1993〜1999年の通算チームデータ(時系列比較のために前年までの通算データも残します)


通算勝率


これは、「J」がはじまった1993年から、昨年1999年までの、全チームの勝率ランキングです。

1996年シーズンが終了した時点では、まだ単独トップにいたヴェルディー川崎。1997年、1998年の成績がふるわず、1997年が終了した時点でアントラーズに並ばれ、1998年シーズンが終了した時点でジュビロにも抜かれて三位に、そして1999年シーズンまでの通算ではエスパルスにも抜かれて四位に後退です。

1998年まで徐々に総合成績を上げてきたエスパルス(1998年までの通算では五位)、1999年シーズンは皆さんもご存じの大活躍で、一気にマリノスとヴェルディーを抜き去り、堂々の三位にまでランクを上げてきました。それ以外では、「J」発足当時は最下位グループだったにもかかわらず(あまりにも負け続けたから通算記録になったら痛い!!)、1998年までのは順調にランキングを上げていたグランパスとレッズが、1999年シーズンでの不調が響き、少しランクを下げたこと、また彼らに代わり、1999年シーズン、安定したサッカーを展開したレイソルがランクを上げてきたのが目立ちます。


通算平均ゴール数


7年間を通した「一試合の平均ゴール数」ランキングです。

ここでもアントラーズがトップを維持していますが、昨年までの通算データと比較すると、ちょっとゴール数が減少気味。そういえば、99年シーズンのアントラーズは、ケガ人が多くて良い結果をあげることができなかっただけではなく、稀代の才能、柳沢も伸び悩みましたからネ。そのことが、「正直」な数字に表れているのでしょう。

それ以外では、1998年までの結果と大差なし・・でした。


通算平均失点数

7年間を通した「一試合の平均失点」ランキングです。

1998年までの通算と、 1999年までの全年通算では、「首位」が入れ替わったことが大きな変化でした。1998年までの通算ではヴェルディーがトップだったのが、1999年までの全年通算ではアントラーズが、初めてトップに躍り出たのです。

これで、勝率、一試合平均ゴール数・失点数のすべてでアントラーズがトップ。最後に、攻撃と守備のバランスをあらわす「ゴール/失点の指数」ランキングをお見せしましょう。


通算「ゴール/失点」指数


さて「指数」ランキングです。この、総ゴール数を総失点数で割った数字は、基本的には「得失点差」と同じ性格のものですが、それでも試合数が多くなれば、単純な得失点差ではあらわしにくい「得点/失点のバランス」から、そのチームの傾向がつかみやすくなります。

例えば、同じ試合数で「A」チームが150ゴールを挙げ、100失点したとします。それに対し「B」チームは100ゴールに50失点。この両チームの「得失点差」はともに「+50点」ということになります。ただ、それを指数であらわすと、「A」チームの「1.5」に対し、「B」チームは「2.0」。このことで、「B」チームの方が、攻守のバランスの良いチームだということが一目瞭然。つまり、得失点差が、単なる「数字の差」のみを表すのに対し、「指数」は「攻守のバランス」を表現できるということです。それに「一試合平均ゴール・失点」を合わせれば、より詳細で正確な分析ができるというわけです。「得失点差」は「成績」を決めるための「数字」。それに対し、ゲーム内容の分析に必要なのが「ゴール/失点・指数」というわけです。

この結果と、最初の「勝率ランキング」を比較してみてください。何チームかは前後しますが、基本的には一致していることがお分かりいただけますよね。結局、リーグを制するものは、攻撃と守備のバランスがとれたチームだということです。

さて、昨年までの結果同様、1999年までの全年通算でもアントラーズがトップの座に君臨しています。「J」が始まった1993年から5年間は、ヴェルディーが「通年の指数王者」だったのですが、現在は三位にまで後退しています。また、昨シーズンまでのトータルで、大きく数字を伸ばしたジュビロとエスパルスですが、1999年シーズンまでのトータルでは、ちょっと数値を落としてしまいました。とはいってもエスパルスは、皆さんご存じの大活躍でしたがネ・・。ともあれこの結果は、アントラーズが、過去7年間を通じて「安定したチカラ」を発揮していたことの証明だとするのが妥当でしょう。

これでアントラーズが、「通年ランキング」のすべての項目でトップに立ちました。素晴らしい能力を備えた若手が伸びている彼らのことですから、通年ランキングでの「牙城」は、当分は他に譲らないのでは・・。来シーズンに注目しましょう。



[トップページ ] [湯浅健二です。 ] [トピックス(New)]
[Jワンポイント ] [データ分析 ] [海外情報 ]