湯浅健二の「J」ワンポイント
2025年Jリーグの各ラウンドレビュー
第36節(2025年11月9日、日曜日)
最高レベルのサッカーを魅せている、ミヒャエル広島サンフレッチェ・・選手たちの、レベルを超えた「攻守にわたる主体性プレー」の集大成ってな表現が、ストンと腑に落ちる・・(サンフレッチェvsレッズ、3-0)
フ〜〜ン・・
この「差」は、いったい何なのだろう・・
この試合、ミヒャエル広島サンフレッチェは、「数字」でも、サッカー内容でも、レッズにまったくスキを与えなかったんだよ。
そして終わってみれば、ミヒャエル広島サンフレッチェは、5倍ものシュートをブチかましただけじゃなく、ゴール機会(枠内シュートも含む)という視点でも、レッズを大きく上回った。
まあ、とはいってもレッズについては・・
最終勝負アプローチという視点で、後半の残り20分ってなタイミングでグラウンドに立った中島翔哉に対して、「ほのかな期待」は抱いたけれど・・さ。
そうなんだよ・・
サミュエル・グスタフソンと、その前での「個の仕掛け人」としての中島翔哉とマテウス・サヴィオが、うまく噛み合えば・・
まあ、中島翔哉については、彼が、万全の「物理&心理状態」であることが大前提だけれど・・
そんな攻撃トリオが、うまく噛み合うようになれば・・
レッズのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)における、ゴール機会の実効レベルは、格段にアップするかもしれない。
そんなコトまで夢想せざるを得ないってな、体たらく状況に陥っているレッズなんだ。
ということで、この試合でのレッズは・・
攻守にわたる仕事量(意識と意志と意地レベル)だけじゃなく、戦術的にも、ミヒャエル・スキッベの後塵を拝しつづけたんだ。
私は、このところ、ミヒャエル広島サンフレッチェを、リーグだけじゃなく、ACLEとかルヴァン決勝など、かなりの頻度で追いかけている。
それは・・
そう、もう何度も表明しているように、彼らこそが、日本サッカーのレプレゼンタティブ(代表的存在)であるべきだってコトだよね。
とにかく・・
素晴らしく忠実&ダイナミックな、ボール奪取プロセス(守備)を絶対ベースに・・
スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、全員が、勇気マンマンに押し上げていく。
そう、積極的&攻撃的なボール奪取プロセス(守備)への強烈な意識と意志と意地を、前面に押し出しながらネ・・
その象徴的な存在が、ダブルボランチ、川辺駿と田中聡。
彼らが、攻守にわたってブチかましつづける、攻守ハードワークを探しまくる「主体性プレー」こそが、いまのミヒャエル広島サンフレッチェのハイパフォーマンスを支えている。
いや・・
もちろん、佐々木翔、塩谷司、そして荒木隼人で組むスリーバック、東俊希、スーパーロングスローインの中野就斗という両サイドハーフ、そして前線・・
いまの最高レベルのサッカーを魅せつづけている、ミヒャエル広島サンフレッチェは・・
彼ら全ての、レベルを超えた「攻守にわたる主体性プレー」の集大成っちゅうコトだね。
あっと、忘れる前に・・
もちろん、彼らのチカラを、「チーム全体の協同作業」として一つにまとめている監督、ミヒャエル・スキッベの「心理&戦術マネージャー」としての手腕には、疑う余地がない・・
残念ながらリーグ優勝には届かなかったけれど・・
もう一つのビッグタイトルが、待っている。
期待しているゼ、ミヒャエル・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-
"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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