湯浅健二の「J」ワンポイント


2021年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第20節(2021年6月27日、日曜日)

 

いまの(クラブマネージメントも含む)リカルド浦和レッズからは、サッカー内容も含めて、限りない「発展(進化&深化)オーラ」が放散されつづけていると感じる・・(レッズvsアビスパ、2-0)

 

レビュー
 
ホント、良くトレーニングされたチームだ・・

アビスパ福岡。

いまの彼らのリーグ成績は、まさに、順当に勝ち取ったモノだね(まあ、ここ数試合は幸運に見放されてはいるけれど・・)。

それは、ストロングハンド(優れた心理マネージャー!?)長谷部茂利が、とても優秀なプロコーチということの証明でもある。

聞くところによると、彼は、選手たちからも敬愛されているということだし、チーム内の雰囲気も(彼の心理マネージメントによって!?)プロとして、とても進歩的だという評判だね。

ところで・・

どうして長谷部茂利が、優れたプロコーチだと強調したかったのか・・

それは、アビスパ選手たちが、攻守ハードワークとリスクチャレンジを積極的に「探しまくる」ってな、主体性プレーを魅せつづけているからに他ならない。

サッカーの局面プレーでは、同じコト(物理的な現象)は二度と起きない・・

もちろん、そこでの「物理的な現象」の絶対バックボーンである「意識と意志とイメージングの内実」には普遍性はあるけれど・・

そう・・

だからこそ、積極的&攻撃的な「主体性プレー」こそが、サッカーにおける「普遍性」のホンモノの象徴っちゅうコトなんだ。

何か、分かりにくい!?

う〜ん・・

例えば、システムと呼ばれる「数のお遊び」。

もし選手たちの「攻守イメージング」が、そんな「カタチ」に強く影響されている場合、効果的なボール奪取プロセス(守備)なんて期待できない。

そうではなく・・

選手たちは、攻守の「目的」を強く意識するなかで、常に臨機応変に、「いま何がイチバン大事か・・」ってなコトを考えながら、攻守プレーを「イメージング」するのだよ。

そこじゃ、テメ〜の基本ポジション(戦術システム的なタスク)なんか、関係ない。

守備では・・

相手からボールを奪い返すために、「いま」何をするのがイチバン大事か・・を考えつづけるんだ。

また攻撃じゃ・・

スペースを攻略しシュートを打つために、いま(特にボールがないところで!)何をするのがイチバン大事か・・考えつづける。

そう・・

守備における「ゴールを守る」こと、また攻撃における「ゴールを挙げる」ことは、単なる結果にしか過ぎないんだよ。

えっ!?

もっと分かりにくくなった!?

フ〜〜ッ・・スミマセンね・・

この、サッカー根源メカニズムについての持論の解説については、また機会を改めてトライすることにします。

あっと・・ゲーム・・

言いたかったのは・・

両チームともに、攻守にわたって、そんな「主体性プレー」をブチかまし合った・・っちゅうコトなんです。

両チームともに・・

・・最前線プレイヤーが自軍ゴール前まで全力で戻ってディフェンスをしていたり・・

・・両サイドバックが、決定的な仕掛けプロセスに、最後まで絡んでいったり・・

・・それでも、次の組織ボール奪取プロセスに支障をきたすことがなかったり・・

・・などなど。

それも、これも、選手たちが、攻守の仕事を、主体的に「探しまくっている」っちゅうことの証左なんだよ。

ということで、このゲームは・・

両チーム監督さんの、「発想クオリティーとマネージメント能力の高さ」を、とてもクリアに証明する内容だった・・っちゅうことですかね。

まあ、とはいっても・・

そう、ボール奪取プロセス(守備)の内実にしても、攻撃での「スペース攻略」の量と質にしても、やはり、レッズに一日の長があったのは、確かな事実だった・・ですかね。

その、リカルド浦和レッズ・・

この試合でも、(古株は除いて!)伊藤敦樹、明本考浩、そして何といっても小泉佳穂といった今シーズンの新顔連中が、攻守にわたって、群を抜くパフォーマンスを魅せつづけた。

あっと、それだけじゃなく・・

交替出場した「古株」、汰木康也にしても、その後に交替出場してきた他の「古株」連中にしても・・

彼らのパフォーマンスが(いや・・プレー姿勢といった方が正確かな!?)、それが、とても積極的、攻撃的になっているというテーマもある。

そう、彼らは、「新顔」連中のパフォーマンスに刺激され、「意識と意志とイメージング」の内実が、着実にアップしつづけているって感じるんだよ。

前回コラムでも書いたけれど、これから、(来シーズンのACLをイメージして獲得した!?)名だたる新戦力が参加してくる。

そのコトも、「古株連中」を刺激しまくるんだろうね。

まあ、プロの世界だから仕方ないけれど、リカルド浦和レッズの場合は、そんな「競争」のなかで、ホンモノの「フェアな切磋琢磨プロセス」が機能するって期待できる。

もちろん、リカルド・ロドリゲスの戦術(チーム発展)アイデアを絶対ベースにしてね。

とにかく・・

いまの(クラブマネージメントも含む)リカルド浦和レッズからは、そのサッカー内容も含めて、限りない「発展(進化&深化)オーラ」が放散されつづけているって感じるんだよ。

今日の、「強いアビスパ」と対峙した、リカルド浦和レッズの「立派なサッカー」を観ながら、そんなコトに「も」思いを馳せていた筆者だったのであ〜る。

へへっ・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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