湯浅健二の「J」ワンポイント


2023年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第18節(2023年6月25日、日曜日)

 

それでも・・長谷部茂利アビスパが、次につながる美しい質実剛健サッカーを魅せたというのは、確かな事実だった・・(アビスパvsヴィッセル、0-3)

 

え〜〜っ!?

ホントかよ・・

後半15分、武藤嘉紀の追加ゴールが決まったとき、そんな頓狂な声が出た。

その失点で、ヴィッセルの2点リードってなコトになってしまったけれど・・

そこまでのゲーム展開では・・

優れたプロコーチ、長谷部茂利に率いられたアビスパ福岡が、ゲーム全体を支配しつづけていたんだよ。

それも、ボール奪取プロセス(守備)における、忠実で強烈な「寄せベース」の、どちらかといったら「チカラ業」のゲーム支配(結果だけを追求する!?)じゃなく・・

あくまでも、とても次元の高い、攻守にわたる「主体性プレー」の積み重ねで、「質の高い」ゲーム支配を魅せていたんだ。

ところで、その寄せ(チェイス&チェック)だけれど・・

以前、J2町田ゼルビアの「寄せ・命」的な、結果「だけ」を追い求める(!?)超絶の「徹底サッカー」と対比するような、長谷部茂利さんに、チト失礼な表現をしてしまったコトを覚えている。

たしか、その試合は、14節のホーム、レッズ戦だったと思う。

そのときは、たしかに、「徹底サッカー」ってな傾向が目立っていたって記憶する。

でも、このゲームでの長谷部茂利アビスパは、まったく違ったサッカーを魅せつけたんだ。

相手が、「あの」強いヴィッセルだからネ、そこで彼らが魅せつづけた、とてもハイクオリティな、美しい質実剛健サッカーは、称賛に値する。

だから私も、ゲームを追いながら、どんどんアビスパに肩入れするようになっていった。

それが・・

そう、前半では、あり得ないバックパスミスを、「あの」大迫勇也に、「まさに才能!!」ってな感じで、武藤嘉紀との「イメージング・シンクロ」に活用されてしまった。

また後半の追加ゴールシーンでは、久しぶりにアビスパのゴール前まで迫ったヴィッセルが、最後にボールを拾った武藤嘉紀が、素晴らしい才能シュートを決めちゃった。

そして・・

そう、その(ワンチャンスってな感じの!)追加ゴールから、ヴィッセルの「サッカーの量と質」が大きく向上しはじめたんだ。

その原動力は、言わずもがなの、ボール奪取プロセス(守備)。

そこでは、まずチェイス&チェック(寄せ)の勢いが倍増したって感じた。

それに伴って、マーキング、カバーリング、協力プレスへの集散といった守備ファクターも、着実にアップしていったんだ。

その「変化」は、とても興味深く、わたしはソレを、ホンモノの心理ゲームであるサッカーの面目躍如だ・・なんて感じていたモノさ。

そして・・

試合イニシアチブの「握り直し」がうまく機能しはじめたヴィッセル・・

今度は、組織的にアビスパ守備ブロックを崩し切り、右サイドの深いゾーンから、飯野七聖が、素晴らしいクロスボールを送り込むんだよ。

フィニッシャーは、逆サイドゾーンから、相手マーカーの「視線を盗んで」フリーで走り込んだ武藤嘉紀だった。

これで、0-3。

フ〜〜ッ・・

またまた、ため息が出た。

長谷部茂利アビスパは、あんなに良いサッカーを魅せていたのに、最後は、このスコアでのホーム敗戦か〜・・

たしかに、いまのヴィッセルでは、武藤嘉紀も、ダゾン試合後インタビューで言っていたように、前線の「才能」連中のなかに、確たる「相互信頼」が確立していると感じるよね。

だからこそ、「組織」がうまく回り、だからこそ、「個の才能」も、最高のカタチで活かされる。

まあ、そういうコトなんだろうけれど・・

でも、このゲームで、長谷部茂利アビスパが魅せつづけたハイレベルなサッカーだったら・・

・・もっと、結果に「反映」されてもいいんじゃありませんか・・

・・ね〜、神様・・

あっと、失礼。

とにかく、長谷部茂利アビスパが、素晴らしいサッカーを魅せたというのは、確かな事実。

それは、着実に、次、その次に、つながる。

そのコトが、言いたかった。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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