湯浅健二の「J」ワンポイント
2025年Jリーグの各ラウンドレビュー
第19節(2025年6月1日、日曜日)
このゲームもまた、両チームの闘う意志によって(!?)イニシアチブが、大きく揺動しつづけた・・わたし自身の学習機会としても、とても意義のある勝負マッチだった・・(レッズvs横浜FC、2-1)
何だったんだろうネ〜〜、横浜FCの前半・・
そう、後半での彼らは、そのダイナミズム(闘う意志)を、何倍にも高めたんだよ。
その変化の背景には、前半43分に、ルキアンがブチ込んだ先制ゴールがあった!?
でも、後半8分には、サミュエル・グスタフソンが、同点ゴールを流し込んだ。
ということは・・
私は、そんなイニシアチブの揺動のバックボーンを、その二つのゴールにあったかもしれないって思っていた。
そう、ゴールほどの「強烈な刺激」は、他にないわけだから・・サ。
まず横浜FCの先制ゴール。
あれほど試合のイニシアチブを握り、ゲームを支配していたレッズだったけれど、「あの1本」で追う立場に陥ってしまう。
また後半8分の、サミュエル・グスタフソンの同点ゴールだけれど・・
レッズは、強烈な意志で、組織ディフェンスを機能させている横浜FCから、ゴールを奪うのは、そう簡単なことじゃないって感じていたはず。
でも、そのゴールを奪い切ることができた。
ということで、両チームともに、様々な「ゲーム展開イメージング」が、壊れたのかもしれない。
そして、局面デュエルの「ハードさ」が、大きく高揚しつづけた。
もちろん、「それ」は、両チーム選手たちの「攻撃性」をアップさせる。
そして、両チーム選手たちの主体性と、闘う意志ポテンシャルが、高揚していった!?
まあ、いまは、試合でのイニシアチブ揺動のバックボーンを、そんな風に考えているわけさ。
そして両チームの「アグレッシブな主体性」が、炸裂し、ぶつかり合った。
その火花は、もちろん、局面デュエルで飛び交う。
わたしの眼には、横浜FCの、局面デュエルでの「闘う意志」は、もしかしたらレッズを上回っていたかも知れないって感じていたんだよ。
さすがに、四方田修平。
とにかく、横浜FCプレイヤーたちは、主体的に、攻守ハードワーク(根源的な仕事!!)を探しまくっている。
そんな強烈な主体性や闘う意志は、もちろん、優れた心理マネージャーでもある、四方田修平のウデの証明っちゅうわけだ。
とはいっても・・
そう、全体的なサッカー内容では、前半の圧倒的なイニシアチブも含めて、レッズに、一日の長があった。
それは、確かな事実だけれど・・
まあ、だからこそ、横浜FCプレイヤーたちは、自ら、そして互いに、限界まで鼓舞し合えたっちゅうコトなんだろうね。
サッカーは、究極の「意志のボールゲーム」。
このゲームじゃ、そんな根源的なサッカーのコンセプトを、思い起こさせられたモノさ。
だからこそ、カタチから入っちゃ、いけないんだよ。
その意味でも、四方田修平だけじゃなく、コーチとして、さまざまなポジティブ影響を与えているはずの中村俊輔に対しても、心からの称賛と感謝の拍手をおくります。
さて・・
ということで、この試合から抽出すべきテーマだけれど・・
やっぱり、人とボールの動きと、そのリズム・マネージメントにしようかな。
特に、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションね・・
何せ・・
横浜FCの先制ゴールシーンでも、駒井善成をコアに、何度かのダイレクトパス(ワンツーの積み重ね)で、最後は、ルキアンが、ある程度フリーになった。
もちろん、「そこ」からルキアンがブチかましたスーパーミドル弾は、称賛されるべきだけれど・・
わたしは、「そこ」に至るまでのプロセスにこそ、注目すべきテーマが集約していたと思うわけだ。
スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)における、人とボールの動きの内実・・
ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション・・
そして、それによってスペースを攻略し、ある程度フリーな勝負プレイヤーを創りだす。
もちろん、横浜FCの先制ゴールシーンだけじゃなく・・
レッズのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも・・
軽快な人とボールの動きのなかに、とても効果的にミックスする、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが光り輝いていた。
前半では、何度レッズが、そんな人とボールの動きによって、スペースを攻略したことか。
レッズは、何度も、ダイレクトパスによって、フリーな勝負プレイヤー(スペース攻略)を創りだしていたんだよ。
とにかく前半では・・
ルキアンの先制ゴール以外の、全体的なゲームの流れ(勝負の流れ)では、完璧に、レッズがイニシアチブを握りつづけたんだ。
それでも・・
そんな前半のゲームのリズムが、ゴールによって(!?)、タガが外れたように、両チームによる、闘う意志の激突ってな感じに、盛り上がっていったんだ。
あっと、最後に、このゲームで二つのゴールを決めた、サミュエル・グスタフソン。
彼の、ゲーム&チャンスメイクだけれど・・
とにかく、このコラムのテーマである、人とボールの動きの「加速装置」として、抜群の機能性を発揮しつづけたよね。
そして、ゴールまで決めた。
チームメイトたちが、常に、彼を探し、そこへボールを預ける。
・・たのむぜ、サミュエル・・
・・ってな感じ。
たぶん彼は、アメリカでのクラブワールドカップでも、存在感を発揮してくれるでしょ。
いまから楽しみだよ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-
"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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