湯浅健二の「J」ワンポイント


2019年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第19節(2019年7月14日、日曜日)

 

「あの」フロンターレが、覚悟のゲーム戦術をもって試合に臨んだ!?・・またFC東京は、まんまと、そのワナに「はめ込まれて」しまった!?・・(FC東京vsフロンターレ、0-3)

 

レビュー
 
タイムアップ・・

そのとき、フロンターレ選手たちが、(いつも以上に!?)リキが入った(!?)ガッツボーズで、喜びを表現していた。

そんな彼らを見ながら、「ナルホド〜・・」なんて思っていた。

このゲームの「展開コンテンツ」だけれど、それは、たぶん・・

・・勝たなければならないフロンターレは、さまざまな意味を内包する「覚悟」をもってゲームに臨んだ・・

・・そのことは・・

・・先発メンバーだけじゃなく、会見での鬼木達さんのコメントなどからも、その「覚悟」の内実が、何となく見えてきたモノさ・・

・・そう・・

・・「まず」彼らは、FC東京の強みを「抑える」という覚悟をもってゲームに入っていった・・

・・そして、そのゲーム戦術がうまく機能していると感じられはじめた頃から、徐々に、より積極的に、自分たちのサッカーを前面に押し出していった(鬼木達さんの表現!)・・

・・たしかにFC東京は、スピーディーで強力なスリートップが、(フロンターレのプラン通りに!?)うまく抑えられていたよね・・

・・また、攻守の要(かなめ)であるリンクマン高萩洋次郎も、中盤の高い位置から、かなり積極的に抑えられていたことで、日頃のパフォーマンスは出せていない・・

・・そして徐々に、自分たちのサッカーを表現できるようになったことで自信を深めたフロンターレが、一発セットプレーから、待望の先制ゴールを奪うんだ・・

・・その時点で、フロンターレ選手たちは、自分たちの汗かき努力が(覚悟が!?)、報われたと感じたに違いない・・

・・そして、そんなポジティブな(積極的&攻撃的な!?)マインドが、相乗的なブラスを生み出しつづけた(自信レベルのアップ!?)・・

・・逆に、FC東京の選手たちは、互角の展開ではあったけれど、うまくチャンスを創りだせないことで(スペースを攻略できないことで!?)、徐々に疑心暗鬼に陥っていった(!?)・・

・・もちろん、そんなFC東京選手たちのマインドのネガティブ現象の背景には・・

・・徐々にゲーム内容をアップさせつづけるフロンターレに、物理的、心理・精神的に押されていったこともあった・・

・・ってなコトで・・

会見場だけじゃなく、帰りの電車のなかでも、そんな、ゲーム展開コンテンツの構図をイメージしながら、キーボードを叩きつづけていたっちゅう次第。

そんな私のマインドの中心には、こんなチト奇異な感性もあった。

それは・・

「あの」フロンターレが、とても緻密に「ゲーム戦術」を組み、選手たちが、全身全霊で、それに取り組みつづけたということ。

たぶん、それが、前述した「覚悟の内実」だったのかもネ。

そして彼らは、そのゲーム戦術プランをうまく機能させながら、徐々に「自分たちのサッカー」も活性化させていくんだ。

そして、結果もつかみ取った。

立派なゲームだったじゃないか。

そう考えると、冒頭で表現した、彼らの「心からのガッツポーズ」のエモーションを共有できるかもしれない・・なんて・・ネ。

その、フロンターレの、自分たちのサッカー・・

そう、人とボールを動かしつづける、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション。

そして、それにタイミングよくミックスしていく、個のドリブル勝負。

そんな、「組織と個」がハイレベルにバランスする高質サッカーで、何度もスペースを攻略できちゃうわけだから、そりゃ、確信レベルがアップするのも道理だよね。

それにしても・・

(調子が上がり・・)自分たちのサッカーを、十二分に表現できるようになってからのフロンターレが魅せたサッカーは、まさに、美しい質実剛健サッカーだった。

そう、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション・・

彼らは、パスを受ける前から、どこに、誰がいるのかを、とても鮮明にイメージできている。

だからこそ、素晴らしい「経路」で、人とボールを、美しく、そして軽やかなリズムで「動かし」つづけられるっちゅうわけだ。

彼らの場合は、人とボールの「動き」についての、具体的な「イメージング」が、ものすごく高いレベルでシンクロしつづけているっちゅうことだね。

それこそが、「あの」軽快なリズムでの人とボールの動きを演出している。

そして、それこそが、彼らの真骨頂っちゅうわけだ。

それにしても・・

そんな「動きの中心人物」である、牛若丸、中村憲剛・・

あれ・・もう、そんなに若くないか・・

でも、それにしては・・

まあ、この牛若丸もまた、怪物の仲間なんだろうね・・へへっ・・

とにかく・・

彼が魅せつづけたスーパーパフォーマンスに対して、とても素直に、心からの敬意を表する筆者なのであ〜〜る。

ということで・・

前述した、「覚悟のゲーム戦術プラン」が、殊の外うまく機能した「中心」にいたのも、牛若丸、その人だったという事実に、異論をはさむ方はいないでしょ。

ホント、牛若丸には、脱帽でした。

ということで、次に・・

様々な意味合いで、フロンターレのゲーム戦術プランに、とてもうまく、巧妙に「ハメ込まれてしまったFC東京・・」という視点。

もちろん、この表現が相応しいかどうかについては、「異論、反論、オブジェクショ〜ン」ってなコトなんだろうけれど・・

私は、そのように(フロンターレにとって、とてもポジティブに!)変化していった「ゲーム展開の構図」を考えながら、様々な視点に思いを馳せていたんだ。

そして・・

うまく「はめ込まれた」チームが、途中から、流れを改善するために「やり方イメージ」を変化させるってなことが、いかに難しいかを再認識していたんだ。

そう、サッカーが本物のチームゲームだからこそ、難しい。

たしかに前半は、互角のせめぎ合いだったけれど、「人とボールの動き」という視点では、FC東京を、自らのゲーム戦術に「はめ込めた」フロンターレに一日の長があったよね。

そして、その微妙な「差」が、どんどん大きくなっていった・・ってな印象が残っている。

長谷川健太さん・・

・・たしかに今日は、フロンターレのゲーム戦術にやられてしまったトコロがあったけれど、リーグは、まだまだ15試合も残っているし、とにかく本当の勝負は、ここからですよ・・

そんな、とてもポジティブなオーラを放散していた。

いまの彼らだったら、リーグ優勝へ向けて、大いに期待できるでしょ。

これから展開されるであろう、エキサイティングな優勝争い。

いまから、心が躍りますよ。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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