湯浅健二の「J」ワンポイント


2018年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第5節(2018年4月1日、日曜日)

 

サッカーは究極の意志のボールゲーム!・・(ジュビロvsレッズ、2-1)

 

レビュー
 
この日のレッズについては、「意志」というテーマしか思い浮かばない。

短く、まとめます。

前半から、レッズに、球際の勢い(デュエルパワー)が乗っていかない。

そう、ボールを奪い返すための闘う意志という視点で、ジュビロの後塵を拝しつづけたんだよ。

微妙なディスカッションだけれど・・

・・例えば、チェイス&チェック・・

・・その(寄せの効果的スキルも含めた!)勢いが十分でなければ、もちろんボールを「追い込む流れ」のキッカケなど演出できるはずがない・・

・・例えば、連動ディフェンス・・

・・連動すべきボール奪取アクションのイメージングに勢いが乗らないから、次、その次のマーキング&アタックのアクションも中途半端になってしまう・・

・・そんなだから、結局(相手)ボールの後追いになってしまうシーンが続出していた・・

・・などなど・・

それじゃ、次の攻撃でも、レッズの生命線である、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションを機能させるための数的優位なカタチを創りだせるはずもない。

そんなだから、ジュビロに、ゲームの流れを牛耳られるのも道理だった。

たしかに後半は、少しは盛り返した。

でも、興梠慎三のミドル以外、ジュビロ守備ブロックを振り回して裏スペースを攻略する・・なんていう効果的な仕掛けの流れなど、ほとんど創りだすコトができていなかった。

それどころか、ジュビロ選手たちの忠実なフリーランニングによって、何度もピンチに陥ってしまうんだ。

西川周作がいなければ、大差の敗退ということになっただろうね。

フ〜〜ッ・・

いつも書いているように、不確実な要素が満載のサッカーは、究極の「意志のボールゲーム」なんだよ。

もし気合い(集中力)が乗らず、「そこそこの攻守ハードワーク」でお茶を濁していたら、ホンモノの組織スポーツだからこそ、チームの「モラル&フォーム」は、すぐに地に落ちちゃう。

そう、「行ってもダメかも・・」ってなネガティブマインドが蔓延し、チーム全体のアクション(攻守ハードワーク)の内実がガタ落ちになっちゃうのがオチなんだ。

たしかに、ゲームの流れのなかでは、そんな微妙な「極限デュエルの内実」は見えにくい。

でも、私が、レッズのサッカーに、何かネガティブな(消極的でアナタ任せな!?)雰囲気を感じていたのは確かな事実だったんだ。

もしレッズが、前半のジュビロのように(後半も部分的には!)、ものすごくエネルギッシュな、素晴らしく連動しつづけるボール奪取勝負(攻守ハードワーク)を展開できていたら・・

そう、本来の彼らのサッカーが出来ていたら、明確に、チーム総合力の差を魅せつけられたろうに・・ネ。

そんな積極的でダイナミックな攻撃サッカーができれば、観ている誰もが納得するだろうし、それで負けても拍手を惜しまないでしょ。

でも・・フ〜〜ッ1・・

ちょっと気が滅入りすぎているから、今日は、こんなところで・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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