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J-1昇格へ一歩近づいたレッズ・・大分トリニータ対浦和レッズ(0-2)・・(2000年10月22日、日曜日)


試合は、両チームともに守備を強化し、ワンチャンスを狙うという展開。そしてレッズにタイミング良くその「一発」が出て大分を振り切った・・という試合でした。

 両チームともに、相手が自陣に入ってきた段階から「マンマーク」へ移行し、その後方に、常に一人余る・・という「守備強化ゲーム戦術」で試合に臨みます。ということで、チャンスの芽を作り出すことさえままならない・・

 大分では、ウィルが「チャンスメーク」と「ゴールゲット」のキーパーソンなのですが、その彼が、大腿「二頭筋(ハムストリング)」に問題を抱えています。この筋肉は、大腿部の裏側(太股のウラ側)にある筋肉で、主に「走るとき(走りの際のキック)」に使う筋肉です。そのことが、彼のプレーに大きな支障をきたしていることは明らかでした。

 大分の石崎監督は、迷いに迷ったに違いありません。どうしようか・・、ウィルはキーパーソンだし、彼自身もやりたいと言っている・・、ただチーム全体のことを考えたら・・フム・・

 代替がいない大分の事情を考えれば、そんな「危険いっぱいの采配」も理解できます。私も、何度もそんなことを経験していますから・・。それでも、大腿二頭筋が「肉離れ気味」の選手をプレーさせることは、「その後の悪影響」を考えれば得策ではない・・、もしウィルの肉離れが悪化し、今後の試合に出場できなくなってしまったら・・、「J-1昇格」という最終ゴールのことを考えれば、それは大変なハンディになってしまう・・とも思っていました。

 それでも、身体に問題を抱えていながらも、ココゾ!のシーンでは、危険なニオイを放つウィル。最後は交代せざるを得なかったとはいえ、大した選手ではあります。

 大分の攻めは、そのウィル、アンドラジーニャ(試合終了直前の退場劇は、負けを意識した感情的なファールだったからいただけない!)、吉田、そして加賀見が中心になります。何度か惜しいチャンスはあったものの、決めることができない大分。それに対しレッズは、ワントップのクビツァ、アジエル、そして永井が中心になって攻め、攻めの人数が少ないにもかかわらず、キチンとワンチャンスをものにします。

 前半40分に挙げた永井の先制ゴール。それはもうクビツァの「イメージの勝利」。左サイドでボールを動かし、「大きな身体」をうまく使ってキープしたクビツァのアタマの中のディスプレイには、確実に「逆サイドに空いたスペース」が映し出されていたに違いないのです。そして、一瞬の「ルックアップ(永井とのアイコンタクト)」から、その「ファーサイド・スペース」」へボールを送り込むクビツァ。そこには永井が張っていたのですが、彼をマークしなければならないシジクレイも、レッズの左サイドでの展開に引き寄せられ、素早いクビツァの「ラスト・サイドチェンジ」に反応し切れませんでした。このゴールは、クビツァに「0.7点」くらいは献上しなければ・・

 後半は、押しつ押されつの展開。それでも、一点リードしたレッズの攻めに、両サイドの山田、土橋の攻め上がりもより積極的になるなど、「心の余裕」を感じます。もちろん、負けられない大分も、どんどんと攻め上がる選手たちの人数が増え続けます。でもちょっと無計画な感じが・・。「前後の人数バランス・ポジショニングバランス」が崩れ気味で、レッズに、必要もない「カウンターチャンス」を与えてしまうのです。それでも、ギリギリのところでレッズのカウンターをしのぎながら攻め上がり続ける大分。そんなところに、昨年の、FC東京との「J−1昇格」の競り合いに敗れた苦い経験を二度とくり返したくないという選手たちの熱い思いは感じたのですが・・

 最後は(後半37分)、アジエルの見事な「切り返し」と(阿部の、サイドスペースへの走り込みが、相手守備の意識を引きつけた!!)シュートで、追加ゴールを奪われて「ジ・エンド」。

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 グラウンドが悪いこともあって、ボールの動きが「単調・停滞」気味、そして「個人プレー主体」の攻撃になってしまったことは否めませんが(そのことで、ディフェンダーたちの次のパスに対する読みが優る・・そしてどうしても中盤でのガチャ、ガチャというボールを巡る競り合いが続いてしまう・・)、全体的には、両チームともに「勝つことに執着した」面白いゲームではありました。




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