湯浅健二の「J」ワンポイント
2025年Jリーグの各ラウンドレビュー
第19節(2025年5月31日、土曜日)
素晴らしく美しい、リーグ実力トップの両雄が魅せたスーパー勝負マッチ・・だから、勝負がついてしまったコトを冷静に受け止めるのに、少しエネルギーが必要だった・・へへっ・・(サンフレッチェvsフロンターレ、1-2)
矛vs盾・・!?
ダゾンで、この試合を、そんな「イメージ的なゲームの構図」で表現していた。
失点最小のサンフレッチェが、ゴール最多のフロンターレを、ホームに迎えたんだけれど・・
だから・・!?
そんなイメージ的構図(キャッチフレーズ!?)でゲームを表現したらしい。
でもサ・・
そんなコトしたら、一般視聴者のなかには・・
「守備的なチームvs攻撃的なチームか!?」ってな感じで、勘違いしちゃう方々もいる!?
まあ、そんなコトはないだろうけれど・・
とにかく、わたしも、観られていた皆さん同様に・・
とてもハイレベルに「攻守のバランスが執れた」、リーグ実力トップの両雄が、レベルを超えた「せめぎ合い」を披露したって理解していた。
それは、観ているこちらが、時間の経過をわすれるほどに、高尚な勝負マッチだったんだよ。
まあ、たしかに、ミヒャエル広島サンフレッチェは、惜敗を喫してしまったけれど・・
それでも彼らが、まさにリーグ実力トップの、美しく勝とうとする「高尚サッカー」を披露したコトは、確かな事実だった。
まあ、たしかに・・
ミヒャエル・スキッベを応援している筆者だから、「あの」フロンターレの決勝ゴールには、フリーズさせられたわけだけれど・・サ。
さて〜〜・・
ということで、このスーパーに美しかった勝負マッチからは、数日前の(変則22節レッズ対セレッソ戦)と同じように、選手交代をテーマとして抜き出そうかな。
とにかく・・
前半のサンフレッチェは、内容的に、フロンターレの後塵を拝しつづけたんだよ。
あんなに優れたサッカーを魅せるサンフレッチェが・・だよ。
まあ、その背景には、前半の先発メンバーのなかに、(この日については!?)ミスキャストがあったっちゅうコトかな。
そしてミヒャエルは、後半の立ち上がりから、菅大輝と中村草太を投入するという決断をした。
そして、その効果は抜群だった。
ミヒャエル広島サンフレッチェは、前半のサッカーが「ウソ」のように、躍動しはじめるんだ。
ボール奪取プロセス(守備)でも、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)においても・・
まあ、その内実を、細かく表現しようとは思わないけれど・・
とにかく、彼らの「イニシアチブの高揚」は・・
攻守にわたって、ボールがないところでのアクションの量と質が、何倍にも増幅したって感じられるほどだった。
そして、イニシアチブを握るサンフレッチェが、そのポジティブな「流れ」に乗って、同点ゴールを流し込むんだよ。
そう、ギリギリのタイミングで、オフサイドに掛からず、決定的スペースへ抜け出した荒木隼人。
その瞬間、わたしも、フリーズし、次の瞬間、ガッツボーズまで握っていた。
皆さんもご存じのように、わたしは、優れたプロコーチ、長谷部茂利も、支持している。
そんなこともあって!?
このレベルを超えて美しい勝負マッチは、決着するべきじゃない・・なんて、ナイーブにも、感じていたんだよ。
でも、フロンターレが、90分、コーナーキックから、決勝の勝ち越しゴールをブチ込んじゃう。
まあ、仕方ない。
このコラムで言いたかったコトは・・
主体的に「仕事(攻守ハードワーク)」を探せないプレイヤーは、やっぱり、チームのお荷物になってしまうっていう、厳しい現実を、見つめ直さなきゃいけないっちゅうコトさ。
もちろん・・
この試合での「お荷物」は、次の試合では、スーパーヒーローになるかもしれない。
そう、そんな現象もまた、不確実なファクターが山積みのプロサッカーが秘める、社会的な存在意義なのかもしれない。
変化こそ常態・・
諸行無常・・
そんな、人間社会の、普遍的なフィロソフィーね。
とにかく、ミヒャエルには、引きつづき、頑張ってもらいたい。
シーズンは、これからも、つづく。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-
"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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