湯浅健二の「J」ワンポイント
2025年Jリーグの各ラウンドレビュー
第28節(2025年8月31日、日曜日)
レッズ・・最後の最後の、時間帯で魅せた、立派な闘う意志・・それは、次に控えている優勝争いでも、着実に、パフォーマンスの増幅を、後押ししていくに違いない・・(レッズvsアルビレックス、1-0)
最後の時間帯・・
わたしは、「このまま勝ち切ったら・・ホントに、よく守り切れた・・」ってなニュアンスのコラムにしようと思っていた。
それほど、最後の時間帯では、押し込まれつづけ、危ないシーンも創りだされたんだ。
でも・・
そうなんだよ、そこまでのゲーム展開からすれば、チトそぐわない程に、レッズの「闘う意志」が高揚しつづけたんだ。
そう、後半終了の数分前から、7分という長い後半ロスタイムにかけて、レッズは、イニシアチブを、立派に握り返したんだ。
もちろん、わたしのゲーム印象が、大きく変容したコトは言うまでもない。
そう・・
レッズは、その最後の時間帯、立派に「闘い」、フェアに勝ち点3をもぎ取った・・ってね。
その後半の最後の時間帯では、とにかく・・
交替出場した選手たち(柴戸海、長沼洋一、関根貴大)だけじゃなく、先発メンバーとして、最後までグラウンド上に残ったマテウス・サヴィオの「意志の闘い」を、称賛したい。
特に、マテウス・サヴィオ・・
彼の、ボール奪取プロセス(守備)、特に、相手を追いかけ回すゲーゲンプレス(最前線からのチェイス&チェック)には、アタマが下がる思いだった。
そんな彼の、レベルを超えた「汗かきアクション」が、チームに勇気を与えないはずがない。
素晴らしい・・
このゲームでは、「個」に、スボットを当てようかな。
まず、中島翔哉・・
わたしは、彼の、攻守にわたる奮闘ぶりを観ながら、胸をなで下ろしていたよ。
もちろん、全盛期パフォーマンスとは、まだまだ比べられないけれど・・
それでも、攻守にわたる組織ハードワークだけじゃなく、ボール絡みでも、とてもクリエイティブな高質プレーを披露したんだ。
特に、シュート機会・・
動きのタイミングにしても、シュートアクションへの入り方、またシュート自体にしても、「サスガに中島翔哉・・」ってなシーンを連発したっけ。
そう、パスを受けてからのターンが素早く、小さなアクションで、素早くシュートをブチかましていた。
それも、とても可能性を感じさせられる高質シュートね。
あとは、ボールをもってからの「個の勝負」を、もっとアクティブに・・とか・・
ボールがないところでの攻守アクションの量と質のアップなど、たしかに課題はかかえているけれど・・
それでも、あのレベルの個のポテンシャル(天賦の才)だからネ、期待は天井知らず。
また、もう一人・・
その中島翔哉と、ある意味、「仕掛けイメージング」で、かなりハイレベルに共鳴していた、サミュエル・グスタフソン・・
とにかく、彼の「空間認知能力」は、レベルを超えている。
だからこそ、ボールをもってからの「素晴らしく素早く正確な展開パスや勝負スルーパス」で、相手の虚を突くスーパープレーを連発できるんだ。
そんなサミュエルが、何度か、中島翔哉と、「世界」とだって比較できるレベルのコンビネーションを魅せたんだよ。
この二人からも、彼らの今後の飛躍を、大いに期待させられたモノさ。
そして・・
言わずもがなの、西川周作先生・・
ブーダの、完璧フリーシュートシーンでは、そのシュートモーションから「次」を読み、完璧なタイミングでシュートを抑えた。
それだけじゃなく、例によって、何度も、スーパーなゴールキーピングを、魅せた。
また、ダゾン試合後インタビューでも、水沼貴史の問いかけに、とても「大人の立派なコメント」をブチかましていた。
ということで・・
チョウ・キジェ京都サンガ、リカルド柏レイソル、吉田孝行ヴィッセル、アントラーズ、ミヒャエル広島サンフレッチェ、マチェイ浦和レッズなどなど・・
これからのリーグ優勝争いが、とても楽しみになってきたじゃないか。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-
"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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