湯浅健二の「J」ワンポイント
2025年Jリーグの各ラウンドレビュー
第8節(2025年4月2日、水曜日)
不確実なサッカーは、究極の心理ボールゲーム・・だから、攻守にわたって、「主体的」に、攻守の仕事(ハードワーク)を探しまくらなきゃ、良いサッカーなど望むべくもない・・(レッズvsエスパルス、2-1)
前節のコラムと、同じようなニュアンスのコラムになりそうだけれど・・
とにかく・・
レッズは、ホントに、よく、勝ち切った。
そういえば、前節コラムのタイトルは、こんな感じだった・・
・・レッズは、強いセレッソに対して、よく引き分けまで持ち込んだ・・この「粘りマインド」は、かならず「次」につながる・・この強い、「意志と覚悟」を、極限まで高めよう・・
たしかに・・
そう、前節の「粘りプレー」は、「次」につながったよね。
それにしても、レッズの、現在の「フォーム」は・・
彼らが内包する、ベース能力(≒まあ、個の能力の単純総計・・かな!?)からすれば、まだまだ本調子とは、ほど遠い。
あっと、フォーム・・
それは、チームの、物理的、心理的、そして戦術的な「状態」・・ね。
とにかくレッズは・・
ボール奪取プロセス(守備)における、チェイス&チェック(寄せ)のダイナミズムが、足りない。
特に、最前線からの、積極的&攻撃的な「寄せ」がね。
だから、うまく、ゲームを支配できない(中盤でのイニシアチブの掌握ね)。
サッカーでは・・
すべてが、ボール奪取プロセス(守備)から、はじまるんだよ。
そこで、個々人が、自ら、積極的&攻撃的に、ボール奪取プロセス(守備)におけるハードワーク(仕事)を、探しまくれるかどうか・・
それこそが、サッカーの内容を左右する、決定的ファクターなんだ。
そこで、少しでも(一人でも!)、ビビッたり、サボッたりしたら、良いサッカーなんて、望むべくもないんだよ。
前節コラムでは、最前線のチアゴ・サンタナの、ボール奪取プロセス(守備)における、「寄せ」の内容に苦言を呈した。
また、同じように、原口元気の、ボールがないところでのアクションの量と質に(プレー姿勢!?)に対しても、アタマにきていた。
とはいっても、このゲームでは・・
まあたしかに、この二人の(このゲームでの!)プレー姿勢については、少しは、「闘う意志の好転」が見えはじめたって感じた。
ここでは、攻守にわたる、ギリギリの「主体性プレー」のコトを言っている。
わたしは、「爆発・・」とか、「全力スプリントの積み重ね・・」などといった表現で、その、攻守にわたる「主体性プレーの内実」を表現することにしているんだ。
そう、「意志」によって支えられる、プレー姿勢(主体性プレー)・・
その視点では、この試合では、かなり、エスパルスに「やられた」という印象がのこったね。
たしかに・・
レッズの「守備ブロック」が、強烈に堅いことで、事なきを得てはいたけれど・・
それでも、後半34分、エスパルス高木践に「追いかけゴール」を奪われてからは・・
かなり、危ないトコロまで押し込まれた。
その、「押し込まれた」という現象だけれど・・
それは、まさに、不確実なサッカーが、究極の「心理ボールゲーム」であることの証明だった。
そこには・・
選手たちが、攻守にわたって、「主体的」に、攻守の仕事(ハードワーク)を探しまくらなきゃ、決して良いサッカーなど出来ないという、サッカーの本質メカニズムが、隠されている。
そう・・
エスパルスが、最後の最後まで、積極的&攻撃的に、ダイナミックなボール奪取プロセス(守備)をブチかましつづけたっちゅうことさ。
だからこそ、グラウンド上の人数が、「11対15」ってな優勢にまで「感じられる」ほど、エスパルスに、イニシアチブを握られつづけたんだよ。
ということで・・
このコラムで言いたかったことは、ただ一つ。
良いプレイヤーになるためには・・
攻守ハードワークとリスクチャレンジを、積極的&攻撃的に(主体的に)探しまくらなければならないという、歴史が証明している厳然たる事実。
それこそが、プロ選手たちにとっての、次のステップへの「トビラ」を開ける、キーなんだよ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-
"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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