湯浅健二の「J」ワンポイント
2025年Jリーグの各ラウンドレビュー
第26節(2025年8月16日、土曜日)
ものすごくエキサイティングな勝負マッチ・・堪能した・・(レッズvsグランパス、2-1)
マテウス・サヴィオ・・
この試合については、彼からハナシをはじめようかな。
というのも・・
シーズンがはじまった当初は、レイソル時代の、攻守にわたる超絶ダイナミズムが、かなり「落ち着いてしまった」ってな印象の方が強かったからね。
そう、レッズに移籍した最初の頃の彼は、とても「遠慮がち」にプレーしていたんだよ。
・・結果が欲しい・・でも、失敗はしたくない・・だから、まず安全プレーを・・
・・等など。
そんな心理プレッシャーが、彼のプレーを、「小粒にして」しまった!?
まあ、そんな側面がなきにしもあらずだったというコトか。
でも、そんな彼も、時間の経過とともに・・
変に、パフォーマンスを「揺動」させることなく、自信と確信レベルをコンスタントに高めていった。
攻守にわたる積極的&攻撃的な「プレー姿勢」が、とても安定して、進化していったんだよ。
・・というか、ようやく、彼本来の「プレーイメージ」を体現できるようになったということだね。
選手の移籍だけれど・・
新しいチームのなかで、真の意味で「認められる」までには、大きな紆余曲折があるのが当たり前。
そこでの心理的ファクターとして、自分自身の「意志」が、どうしても「受け身」気味になってしまうモノだという事実がある。
才能あふれるマテウス・サヴィオも、例外じゃなかったということサ。
でも、ここにきて・・
そんなマテウス・サヴィオが、本来の(!?)自由な(解放された)マインドを取り戻しつつある!?
ダゾン解説の南雄太が、そんなニュアンスの内容をコメントしていたけれど・・
ここでいう自由、それには・・
マテウス・サヴィオが、攻守ハードワークを絶対ベースに、リスク・チャレンジをつづけたからこそ、自分自身を「何か」から、本当の意味で「解放」させられたっちゅう意味が込められている。
そう、攻守にわたる激烈な「リスク・チャレンジ」によって自分自身を「解放」していったんだ。
サッカーは、究極の心理ボールゲームなんだよ。
マテウス・サヴィオのマインドは・・
・・オレは、これをやる、なんか文句あるか?・・
そんな、エゴイスティックな意志を前面に押し出せる「まで」に高揚したからこそ、ホンモノの「自由」を手に入れられたと思うわけサ。
もちろん、そんな「心の進化」のバックボーンには、彼が、ボール奪取プロセス(守備)でも、しっかりと主体的に、積極的&攻撃的にハードワークを探しまくれているというコトもある。
だからこそ彼は、チーム内で、自分のパフォーマンスに対する相互信頼が、醸成されてきているコトを、心の底から体感できるようになったということだね。
あっと・・
ものすごくエキサイティングな勝負マッチになった試合だけれど・・
両チームともに、攻守にわたって、ギリギリの「意志のプレー」をブチかまし合った。
そう、グラウンド全面にわたって、ものすごくハードな「局面デュエル」が繰り広げられたんだ。
なかには・・
そう、明らかにファールと思えるようなシチュエーションも、チラホラと見受けられた。
もちろん、そんなギリギリの「コンタクトプレー&局面デュエル」が、このゲームのエキサイティング要素を増幅したことは、たしかな事実ではあったし・・
ホイッスルが最小限(!?)に抑えられたことによって、ゲームが、「変に途切れず」、スムーズに連続していったことも、たしかな事実ではあったけれど・・
どうなんだろうね・・
わたしは、やっぱり、コンタクトプレー、ペナルティーエリア内でのハンド(そのルール成文の内容ネ)については、これからも、多くの紆余曲折があるって思っているんだ。
特にハンドについては、「24節のアビスパvsサンガ戦コラム」も、ご参照あれ。
ということで、今日は、こんなところでした。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-
"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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