湯浅健二の「J」ワンポイント
		
		
		
		
			 2024年Jリーグの各ラウンドレビュー 2024年Jリーグの各ラウンドレビュー
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					 第17節(2024年6月1日、土曜日) 第17節(2024年6月1日、土曜日)-   
 ゲームを観ながら、サッカーが、究極の「心理ボールゲーム」であるという事実を、噛みしめていた・・そう、前後半サッカー内容の、大きな変容ね・・(レッズvsヴィッセル、1-1) ゲームを観ながら、サッカーが、究極の「心理ボールゲーム」であるという事実を、噛みしめていた・・そう、前後半サッカー内容の、大きな変容ね・・(レッズvsヴィッセル、1-1)  -   
 レビュー レビュー
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- フム〜・・
 
 ということで・・
 
 両チームが創りだしたゴール機会の量と質を、鑑みれば・・
 
 前後半サッカー内容の大変容というグラウンド上の現象も含めて、ホームのレッズに、悔しさは、残るだろうね。
 
 ところで・・
 
 このコラムでピックするテーマだけれど・・
 
 その骨子は、サッカーが、究極の「心理ボールゲーム」だという視座にしたい。
 
 イレギュラーするボールを「足」で扱うサッカー・・
 
 だから、瞬間的に、状況が変化してしまう・・
 
 そして、だからこそプレイヤーは・・
 
 勇気をもって、積極的&攻撃的に(主体的に!!)プレーできなきゃ、いけないんだよ。
 
 でも、前半のレッズは・・
 
 選手たちが、まったくといっていいほど、リスクにチャレンジしていかなかった。
 
 そこでの「心理的メカニズム」が、サッカーを理解するうえで、とても大事になってくるんだ。
 
 要は、「失敗したくない・・」とか、「無駄にエネルギーを使いたくない・・」などといった、ネガティブな心理こそが、「悪い流れ」の元凶っちゅうわけだ。
 
 たとえば・・
 
 ボールを奪い返し、最前線へのタテパスが通った状況。
 
 もちろん、その前戦のボールホルダーは、後方からのサポートを、必要とする。
 
 でも、「そこ」へ駆けつけるためには、リスクを冒す「覚悟」が必要になるんだよ。
 
 場合によっては、同じ距離を、フルスプリントで戻らなくちゃいけなくなるかもしれないわけだからね。
 
 前半のレッズ選手たちは、そんな、積極的&攻撃的なプレー姿勢という視点で、完璧に、「アナタ任せ」になっていたんだ。
 
 そして、サポートの機能性が、地に落ちてしまった。
 
 そりゃ、ヴィッセルに試合の流れを牛耳られてしまうのも道理さ。
 
 でも、後半は・・
 
 そう、中島翔哉とサムエル・グスタフソンの登場で、チームの、「ネガティブ心理」が、大きく好転するんだよ。
 
 そうなんだよ・・
 
 この、揺動する(!)心理メカニズムこそが、サッカーを理解するうえで、キーになるというわけだ。
 
 その、後半アタマからの選手交代。
 
 たしかに・・
 
 中盤で、ボール奪取プロセス(守備)に奔走し、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では、とてもスマートなゲームメイクをするサムエル・グスタフソンも、良かったけれど・・
 
 でも、何といっても、中島翔哉がブチかましつづけた「仕掛けプレー」が秀逸だったんだ。
 
 それこそが、チームメイトたちに「勇気」をもたらしたっちゅうわけだ。
 
 中島翔哉については、昨日の、サガン鳥栖vsFC東京マッチのコラムでも、短く、言及した。
 
 そのコラムの骨子は・・
 
 昨今の「J」では、攻守にわたる「組織プレ−」の内実が、大きく進化している・・
 
 特に、ボール奪取プロセス(守備)でのイメージングが、進化&深化をつづけているんだ。
 
 だから、人とボールを動かすだけでは、そう簡単に、スペースを攻略していけない・・
 
 だからこそ、「個のドリブル勝負」や、ワンツーを積み重ねる、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションを・・
 
 フッ切れたマインドで、ブチかませなければ、ウラの決定的スペースを攻略できない・・
 
 そんなコラム内容にしたのは・・
 
 FC東京の「俵積田晃太」と、サガン鳥栖の「横山歩夢」という、突貫小僧がブチかます、とても危険なドリブル勝負という「仕掛けの変化」に、大きく触発されたからだった。
 
 とにかく、この二人の突貫小僧ドリブルは、素晴らしかったんだよ。
 
 そして、だからこそ・・
 
 なんらかの「戦術的な呪縛」に苛まれているレッズのコトが、アタマに浮かんだというわけだ。
 
 新加入の、オラ・ソルバッケンにしても・・
 
 前半は、まさに「縮こまった安全プレー」に終始していたのが・・
 
 後半になって、中島翔哉という「レベルを超えた刺激」に突き動かされるように、彼自身も「解放されたプレー」ができるようになった。
 
 彼のポテンシャルの高さは、わたしも、欧州経由で、聞いている。
 
 まあ、楽しみだね。
 
 ということで、このゲームのテーマは、「心理状態」によって、プレー内容に、まさに「雲泥の差」が出てしまう・・っちゅうポイントだった。
 
 あっと、もう一つ・・
 
 ツキに見放され才能プレイヤー・・という視点。
 
 彼は、チームの雰囲気が「ネガティブ・マインド」だったら、決して良いプレーなんて出来ない。
 
 そう、サッカーは、さまざまなパーソナリティが「有機的」につながっている集合体なんだからね。
 
 わたしは、とても多くの「才能」が、そんな不運で、消えていったコトを、知っている。
 
 だからこそ、このゲームのように、一人「だけ」でも、チームの雰囲気を「逆流」させられるプレイヤーがいることの価値は、限りなく、大きいっちゅうわけだ。
 
 その選手は、サッカーを、まったく別物に変容させられるんだよ。
 
 そのコトが言いたかった。
 
 このテーマについては、「The Core Column」で発表した、このコラムも、ご参照あれ。
 
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 最後に「告知」です。
 
 どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
 
 一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
 
 
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
 
 自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
 
 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
 
 もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
 
 
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは- "Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。 "Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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