湯浅健二の「J」ワンポイント


2019年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第7節(2019年4月15日、月曜日)

 

たしかに、徐々に良くなっているレッズ・・(ガンバvsレッズ、0-1)

 

レビュー
 
まずダゾン中継から・・

この試合でのカメラワークは、とても、よかったですよ。

ボールがないところでの攻防まで、しっかりと視認できた。

だから、ダゾン観戦が、とても楽しかった。

もちろん、それには・・

そう、レッズが、最後の最後で粘り勝ちを収めたこともあるけれど・・サ。

ということで、良くなっているレッズ・・

このテーマについては、まだ途上にあるということで(!?)微妙なニュアンスが伴うよね。

わたしは、レッズが、ガンガンと「前からプレス守備」をブチかましながらゲームの主導権を握り、そしてしっかりと勝ち切るようなサッカーを期待しているわけだからね。

でも・・

そう、まだまだ本調子ではないレッズのことだから、「そこ」へ向けたポジティブなベクトルに乗るために、まず何といっても、ステディーなサッカーから入っていくのが正解だと思うわけさ。

そう、オズワルドが意図しているようにね。

その、ステディーな(安定した!?)サッカー・・

言わずもがなだけれど、そのベースは、ブロック守備にあり・・っちゅうことだね。

そのブロック守備による「落ち着き」を基盤に、状況を見極めながら、徐々に、攻撃へ参加していく人数を調整するんだ(できるかぎり多くの人数を掛けるイメージ!)。

サッカーの理想型は、攻守にわたって、常に「数的に優位な状況」を演出しつづけること。

そのために、ポジショニングバランスやタスクイメージの調整といったチーム戦術的なアレンジを行っていくのさ。

あっと・・ステディーなサッカー・・

良くなっていくプロセスとしての「安定サッカー」だけれど、もちろん、落ち着き「過ぎる」雰囲気にチームが支配されちゃったら、元も子もない。

そうなったら、選手たちが「静」のサッカーに逃げ込むことで、チームとして、心理的な悪魔のサイクルに陥っちゃうのがオチ。

そうならないために・・

選手たちの「闘う意志」だけは、しっかりと高揚させなきゃいけないわけさ。

そんな、ホンモノの「闘う意志」・・

それは、後半での絶対的ピンチを、槙野智章やマウリシオが身体で防いだシーン(最後の半歩が出るディフェンス!!)に凝縮されていたと思う。

また、ゲーム全体を通しても、流れのなかで、しっかりと「人数をかけて」押し上げるなど、その「意志」の強固さを証明していたよね。

だから・・

ガンバに攻め込まれるシーンがつづいても、しっかりと押し返せていたんだよ。

でもレッズは・・やっぱり、まだ本調子じゃない・・

それが、「良くなっている途上トレンドに、微妙なニュアンスが伴う」って書いた背景なんだ。

具体的には・・

例えば、ブロック守備でボールを奪い返した後の「次の攻撃の勢い」が、まだまだ不安定(チト心配しすぎの雰囲気!?)だと感じられること。

たしかに人数をかけて押し上げていくけれど、そこでの人とボールの動きが、まだまだぎこちないし、「エイヤッ!!」の爆発フリーランニングも少ない。

例えば、ブロック守備と「前からプレス守備」を、自分たち主体で、ダイナミックに「使い分けられていない」っちゅう視点もある。

また、例えば、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションや、3人目、4人目の(決定的スペースへ抜け出していく!)フリーランニングの「勢い」が足りない等の視点もある。

でも、前述した、「ステディーなベクトル」を基調に、攻守ハードワークとリスクチャレンジの内実をアップさせていけば、必ず、本来のレッズの攻撃(積極)サッカーが甦ってくるはず。

だって・・

このゲームでも選手たち自身が如実に証明していたように、そこには、しっかりとした「闘う意志」が伴っているわけだから。

そのことについては、まったく疑問の余地はない・・と確信している筆者なのです。

ということで、締め・・

不確実な要素が満載のサッカーは、本物の「意志のボールゲーム」。

そう、「意志さえあれば、おのずと道は見えてくる・・」んだよ。

とにかく、オズワルド・オリヴェイラが、とても良い仕事をしていることは確かな事実だと思うよ。

さて次は、ホームでの、外国人スター軍団との対峙。

いまから楽しみじゃありませんか。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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