湯浅健二の「J」ワンポイント


2018年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第1節(2018年2月24日、土曜日)

 

2018_J1_第1節・・レッズの攻めにチト硬直性を感じてしまったりして・・また久保建英という希望の星についても・・(FC東京vsレッズ、1-1)・・(2018年2月24日、土曜日)

 

レビュー
 
・・勝ちにこだわった、(それなりに意味のある!?)内容あるゲームだったと思う・・

・・えっ!?・・よい内容のバックボーンですか??・・

・・そりゃ、守備の機能性が、とてもよかったことですね・・

・・また、それだけじゃなく、後半は、よりゲームが拮抗してきたこともあって、我々も、しっかりと攻め上がってチャンスメイクした時間帯を創れたしね・・

長谷川健太監督が、そんなニュアンスの内容をコメントしていた。

フムフム・・たしかに・・

全体的にはゲームの(流れの!?)イニシアチブは握っているレッズだったけれど、どうも、最後のところでチャンスを創りだせない(攻めきれない!?)。

前半では、新キャプテン柏木陽介から、タテの決定的スペースへ抜け出した興梠慎三への、まさに「あうん」のスーパースルーパス&(興梠慎三の)ダイレクトシュートっちゅうビッグチャンスがあった。

とはいっても後半は、宇賀神友弥のミドルシュートくらいが、可能性を感じさせるチャンスだったですかね。

そう、たったの2本。

いつも書いているように、我々は、シュート数だけじゃなく、「ゴール可能性の高いチャンスメイクプロセス」という視点でも、攻撃の「量と質」を測ります。

たしかに、その視点ではレッズに軍配が挙がるけれど・・

そう、FC東京だって、前田遼一と交代した久保建英が、仕掛けのドリブルから、東慶悟との「タメのワンツー」を成功させて決定的シュートを放つ場面を創りだしたんだよ。

それは、後半の延長1分というタイミングだったけれど、多分、このゲームで最もエキサイティングな得点チャンスシーンだったと思う。

ところで、その、久保建英・・

長谷川健太監督が、私の質問に応えて、こんなニュアンスの内容をコメントしてくれた。

曰く・・

・・そりゃ、まだまだパワー不足だから、身体ごと潰されちゃうシーンも多い・・

・・だから彼には、周りの「大人」が走り回って、よいカタチでボールを渡さなければならない・・

・・実際、彼の才能を認めている「大人」の連中は、彼のためにしっかりと攻守ハードワークをしているし、より良いカタチで久保建英にボールを供給しようとしている・・

フムフム・・

ところで、この「大人」っちゅう表現・・

それは、私が、質問のなかで使ったモノでした〜。へへっ・・

また長谷川健太監督は、「久保建英の天才を、いかに効果的に使うのか・・」というテーマについて、チームのなかでも、かなりイメージが共有されてきている・・とも言っていた。

そう、だからこそ、前述した「絶対的ゴールチャンスシーン」も含めて、久保建英のプレー内容(自信と確信レベル!?)も、アップしてきているんだろうね。

この「久保建英の天才を活用し尽くす・・」というテーマでも、長谷川健太監督の「ストロングハンド」が発揮されるに違いない。

期待してますよ〜・・長谷川さん・・

さて・・ということでレッズ・・

たしかに主導権は握っていた。

でも攻撃が、ままならない。

いや、攻撃の流れのコノテーション(言外に含蓄される意味)が充実してこない・・と表現した方がいいかな。

要は、彼らの強みである、互いの仕掛けイメージが高質にシンクロした、ダイレクトパスを織り交ぜる組織コンビネーションが上手くハマらないっちゅうことです。

言いたいことは・・

そんな、ダイレクトパスを織り交ぜた(高質な!)組織コンビネーションをうまく機能させるためには、ある程度の人数が必要になるということでっせ。

今日のレッズでは、「それ」が足りていなかったっちゅうことです。

その要因の一つとして、私の眼には・・

どうも、マルティノスと武藤雄樹が、両サイドラインに「張り付きすぎ」のように思えてならなかったんだよ。

もちろん、レッズ攻撃の特長である大きなサイドチェンジを活かすために、サイドラインゾーンに一人は張っていなきゃいけないけれど、でも、「あれ」は、張りすぎじゃないの??

だから、センターの興梠慎三が孤立してしまったり、後方から仕掛けコンビネーションをブチかまそうとドリブルで仕掛ける柏木陽介も、どうもうまく「人とボールの動き」をマネージできない。

たしかに、長澤和輝や、(素晴らしいアンカー&ゲームメイカーぶりだった!)青木拓矢が上がってきたときは、スマート&スムーズに人とボールが動くシーンは演出できていたけれど、でも「そんな仕掛けの流れ」に、両サイドも、常に絡まなきゃダメでしょ。

言いたいことは、もっと、もっと、両サイド選手が、縦横無尽に走り回れ・・っちゅうことサ。

そう、ゼロトップのようにネ・・

そして、(サイドチェンジとかの・・)必要なときにサイドゾーンを、効果的なポジジョンの選手が埋めりゃいいんだよ。

とにかく、この試合では、そんな、すこし「硬直した」攻め方が気になって仕方なかった筆者だったっちゅうことも言いたかった。

あっと・・

それから、せっかく、良いカタチの「クロス供給シーン」を何度も創りだしたのに、「あの」精度じゃ、どうしようもないよね。

心当たりの選手は、しっかりとトレーニングに励んでもらいたいモノです。

まあ、とにかく・・

レッズが調子をアップさせていくのは「これからのコト」だろうから、彼らの進化&深化プロセスを、自身の学習機会としても注視していこうと思っている筆者なのでした〜〜・・

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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