湯浅健二の「J」ワンポイント
2025年Jリーグの各ラウンドレビュー
第28節(2025年8月30日、土曜日)
両チームのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)は、最後の「壁」を超えられなかった・・「リスクチャレンジへの覚悟」が足りない・・(横浜FCvsヴェルディ、0-0)
ふーむ・・
降格リーグにドップリと浸かっている横浜FC。
もちろん、彼らは、勝ち点3をゲットしなきゃいけない。
だから・・
そう、前からプレスの勢いは、天井知らず。
前半の(まあ引水タイムあたりまでは)、ヴェルディを、かなり押し込んだ。
でも・・
ヴェルディの、ボール奪取プロセス(守備)は、堅い、堅い。
城福浩による、「最後の半歩」というファクターへのイメージトレーニングの賜物・・!?
だから横浜FCは、あれだけボールを支配しているにもかかわらず、簡単には、ゴール機会を創りだすトコロまでいけない。
そして時間の経過とともに・・
今度はヴェルディが、イニシアチブを握り返すってなゲーム展開フェーズに入っていく。
とはいっても、彼らの攻めもまた、単発なスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の繰り返し。
まったく、ゴール機会を創りだすってなシーンは、演出できない。
そうなんだよ・・
両チームともに、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)に、大きな課題をかかえているという印象ばかりを残したんだ。
もちろん・・
城福浩ヴェルディは、勝ち点「1」でも、御の字だから、「落ち着いたサッカー」を魅せる。
対する横浜FCは、石にかじりついてでも、勝ち点3をゲットしにいこうとする。
でも時間の経過とともに、横浜FCも、徐々に、燃料切れに陥っていった。
そう、攻守にわたる、ボールがないところでのアクションの量と質が、減退気味に落ち着いていったんだ。
ボール奪取プロセス(守備)における、もっとも大事なアクションは、言わずもがなの、チェイス&チェック(寄せ)だよね。
それこそが、「良いカタチ」でボールを奪い返す絶対ベースなんだ。
でも、横浜FCは、前からプレスを全体的には(!?)機能させてはいるけれど、それを、組織的な「連動性」がうまく機能していないコトで、良い結果につなげられない。
やっぱりプレスは、人数をかけたときに(リスクにチャレンジしたときに)はじめて、本当の意味での危険なショートカウンターにつなげられるっちゅうわけさ。
難しいけれど・・
耐えていれば、そのうちに何らかのチャンスに恵まれる・・
そんな「後ろ向き」の発想も、たしかに、より高い確率で結果を掴めるかもしれないけれど・・
でも、それでは、決してホンモノの進化&深化のベクトルには、乗れない。
全てのフットボールネーションの進化プロセスでは・・
そう、そんな「内容と結果の相克」に、ホントに長いあいだ、ストラグル(strugle)していたんだよ。
そして、哲学的なソリューションにたどり着く。
そう、リスクチャレンジのないところに、決して進化&深化もない。
だからこそ、フットボールネーション現場のコーチは・・
その「二つの背反する要素」を、バランスよく、選手たちの「マインド」のなかで共存(有意義に格闘!?)させられるように、心理マネージメントするんだよ。
それこそが、「良いコーチのウデ」と呼ばれる、得体の知れない「クオリティー」のホントの内実っちゅうわけさ。
あっ、スミマセン。
ワケの分かりにくいハナシに、入り込んでしまって・・
とにかく・・
そう、横浜FCとヴェルディ両チームのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)が、うまくゴール機会を創りだせなかったというテーマだった。
まあ、わたしは、リスクチャレンジ(より人数をかける!)スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)をブチかませなかったと、考える。
そんな「闘う意志」さえ絞り出せれば、おのずと道は見えてくる・・
そして・・
ワンツーを積み重ねる、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションだって出てくるだろうし、ドリブル勝負だって、より積極的にブチかませるようになるハズ。
もちろん、そんな、積極的&攻撃的な流れ(雰囲気)が、チーム全体に充ちてくれば、中距離シュートだって、より頻繁にチャレンジされるようになるでしょ。
そして・・
そんな効果的&危険なスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)をブチかまされたら、相手ディフェンス組織だって「開く」はずだよね。
そしたら、タラレバのハナシではなく・・
あくまでも、美しく勝つための、積極的&攻撃的な(具体的な!)チーム戦術というイメージのディスカッションも、出来るようになる。
ちょっと、フラストレーションが溜まってしまったモノで・・
スミマセン・・
へへっ・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-
"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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