湯浅健二の「J」ワンポイント


2025年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第18節(2025年5月25日、日曜日)

 

「あの」マリノスが、リーグ順位のビリにいるなんて・・まったく、そぐわない・・まあ、彼らの反攻は、ここからっちゅうコトなんだろうね・・(マリノスvsアントラーズ、3-1)

 

面白かったネ〜〜、意地のぶつかり合い。

オリジナル10同士の闘い・・

それも、リーグランキングのトップ対ボトムだぜ。

また、何といっても・・

そう、そこにゃ、7連勝チームvs7連敗チームってなゲームの事前イメージ構図だって、ある。

すこし迷ったけれど、やっぱり、そんなエキサイティングな「バックボーン」に彩られた勝負マッチに、惹かれた。

そして、実際に・・

そう、あろうことか・・

ゲームが、ものすごくエキサイティングに「盛り上がって」いっちゃうんだ。

ボトムの(ホームの)マリノスが、3点をブチ込んでリードしちゃうんだよ。

前半4分、サイドからの崩しから、アンデルソン・ロペスが「個のチカラ」でシュートまで持ち込む。

でも、そのシュートは、舩橋佑に弾かれてしまう。

ただ、そのこぼれ球が、後方から攻め上がっていた永戸勝也の足許へ・・

ものすごい、ダイレクトでのミドル弾だった。

先制ゴール。

そして、その後は・・

そう、マリノス、ヤン・マテウスの「魔法の左足」が光り輝き、追加ゴール&3点目をゲットしちゃう。

チト、ビックリしたけれど、サッカーじゃ、そんなコトは日常茶飯事だからネ。

そんな大量リードを奪ったマリノスだけれど、実は、このところ・・

新監督を迎えたにもかかわらず、結果を出せず、前述したように、連敗がつづいてしまっていたんだ。

そんな、ジリ貧のマリノスだったけれど、それでも私は・・

彼らのサッカー自体は、前節のヴィッセル戦もそうだったけれど、徐々に持ち直しているって感じていたんだよ。

だから、リーグ首位のアントラーズに対して、オリジナル10の意地も含めて、マリノスが、どんなサッカーを魅せるのか、興味をそそられたわけサ。

そして実際にマリノスは・・

まさに、そんな期待に違わない、とても高質な組織サッカーを、攻守にわたって魅せたんだ。

まず何といっても、その、積極的&攻撃的ボール奪取プロセス(守備)。

誰もサボらず、常に、チームメイトの「ボール絡みデュエルを」をベースに、しっかりと、次のボール奪取勝負を「イメージング」しているんだよ。

そう、サポート、カバーリング、インターセプト、集中プレス・・等など・・ネ。

マリノスは、最後の最後まで、そんな「有機的な組織ディフェンス」を、素晴らしいレベルで、機能させつづけていたんだ。

それも・・

そう、大量リードを奪われた、リーグトップに君臨するアントラーズに対してね。

そんなアントラーズが、もう、脇目も振らずに、全力のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)をブチかましてきたことは、言うまでもない。

でも、マリノスのボール奪取プロセス(守備)は、まったく動ぜず、立派な「組織プレー」をブチかましつづけたんだ。

そう、とてもハイレベルな、主体性プレーの積み重ね。

そんな主体性が前面に押し出されたディフェンスだったからこそ・・

次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、ボールがないところでのアクションの量と質が、高揚しつづけるんだよ。

ところで、監督の「心理マネージメント」。

選手たちは、脅したって、スカしたって、決して、自分たちの「限界を超える」ような闘いは、魅せられない。

とにかく、自分に「勝つ」ことが大前提の「超越ダイナミズム」は・・

選手たち自身が、自ら(主体的に)、コレをやりたい、こうありたいって切望し・・

自ら、強い意志をもって、リスクにチャレンジしなきゃ、決して生み出すことは、できない。

足を使うことで不確実なサッカーは、基本的に、自由なボールゲームというわけだ。

そう、(選手たちによる)意志のボールゲームね。

だからこそ監督は、選手たちを、覚醒させなきゃいけない。

あくまでも、彼らの「自覚と意志」を絶対ベースにしてね。

マリノス新任監督、パトリック・キスノーボは、前述した「心理マネージャー」としても、良い仕事をしているって感じるよ。

少なくとも、チームマネージメント哲学の「基本路線」は、正しいと思うわけさ。

まあ、「あの」マリノスが、リーグ順位のビリにいるなんて・・

そう、まったく、そぐわない。

まあ、マリノスの反攻は、ここからっちゅうコトなんだろうね。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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