湯浅健二の「J」ワンポイント


2025年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第12節(2025年4月25日、金曜日)

 

実力伯仲の、最高レベルの二つのチームが、究極レベルのフィールドでぶつかり合った勝負マッチ・・堪能した・・(レッズvsサンフレッチェ、1-0)

 

両チームが、死力を尽くした、素晴らしくエキサイティングな勝負マッチ。

両チームの総合力は、もちろん、リーグトップクラスだよね。

そんな、フォーム(物理的、メンタル的、戦術的なチカラの総体)が、素晴らしくハイレベルに拮抗した強豪同士の、まさに全力を出し切った死闘だったっちゅうわけだ。

両チームの、組織としてのチカラは、甲乙つけがたい。

だからこそ・・

そんなゲームでは、「個のチカラ」が雌雄を分けるコトが多いんだよ。

そう、松尾佑介、金子拓郎、渡邊凌磨、そして、マテウス・サヴィオ・・

そして、このゲームでも・・

やっと、ホントにやっと、攻守にわたって(!!)並外れた実力を魅せつける活躍を魅せはじめた、マテウス・サヴィオが、一人で、勝負を決めてしまうんだ。

まず、セットプレー崩れの「こぼれ球」を、全力スプリントでチェイス&チェックし(寄せ)、そのままボールを奪い返してしまうんだ。

そして、その直後から、もう「確信」のドリブルをスタートしちゃう。

そこじゃ・・

全力チェイスで追いすがる相手を、巧みに、そしてパワフルに「振り切って」しまうんだ。

そして、そんなドリブル勝負から、ズバッと、このコースしかない(!!)という、斜めのスルーパスを、金子拓郎に、通してしまうんだよ。

そこまでで、鳥肌が立った。

もちろん、決勝ゴールをブチ込んだ金子拓郎も・・

セットプレーの守備で、自ゴール前まで戻っていた彼は、マテウス・サヴィオが、ドリブルで抜け出すのと同時に、フルスパリントで、中央ゾーンを、駆け上がっていた。

そして、そのまま、まったく走るスピードを落とすことなく、決定的スペースへ、フリーランニングで、走り抜けたんだ。

そこへ、前述した、勝負のスルーパスが、通ったんだ。

そのコンビネーションプレーは、まさに、想像を超えるほどのインパクトを、残した。

もちろん、そこからの金子拓郎が魅せた、最高レベルのトラップとワザありシュートは、素晴らしいの一言だったけれど・・

でもやっぱり、ここでは・・

マテウス・サヴィオの、ボール奪取と、スーパー「タテへブッちぎるドリブル」からの勝負スルーパスという「個の勝負プレー」に、注目したいのさ。

もちろん、「その流れ」に、全力で(!!)乗り切った金子拓郎の全力フリーランニングが、見事に成就したコトへの感動は、しっかり共有しているけれど・・さ。

わたしは、これまで、ホント、数え切れないほど、「天才による個人プレーの奇跡」を体感しつづけている。

1FC. Köln時代では、ヴォルフガン・オベラート、ハインツ・フローエ、ヘルベルト・ノイマン、ディーター・ミュラー・・

はたまた、ディエゴ・マラドーナを筆頭に、その他の、ゲームの雌雄を決してしまう、世紀の天才プレーを、実際に、グラウンド上で体感しつづけているんだ。

そして、今日・・

マテウス・サヴィオのドリブル突破&ラストクロスに、これまでの、あまたの、「天才による奇跡の勝負プレー」が、彷彿としてよみがえったモノさ。

あっと・・

まあ、このコラムでは、両チームの、攻守にわたる「死闘コンテンツ」について、細かくピックするのは、止めにしよう。

とにかく、両チームともに・・

ボール奪取プロセス(守備)においても、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも・・

「気」を減退させることなく、限界まで「主体性プレーの内実」を、高揚させていったんだ。

まさに、見応えがハンパない、勝負マッチだったのさ。

あ〜〜、面白かった。

まあ、両チームの伯仲する最高レベルのチカラが、最高レベルのフィールドでぶつかり合った勝負マッチだったわけで・・

もう、これ以上、形容する表現は、見当たらないよな〜。

ということで、また〜・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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