることによってシンプルなボールの動きに絡み、そしてある程度フリーな状態でパスを受ける・・)。そうすれば、彼の才能が、もっともっと効果的に発揮されること請け合いなのです(そうすれば、彼の市場価値も鰻登り!!)。

 ガンバレ、「天才」三浦淳宏!

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 攻守にわたり、本当に素晴らしいアクティブ&クリエイティブ&ダイナミックなプレーを展開した稲本・・、中盤の「スーパーバランサー」明神・・、ステディーなプレーを続けた宮本、中澤、中田浩二・・、「誰か」に強烈にアピールするかのように(フラストレーションを発散させるように)ダイナミックな積極プレーを披露した松田(早く復帰して欲しいと思っている人々は多いのだ!・・何かへのこだわりが原因なのだとしたら、まず様々な意味を包含する『未来へ向けた(組織的な、そして個人的な)目的』をしっかりと見つめ直すべき!・・だと思う)・・、これまたステディーなプレーを続けた楢崎・・などなど、採り上げたい選手は山ほどなんですが、エネルギーが・・。ということで、ここでは柳沢と高原についてだけ、コメントを付け加えるだけに留めます。ご容赦アレ・・

 さて・・。高原が、大きくブレイクしつつあることは言うまでもありませんが、それに比べて柳沢が・・

 全体的には「良いプレー」はしています。でも「吹っ切れた勝負」が目立たない。多分それは、「周りが見え過ぎている」からなんでしょう。様々なプレーの可能性が見える・・、だからより良い方向を選択しよう・・、使われるだけではなく、使うプレーにも絡みたい・・。ただそのことで、どうしても勝負のタイミングが狂い失敗してしまう・・そしてそんな失敗をくり返すことで、逆にプレーが消極的になってしまう・・

 以前、サッカーマガジンに書きました。「柳沢よ、エゴイストたれ!!」と・・。才能あふれる柳沢。彼は、自分がストライカーであることをより明確に自覚しなければなりません。もっと勝負を!! そうです、ブラジル戦の後半に魅せた何度かの「爆発的」な、そして「ワイルド」なドリブル突破チャレンジ。それです。

 彼にとっては、高原という「素晴らしいライバル」の出現も、大いなる刺激になるに違いありません。高原がブレイクしている根元には、「常にオレが勝負にいく!」という姿勢があることを忘れてはならないのです。

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 これで最後にしたいと思います。それは、「日本がラッキーだった」ということ。私には、途中から「他会場の経過情報」が入ってきていたのですが、それで何となく落ち着いてゲームを見られたものです。とにかく「ツキ」も実力のうち・・なのです。

 南アフリカは強いチーム。でも、やはり「アフリカのチーム」なんでしょう。このことについては、一昨日アップされた「2002クラブ」のコラムを参照してください。

 アッともう一つ。ブラジル戦で、何度も崩されかけたフラットスリーについても一言。

 フラットラインの中央をぶち破るスルーパス(ギリギリのところで守りきる)・・、フラットライン前からのロングシュート(楢崎のスーパーセーブ)・・、そして「決定的な(ラスト)サイドチェンジパス」(これで作り出された危機は何度もあった)・・などなど、たしかに日本のフラットスリーはピンチを迎えました。

 ただあれは、ブラジルが優秀だったからだと考えるのが順当な分析だと思います。逆に、良く守ったとするのが正しい見方。あれほどのタイミングで、「ショート・ショート」で守備ブロックを引きつけた瞬間に、鋭い「勝負の(短めの)サイドチェンジパス」を出せるチームは、他にはあまりいないのです。

 フラットスリーですが、「あの」ドイツ代表でさえ、ルディー・フェラー監督になってからそのシステムを採用するようになっている・・という事実を付け加えて、本日のコラムを締めたいと思います。

 乱筆、ホントに失礼。では、今度はアデレードから・・オヤスミナサイ・・




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