湯浅健二の「J」ワンポイント
2025年Jリーグの各ラウンドレビュー
第27節(2025年8月22日、金曜日)
リカルド柏レイソルが魅せたサッカーには、リーグトップ返り咲きに相応しい、攻守にわたる、究極の「主体性プレー」が集約されていた・・(レイソルvsレッズ、4-2)
このゲームからピックするテーマは、まあ、コレしかないだろうね。
交替プレイヤーの、闘う意志。
このレベルが、レッズとレイソルでは、まさに雲泥の差だった。
もちろん、そのレベルを測るパラメーターは、ボール奪取プロセス(守備)での、チェイス&チェック(寄せ)の内実。
そのポイントこそが、この大逆転劇の絶対的バックボーンだった。
え〜とネ・・
チームに対する貢献・・
その絶対ベースは、もう、闘う意志しか、ないんだよ。
それさえ充実していれば・・
そう、攻守ハードワークの内実だって、自然とアップしていく。
そのポイントで、レッズ交替選手たちは、まったく存在感を発揮できていなかった。
・・というか、プロとしての自覚を疑われても、仕方ないほどの最低パフォーマンスだったとさえ言えそうだ。
もちろん、一人だけが、攻守にわたって走り回っても、何も生み出せない。
それでも・・
そう、攻守にわたって、ボールがないところでのアクションの量と質を「爆発」させれば、その「刺激」は、かならず、チームに好影響を与えられるモノなんだよ。
そして、チーム全体の、攻守にわたる組織ハードワークだって、アップしていく。
そんな「意志の貢献」は、テクニックとかタクティックのハナシじゃない。
そうではなく、プロとしての自覚と意志(意地!?)の問題なんだ。
とにかく、攻守にわたって、必死に「闘い、動く」ことで、少なくとも、チームを、ポジティブに刺激できるハズなんだ。
でも、レッズ(交替選手!?)のプレー姿勢からは、そんな「プロの意地」ともいえる「強烈な闘う意志」が、まったく感じられなかった。
それに対して、レイソル・・
皆さんもご覧になった通り、ボール奪取プロセス(守備)でのチェイス&チェック(寄せ)の内実には、「闘う意志のオーラ」が、光り輝きつづけていた。
それも・・
その輝きは、同点ゴール、逆転ゴールを奪ってからも、まったく衰えを知らなかった。
それに対して、レッズは・・
たしかに、セットプレーからの先制ゴールや、素晴らしい「ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション」による追加ゴールは、素晴らしかった。
でも、その「0-2」のリードが、彼らから、完璧に、チャレンジ精神(主体性の闘うプレー姿勢)を、奪ってしまった。
それだけじゃなく、交替選手たちも、「心理的な穴」を、まったく埋められなかった。
実は、わたし、ハーフタイムには・・
前半のレッズが魅せた、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション(素早く効果的なカウンター)と、その先にいる松尾佑介の個の勝負能力について、コラムを書きはじめていた。
でも・・
まあ、「これ」もサッカーだから、仕方ない。
あっと、チェイス&チェック(寄せ)だけれど・・
そのバックボーンには、トランジション(攻守の切り替え)の内実も含め、まさに、選手一人ひとりの「心の闘い」があるんだ。
そのコトも、このコラムの骨子ということなんだ。
そう、「そこ」では、選手たちのプロとしての意志や自覚の「内実」が、問われるんだ。
とにかく・・
レッズがブチかまされた、まさに恥辱的な「逆転劇」を、これからの、彼ら自身のプロ生活を支える実のある「学習機会」として活かして欲しい。
そこでは、彼らの「プロとしての自覚」が問われている。
とにかく、このコラムでは・・
グラウンド上の現象を、事細かに「体感」している選手一人ひとりに対して、そんな厳しい言葉を投げかけることにした。
悪しからず・・
もちろん逆に・・
リカルド柏レイソルに対しては、同じサッカー人として、日本サッカーへの貢献という意味合いも含めた「称賛と感謝の拍手」を、おくりたい。
彼らが魅せたサッカーには、レイソルのリーグトップ返り咲きに相応しい、攻守にわたる、究極の「主体性プレー」が集約されていた。
その素晴らしい「意志のサッカー」・・
堪能させてもらった・・
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-
"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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