湯浅健二の「J」ワンポイント
2025年Jリーグの各ラウンドレビュー
第11節(2025年4月20日、日曜日)
これからの、レッズの「再生プロセス」が、楽しみで仕方なくなっている・・(レッズvsマリノス、3-1)
たしかに、最後の時間帯では、「落ち着き」を失ったレッズだったけれど・・
でも、このコラムでは・・
スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)という視点で、レッズを、語ろうかな。
スペースを攻略していく(シュート&ゴール機会を創りだす!)プロセスを、できるかぎり詳しく深掘りしようと思ったんだよ。
この試合・・
たしかに、イニシアチブでは、互角に近かったけれど・・
それでも、シュート&ゴール機会を創りだすという視点じゃ、やっぱり、レッズに、一日の長があると感じていた筆者だったのです。
スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)・・
その実際のプロセスは、ものすごく多様。
それが、サッカーでは「同じプレーは二度とない」と言われる、所以っちゅうわけだ。
でも、まあ、ここじゃ、レッズのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)における、「強みのバックボーン」を探ってみることにします。
まず何といっても・・
そう、個のチカラ(才能レベル)。
レッズの前戦には、松尾佑介、渡邊凌磨、マテウス・サヴィオ、金子拓郎といった「並外れた才能」が、揃っている。
そして、その前戦の後方には・・
攻守ハードワークを探しまくるってな、主体性プレーの権化、安居海渡が控えているだけじゃなく・・
そのボランチパートナーは、言わずもがなの、素晴らしいゲーム(チャンス)メイカー、サミュエル・グスタフソンだよ。
また、攻撃となったら、両サイドバック(この試合でも、石原宏和と長沼洋一は、素晴らしいプレーを披露した!!)も、積極的に、前戦の味方を「追い抜いていく」んだよ(前戦のサポートね)。
今の」レッズ攻撃のキーポイント・・
それは、「個の才能レベル」だけじゃなく、何といっても「動き」の内実にありなんだ。
そう、組織プレーでの、互いのプレーイメージが、とても高質に「シンクロ」しているんだよ。
とにかく、(サミュエルを中心に!?)人とボールを、活発&創造的に動かしつづける。
そこで大事なポイントは、何といっても、その「動きのイメージング」を、チームメイトが、明確に「シェア」できているかどうかという視点だよね。
そんな、「イメージング・シンクロ」があるからこそ・・
ボールがないところでのアクションの量と質が、大きく高揚させられ、より効果的に、スペースを攻略できているっちゅうわけだ。
そして・・
そう、スペースを攻略したら(ある程度フリーなボールホルダーを創り出せたら)・・
そこから、個のドリブル勝負や、そのドリブルに合わせて、決定的フリーランニングをブチかます味方への「ラスト・パス」を通しちゃったりする。
また、前述した「リンケージした動き」の一環だけれど・・
「ワンツー」を積み重ねることで、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション「も」、これ以上ないほどハイレベルに、機能させられるんだ。
そして・・
そんな「組織プレーのイメージング」を、うまく機能(シンクロ)させられているからこそ・・
サイドゾーンのスペースも攻略できるし、そこからの(タテへの突破やセンターゾーンへ切れ込んで行く)勝負ドリブル、決定的クロス、はたまたシュートなど・・
そんな変化に富んだ「最終勝負」を、より効果的に、ブチかましていける。
あっと・・
この、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)を扱ううえで、もっとも大事なポイントが・・
そう、積極的&攻撃的なボール奪取プロセス(守備)なんだよ。
もちろん、強烈な意志という視点も含めた「プレー姿勢」のコトね。
そんな、強烈な意志があるからこそ・・
レッズ選手たちは、一人の例外なく、しっかりと主体的に、仕事(=攻守ハードワーク)を探しまくれるっちゅうわけだ。
そして・・
そんな「主体的なプレー姿勢」の「勢い」を象徴するのが、ボールを奪われた次の瞬間からブチかます、チェイス&チェック(寄せ)というわけさ。
中盤は、言うに及ばず、最前線プレイヤーたちも、例外なく、しっかりとボールを追う。
そこでは・・
言うまでもなく、最前線プレイヤーの「入れ替え」が、ものすごく大事なバックボーンだった。
最前線からのチェイス&チェック(寄せ)をサボったら、そりゃ、チーム全体の、ボール奪取プロセス(守備)の勢いだけじゃなく、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)での、ボールがないところでのアクションの量と質だって、高揚させられない。
それら全ては、一つの「糸」で、結びついているんだよ。
とにかく・・
マチェイ・スコルジャの「決断」こそが、この3試合での、抜群の「フォーム改善」の、絶対的バックボーンだったと高く評価するに、まったく躊躇しませんよ。
それにしても・・
そう、このゲームでの、最後の時間帯における「落ち着きのなさ」については、反省するファクター満載だぜ。
まあ、これからの、レッズの「再生プロセス」が、いまから、楽しみで仕方ありません。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-
"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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